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天池の怪獣
長白山天池には、怪獣が生息しているといわれています。
1960年代から、“怪獣”の出現を目撃した人は多く、政府の官吏、科学研究員、学者、芸術家、新聞記者、一般人など
さまざまで、また韓国、日本、米国などの国からの観光客もいます。とはいえ、最近急増している長白山への観光客のうち、
幸運にも怪獣を見ることが出来た人の比率はごくわずかなものです。その理由の一つは、山頂の天気が変わりやすく、
霧で天池が覆われることが多いからです。そしてもう一つは、怪獣が水面に姿を現す時間が非常に短く、せいぜい1、2分、
長くても4、5分だからです。ほとんどの人は怪獣を見ることなく天池を通り過ぎてしまいます。
百年前の地方の文献に天池の“怪獣”の存在に関する記載があります。最近は、写真撮影や録画にも成功しています。
しかし撮影の場所は、いずれも天池周辺の山頂であり、水面まで1q以上は離れています。また、怪獣の身体は大部分が
水中にあり、写真に撮られているのは鍋ぶた形の背中、不明瞭な黒い点、あるいは線形、もしくは水の紋様で、これらを全て
検証しても、それが結局どんな種類の生物なのかが明らかに出来ません。ただ、天池の水中を泳ぐ不明の生物がいるという
ことが確認されているだけです。
長白山天池には、本当に“怪獣”がいるのか?この「世紀の謎」については、意見が交錯しています。何人かの厳格な自然
科学者達は、否定的です。彼らは、天池が火山が爆発した後に水が溜まって形成された湖であり、しかも長白山の直近の
噴火は300年ほど前であり、また天池の水温は非常に低く、8〜9ヶ月の氷雪期があり、中には生物はほとんどおらず、
大規模な生物が存在出来るような食物連鎖も不可能であるとしています。ましてや、クビナガリュウなどの類の爬虫類は6500万年前に
既に絶滅しているはずであり、天池の中に出現するわけがない。もしそれが天池の中で発生して進化して来たというのも、
天池の歴史が短いことを考えればあり得ないことだとしています。
東北師範大学の祝廷成教授は“天池の怪獣”はおそらく大きな魚だと考えています。彼は、その数年前、北朝鮮に行き、
北朝鮮の科学研究員が実験目的で天池の中にニジマスを放流したという話を聞きました。「その時のニジマスの一部が20、
30年のうちに成長して、5kg近くの重さとなり、それが怪獣に見えるのだろう」としています。
目撃者の多くは1匹の怪獣が天池の中を泳いでいるところを見たと言いますが、複数、甚だしきに至っては7匹の怪獣を
同時に見たという人もいます。怪獣が横になって天池の岸辺で休んでいるのを見た人もいます。ある人は非常に小さいと
言い、首が細い、巨大、まるで恐竜、小舟に似ている、水牛に似ている、犬に似ている、カワウソに似ている、鍋ぶたに似ている
など、多くの目撃者の話が様々に異なっています。
熱狂的なファンからなる民間組織・長白山天池怪獣研究会の統計によれば、"天池怪獣"が結局のところ何物であるかに
ついて、今のところ20種類ほどの“推測”がされています。カワウソ説、ツキノワグマ説、巨大蛾説、浮石説、大魚説、小舟説、
幻覚説、潜水艦説、変異生物説、《山海経》に記録された横寛獣だという説……甚だしきに至っては、宇宙人説も出ています。
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