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満州民族の長白山
満州民族発祥伝説 | 紅楼夢と長白山
長白山は満州民族にとって、民族の発祥と深く関わる聖山です。
満州民族(女真族)が建国した金の時代にも、神々が宿る聖山として、信仰の対象になっていました。
その頃から「長白山」という呼称も使われるようになりました。
金の時代からシャーマニズムの祭祀が執り行われていたといわれ、
天池の傍には女真祭台と呼ばれる石積みがあります。
ただこれが、本当に当時使われていた祭台なのかどうかについては、後世に何者かが捏造したものという説もあり、はっきりしませんでした。
女真祭台
ところが1999年、この祭台のすぐそばから高さ98cm、幅45cm、厚さ10cmほどの女真文字碑が発見され、一躍注目を浴びました。
周囲には似たような石が多く、また表面がかなり風化した上、苔に覆われており、
刻まれた文字数も多くはなかったため、長い間誰にも気付かれぬまま放置されていたのです。
鑑定の結果、明らかに女真文字と判明した3文字が「太白神」もしくは「太平碑」と読めるとのことです。
やがて、同じく満州民族による王朝である清の時代になると、皇室発祥の地とされ、
歴代の皇帝肝煎りによる祭祀が幾度となく執り行われました。
(詳細は歴史のページをご参照下さい。)
山麓に拡がる原生林に囲まれた美しい湖、「圓池」が満州民族発祥の地とされています。
天文峰の東30kmほど離れた赤峰の西北側(白山市)にあり、直径180mほどの円形をしています。
圓池は満州族発祥の地として今では観光地にもなっており、清代末期に建てられた「天女浴躬池」の石碑が残っています。
清の皇室である「愛新覚羅」氏誕生の神話は、次のようなものです。
その昔、天女の三姉妹が水浴びをしていると、神の使いであるカササギが赤い実を運んで来ました。
末の娘・仏庫倫がその実を口に入れると、たちまち身ごもり、布庫里雍順という男子を産みました。
布庫里雍順は容姿端麗にして聡明であり、成長すると川を下り、争っていた3つの部族を治めて満州族の始祖となりました。
それから数代経て、彼の子孫は人々に暴虐を働き、一族は皆殺しにされます。
ただ一人、幼い范察だけは生き残ることが出来ました。
范察から数代の後に肇祖原皇帝・都督孟特穆が登場します。
彼は悲願だった失った地位を取り戻し、ヘトゥアラ(赫図阿拉、現在の遼寧省撫順市付近)に居を構えます。
その後、興祖直皇帝・福満→景祖翼皇帝・覚昌安→顕祖宣皇帝・塔克世と続きます。
塔克世には5人の子があり、その一人がヌルハチで、清の初代皇帝となりました。
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