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美人松は世界で最も背が高く美しい松といわれています。 高さは25〜30m、太さは25〜40cm。学名は長白松といい、長白山の麓、二道白河鎮のみに生息する珍しい品種の松です。

以下の伝説はこの美人松に関し朝鮮民族に伝わる伝説です。美人松ができた 説話の主人公は、松風という青年と羅月という娘の話です。 '松風羅月'という言葉は元々、松の枝の間を吹き抜ける風 と蔓草の間に映る月明りを意味しますが、昔の人々は善男善女を擬人化するのに使いました。

長白山の北、安図県二道白河鎮の入口には、松風羅月と呼ばれる美人松の森があり、この森はこの村に住んだ松風 と羅月の切ない愛の物語が伝えられています。二人は幼い頃から同じ村で育ち、それぞれに壮健な青年、気立ての 優しい美しい娘になりました。

三月、十五夜の月の光が白河江の水を銀色に染めた夜、二人は将来夫婦になろうという約束を交わしました。

両家とも非常に貧しく、毎年、村の長者である里長から借りた食糧と借金で苦しんでいるのは同じでした。

里長は羅月の美貌を人知れず見初め、妾にしようと画策していたところ、羅月が松風と親しいという噂を聞き、二人を 無理やり引き離す謀略を巡らしました。そこで里長は松風に 1年間、城を築く労役を押し付け、労役が嫌なら今までの 借金を直ちに返せと迫ったのです。

仕方なく労役に出た松風は、労役に出る前日、羅月と白河江畔で会い、現世で一緒に暮すことが出来なければ、 あの世ででも夫婦になろうという約束をし、二人は切なく抱擁しました。 松風が去ると、里長は世話人を羅月に送り、 自分の妾になるようにと懐柔し始めました。しかし羅月はその都度、世話人を突き放し 1年を堪え抜きました。1年後、 他の労役者たちは全員戻って来たのに、松風だけが戻りませんでした。

しばらくして、松風が城を築く途中、石にぶつかって死んだという噂が伝わりました。世話人は毎日、羅月に里長の妾 になるように説得し、死んだ人を待っていないで身を固めなさいと薦めました。羅月が断ると、里長は最後の手段として これまでの借金を督促し、借金を返せないのなら無理やり捕えて連れ行くと脅しました。

里長は作男たちに花の輿と縛り縄を持って行かせ、羅月にどちらを選ぶのかと迫らせました。妾になるなら花の輿に乗せ、 断るなら縄で縛って連れて行くといいました。 羅月は一夜だけ待って欲しいと哀願しました。

月明りが煌々と照る夜、羅月は新しい服に着替え、松風と約束した白河江畔に出て、岩の上に水一杯をかけ、礼拝をして 一人だけで松風と婚姻を結ぶ儀式を挙げ、そのまま川に身を投げてしまいました。

羅月の死骸は白河江の水中を何度か回ってから、二道白河村の入口に押し出され、白河江も悲しく泣きながら柔らかい砂 と土を積んで来て羅月の死骸を覆い、のっぺりした墓を作り、再び元のように流れ始めました。

その後、墓の上に櫛一本が突き出し、羅月が死んでから 3年後に松風が帰って来ました。 城を築きながら石に轢かれて一度死に、やがて生き返り目が覚めたものの。傷があまりにもひどく、身体は完全では ありませんでした。松風は這うようにして村に帰って来ましたが、羅月の死を聞き、声をあげて泣きました。

里人たちが教えてくれて、羅月の墓を訪れたところ、墓の上に美人松一本が空を向いて育っていました。松風は美人松 を抱きしめて泣き、夜遅くなってから村に帰って来て、渾身の力を振り絞って里長の家に火をつけました。

火炎に包まれた光景を見守った松風は、大きな声で笑いながら羅月の墓に向いました。羅月を呼びながら美人松を 抱きしめつつ、松風は赤い血を吐きながら死にました。松風の死骸の中からやがて霧が立ち上り始め、霧は美人松を 包むようにぐるぐる回りながら空へとゆっくりと上りました。

その後、美人松はすくすくと成長し、枝ごとにふさふさと松かさが出来、熟して、松の実は風にそよいで揺れ、四方へと 拡がって行きました。松風の血は美人松の身になり、青い葉は羅月の愛だったのです。