観光による活性化
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なぜ観光なのか?
賑わいを創出する方法は、いろいろあります。
古くから行われているのは、道路・鉄道・施設などのインフラ整備により、その利用客を当て込んだ 賑わい創出法です。しかしこの方法は今の御時世、財源確保が難しくなっていることと、 利用者の嗜好変化により必ずしも当初の見込み通りの効果が上がらないケースが増えているため、 慎重に吟味される傾向にあることは周知のとおりです。
もっとも手っ取り早いのはイベント
でしょうか。 既存の設備を使う限り、かかるコストはかなり限定されるでしょうし、 イベントの内容によっては一度に多くの来客が見込めるため、地元にもたらす経済効果には 計り知れないものがあります。また、視覚的にも聴覚的にも盛り上がるものが多く、 感覚的に賑わいを呼ぶ上では最も効率が良いとも言えましょう。
ただその
持続性が問題
であって、イベントが終わってしまえば元通りです。 年がら年中イベントばかりやっているわけにも行かず、賑わい定着のためにはもっと本質的な 対策が必要になろうかと思います。
そもそも、かつての中心街が賑わっていたのはなぜでしょうか?特にイベントが多かったわけではなく、 イベントのない時でも、今の平時よりはるかに賑やかな様相を呈していました。 「中心街沈滞の原因」でも述べましたが、中心街が「市民の台所」としての重要性な位置を 占めていたことが原因です。
そのように考えますと、中心街に往年の活気を取り戻すためには、再びそこを市民の台所にするか、 もしくは他の理由で定常的に流入する人の流れを作る以外にないと思われます。 そして前者が今やほぼ不可能であることは誰の目にも明らかでしょう。市民の台所は 市内各地の大型店に分散しているわけで、このことは既に変えようがない現実です。 それら大型店の周辺の人々が 大型店を差し置いてわざわざ買いに来るほどの優れものを中心街で販売出来ればよいのですが、 それも並大抵のことではないと思われます。
では、どうすればよいのか?
ズバリ、後者、即ち現在の中心街の機能・性格をガラリと変え、 新しい人の流れを作る以外にないと思います。つまり、今では市民から期待されなくなった「台所」としての 機能・性格から、
全く別の機能・性格の場所に変えてしまう
ということです。保守的な住民は反発するかも知れませんが、 中心街のこの機能・性格を変えない限り、それが今の市民から求められているものでない以上、 賑わいを創出することは不可能といってよいでしょう。
決して中心街の既存店舗を入れ替えろという意味ではなく、新しい機能・性格にマッチした業容にそれぞれの店舗が 適応する努力をすればよいのです。
では、例えば工業団地にするのか?学園都市にするのか?といわれれば、その財源を 考えればこれまた不可能でしょう。仮にインフラが出来たとしても、サイエンスシティの 閑散とした現状を見れば、それを賑わい創出に結びつけることの難しさが判るというものです。
そこで出て来るのが、付近に多く集まる文化財の活用であり、「歴史文化の街」を標榜しつつまちづくりを進めようという 一連の動きであるわけです。津観音の「五重塔」「宝物館」、分部町「唐人さんの家」や、大門「館」なども、こうした思惑から作られた インフラであるわけです。
観光事業による賑わい創出、これこそが津に残されたほとんど唯一の切り札といってよいでしょう。 中心街の店舗には、市民の台所としてではなく、「観光地の店」 に求められるニーズに応える努力をしていただくことになります。
ただ観光都市化をすすめる上で、その方法論につき議論の余地が相当にあるのではないかと思います。