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[社会] 朝鮮族農村の未来、有機農業が導く

編集者の言葉

黒龍江省海林市人民政府、黒龍江新聞社、韓国環境農業団体連合会、在韓朝鮮族経済 文化発展協会準備委員会の共同主催で‘2005年中韓有機農業合作交流セミナー及び第 5回全省朝鮮族郷村幹部農業科学技術講習班’が3月4日から5日まで、海林市で盛況裏 に開催された。

韓国の環境に優しい農業技術を伝授し、我が朝鮮族農村の有機農業時代を開くことに 主旨を置いた今回の大会に、韓国環境農業団体連合会リ・テグン会長を含めた14人の 有機農業の専門家たちが論文を発表した。さらに我が省各郷村の郷村幹部たちが有機 農業で挙げた成果、及び経験を交流、新年に有機農業での各自の計画を出した。本 日、本紙は今回の会議に参加した一部の郷村幹部、農業経営者たちの体験談、及び新 年計画を記事化して読者に紹介する。


▲第5回全省朝鮮族郷村幹部 農業科学技術講習組綜合討論の様子

鴨農法で無公害有機食品をリード

黒龍江洪南水稲開発研究所所長 洪相杓

2年前から環境に優しい鴨農法について研究、実践して大きな成果をおさめた黒龍江 洪南水稲開発研究所 洪相杓所長は“私は中国で一番良い白米を作り上げ るために奮闘します”と述べた。 40年の米栽培実験、示範及び緑米生産に一定の貢 献をして、黒龍江省労動模範、省10大高級農民の称号を受けた彼は、得た成績に満足 することなく引き続き探求した。

コメの有機食品、無公害食品を大々的に発展させて米生産のメリットを向上するため に洪所長は、2003年春から水田鴨農法技術を模索、水田で鴨の‘解毒性’、‘殺 虫性’、‘除草性’作用を充分に発揮して稲と鴨の調和に成功した。

彼は鴨農法の主な技術の要領は、田に化学肥料や農薬を使わないで有機肥料(豚、牛、鴨、 ニワトリなどの糞)を使って鴨の旺盛な雑食性とふんだんな活動を通じ、水田の雑草、 害虫をとり除き、土壌を掘り起こし、苗を刺激して分株を促進し、 豊かな土壌を造成し、土地を活性化することで純粋な無公害米を生産するものと説明した。 初年度、彼は8ヘクタールの面積に1680匹の鴨を入れ、翌年に は4ヘクタールに1000匹の鴨を入れて無公害米を生産した。

2年間の水田鴨農法を実践により多くの経験を積んだ彼は、鴨の品種選択から肉用鴨、卵用 鴨、当地鴨など三種類の鴨品種の除草効果、殺虫効果はいずれも良かったが、原価を考慮 して一番良いのは当地鴨を選ぶのが望ましいと説明した。

彼は我が民族の水田生産の発展方向は、完全無公害の有機農法だと指摘した。国内市場を 見れば多くの人々が健康食品に対する認識が高くなり、高い価格でも良い米を食べよ うと思う人がますます多くなっている実情から、本当に良い米なら国内市場でもいくらでも高 い価格で売ることがで出来、朝鮮族の農村ではできるだけ早く高品質な無公 害有機農業を発展させなければならないと分析した。

鴨農法の前に化学肥料、農薬を抜くための若干の潜伏期限が過ぎれば、純粋な高品質無公害米を 生産することができる。その米は広範な消費者が健康生 活の必需品と見做す広い市場を持っている。洪所長は純粋な無公害白米のため に、農業大学へ行って専門知識を学び、今年には15haの面積に鴨3000匹を 入れ、鴨農法をする計画だ。

有機農法農民たちの所得増大と直結

阿城市阿什河農民合作社社長 陳鶴峰

“現在、無公害白米が消費者に大変歓迎されており、これからはこのような 無公害白米を生産することができる有機農法を取り入れて、大規模農業を推進する計画 です。”

阿城市阿什河農民合作社(阿城市 阿什河郷 城建村)の陳鶴峰社長は、今年の計画をこのように打ち明けた。

城建村は11の朝鮮族村と1つの漢族村で成り立っているが、村全体の農家が849世帯、 労力は990人で1997年現在、阿什河農民合作社の前身である阿什河稲米協会が設立されたと言う。

当時、合弁会社の創始者である金貞玉副社長は、村民の米販売問題発生に 備えて相互白米価格の下落策で一年の農業を損なうことなく共に市場に対処しようという素朴な考えで 阿什河稲米協会を設立した。 しかし経験不足でおよそ1年間運営したものの、予期した効果を挙げることができなかっ た。そこで村幹部は自費で合作経済が比較的成功した韓国釜山の農協を訪問、数次にわたり韓 国釜山農協の該当の専門家たちを招待して、指導を受けた後、村民の米生産、加 工、販売など経営を支援する株式制農民合弁会社を設立し、ブラン ド戦略を実施、 ‘阿什河印’無公害米の銘柄を登録して統一的に種子を購入、肥料標 準、技術指導、加工、包装に至るまで米の品質を改善するなど、市場競争力を向上させた。 その甲斐あって、2000年、周辺の農村と郷鎮の農民たちは一斤当たり0.9元の価格でも 販売することができない白米を1.2元にて完売、2002年には収穫した米を0.68元の価格で 一次的に某グループに530トン販売する'奇蹟'を起し、 去年には何もしなくても一斤当たり1.60元の価格で白米を完売。したがって 合弁会社の社員たちの稲と白米が早く売れて、価格も良いコネにより、この村の米作り農家 が全て入社したほか、周辺のその他の郷村の米作り農家も続々と入社、当初の21 戸から101戸に増加し、大部分の社員たちの一人当たりの収入も5000元余りになった。

しかし社員の所得増大が最善である株式制合弁会社であるだけに、これまでのように在 来式農法にかたよった大量生産だけに基づいたのでは、長期的な所得増大を目指すことは出来ない というのが陳鶴峰社長の見解だ。特に今日、世界的に環境に優しい有機農法によって生産さ れた穀類が消費者の大幅な支持を受けており、また高価格にて販売される時 点で陳鶴峰社長は今年から現地の実情に相応しいように有機農法を取り入れて徐々に経 験を積んだ後、機械化を実現した有機農法の大規模化農業で、どしどし発展させ、全国ひ いては国際的なブランド戦略で社員の長期的な所得増大をはかることが対策であると述べた。

有機農業は朝鮮族農村の発展方向

五常市民楽朝鮮族郷 郷長ソン・ドクウク

五常市民楽朝鮮族郷は、時代の発展の鼓動をその都度に勘案し、地域の有機農業発展に本格的に 進出している。

現在、郷全体の耕作地面積は4万7000畝だが、今年に入って朝鮮族が全体の30%を扱うよう になるという。この数値は、去年の20%に比べて大きく向上することになる。 その原因は主に去年の中央と省の農業優待政策、そしてこれによる高い米価により朝 鮮族の稲作率が上ったことにあるとソン郷長は語った。

民楽朝鮮族郷ソン・ドクウク郷長の紹介によれば、 去年、郷全体の農民たちのha当たりの純収入は1万元に達した。こういうわけで以前に は農業を減らす方向だった農家が、今年は各々耕作地を伸ばして一戸平 均5〜6haずつ扱うようになった。農業をする人が少なくて、土地が余っていた民楽郷 は、長い間見られなかった農業ブームで沸き立っている。

全国的に最高ブランドを誇る民楽郷の白米は、味が良くて消費者たちの脚 光を浴びているが、既に販売市場にもなっていて好況を博している。去年、民楽米 は、省全体の平均米価格より約20〜30銭程も高かった。そんな状況に備え、ソン郷長 は“朝鮮族の農民たちの収入を一歩向上し、今後も引き続きこうした望ましい状態を 確保するためには、必ず有機農業を発展させなければならない.”と強調した。

彼は、郷全体の幹部と農民たちは一昨年から有機農業を発展させることについての意識を明 確にし、有機農業の発展を積極的に推進して来たと述べた。郷政府の農業技 術部門では、有機農業講習組を組織し、郷全体の農民たちに有機農業の知識を伝授した。

ソン郷長によれば、民楽郷は現在、伝統農業から有機農業に転換する過渡期 にあり、約5年ほどの時間を経て有機農業に完全転向する見込みだ。 有機農業の発展では、朝鮮族の村が漢族の村より遥かに先に進んでいる。

有機食品基地の建設に全力

寧安市渤海鎮水村 党支部書記・柳京雄

ずいぶん以前から全国に名声を轟かせていた水米は、新しい時代を迎え、環 境に優しい無公害有機農業を発展させながら農業の再跳躍を試みている。巨大な市場の需要で、 既に受注生産農業を実現したこの地域では、伝統的農業でもあり現代化健康農業でもある有機農 業の発展を急ぎ、有機食品基地の建設を積極推進している。

寧安市渤海鎮水村・柳京雄党支部書記の紹介によれば、去年の高い 米価と豊作は農民たちの稲作への意欲を大々的に刺激し、この村には今年に 入って農家が相当に増えたという。水村では数年前から既に有機農業の 発展趨勢を把握し、生産量を追い求める伝統農業から高品質と健康を追 い求める有機農業の発展に転向した。この村の村民たちは自覚的に有機農業を発展 させる必要性を認識し、有機肥料をたくさん使うなどの措置を講じた。一方、毎年 該当の専門家を招待して当該年に生産した有機米に対し、専門的な検査をして品 質を比べた。

有機食品基地になるには、必ず土地の3年の転換期を経って国際性有機食品認証書 を獲得しなければならない。水村では現在既に2年の転換期をかけているが、来年の秋には この認証を受けて、真正な有機食品基地として浮上する。今年、水村では大連有 機農会社と800畝に逹する有機食品基地を建設することに関する契約書を締結した。

国内市場で歓迎される水米は、さらにスーパー.マーケットや国際市場へ 進出するのであれば、必ず品質をさらに向上させ、健康にさらに有利な国際標準にかなう無 公害有機米を生産しなければならない。柳京雄党支部書記は“今 年、私たちは水村の200ha余りの田に全て有機肥料を使う計画だ.”と述べた。彼は 今年からは村で本当に統一的管理を実施し、外国の先進技術を熱心に学んで有機食品 基地の建設を一日も早く実現し、国内外市場の攻略で再跳躍をするために最善をつくすと 述べた。

農民所得増大 急先務は有機農業普及

蘿北県東明朝鮮族郷 農業技術普及所所長チョン・クァンス

10の自然村から現在7つの村に統合された蘿北県東明朝鮮族郷 は近隣でも‘最高品質の白米の故郷’としてもっぱらの評判だ。潅漑数も他の 地域のような井戸ではなく、天然自然水を利用して、最近は環境農業の重視に向いている 消費者の注目を引いているが、毎年、省・市の農業専門家を招待して講習を組み、 種子購入の段階からしっかりとした品質担保を目指している。

合計2400haの水田面積に世帯当り10haずつの田を扱っている東明朝鮮族郷 は、3年前から除草が忙しいため収穫高と米の品質で劣る 直播技術の代わりに、大面積に田植を始めたと言う。したがって当年から穀類の 品質を担保に、何もせずとも消費者たちを迎え入れる好況を迎えたが、去年には農業税を 免除されるなど、国家政策の恩恵を受けて、合わせて年初、購入者が1ha当たり500 元の抵当金を出さなければ米を注文出来ないほどの状況にまで至ったという。

しかしこのような好況に対して、郷の農業技術普及所チョン・クァンス所長は、農民が盲目的な 楽観に満足せず、長期的な所得増大を期さなければならないと耳打ちした。 彼の言葉によれば、現在有機農法で生産した無公害白米が世界的に消費者たちの歓迎を 受けている状況で、そのまま在来の農業にのみ携わっていたら、必ず所得に悪影響を受ける ことになると述べた。そこで東明朝鮮族郷は今から有機農業に備えた鴨農法を普及して、 将来は無公害白米基地として浮上、郷全体の農民が長期的 な所得増大を担保にするように代案を用意するのが急務だと指摘した。

鴨農法で観光村建設

海林市海林鎮新合村 党総支書記・文太仁

‘一斤につき5元ずつで飛ぶように売れます。この地方だけでなく北京、上海、天津から まで注文が入って来ている状況です。多分、今年からは厳しい予約制にしなければな らないでしょう。'

2001年、韓国協同組合との交流の中で、韓国式鴨農法の創始者である朱亨魯先生に会い、彼 から鴨農法を紹介された新合村の文太仁党総支書記(30歳)は、 鴨農法の経験についての記者の質問にまず自慢から始まり、世界的に大幅な歓迎を受けてい る環境に優しい農業の中で、農民所得の増大をはかれる実践有機農業が、まさに鴨農法であると躊躇なく 答えた。

初め、朱亨魯先生から、鴨が除草をしてくれて病虫害退治をしてくれると聞いた時は、 何とも荒唐無稽な話かと思ったが、いざ鴨農法の本山である韓国洪城郡文堂里の環境村を 参観してから、それが伝説ではなく現実であることを確認、それからそのまま好奇心を越して 農民たちの人手も手伝いかたがた所得増大も望めるだろうという計算で、2002年 朱亨魯先生を招待して講習を受け、翌年から本格的に鴨農法に取り組み始めたという。

しかし田畑に鴨が現われると、泥棒が横行し、200匹余りも損失を被る 試練を経験、経験不足で鴨が稲まで食べて、田畑に草が伸びるなどの非常事態が発生 して、気苦労が多かったと言う。しかしそれにめげることなく、現地実情に相応しい鴨農法に 改造して最終収獲の季節を迎えたが、一般農法で取り組んだ 水田より1畝につき200斤ずつ多く収穫し、米も一斤に5元の価格にていながらにして 売れるほどの盛況を呈したという。またあらかじめ既に成長した鴨を市場に出 したが、その収入も大変なもので、まさに一石二鳥の農業が鴨農法であると、あの時に悟ったと述べた。

若年にも拘わらず国外の農業動向に明るい文太仁支書記は、現在、韓国、キューバなどの 有機農業が発達した国々では、無公害、鴨農法を結び付けた観光農業を大幅に発展させている 傾向にあるとして、今後は新合村も有機農業に大規模鴨農法を普及させ、 観光を結合した環境に優しい生態村に建設して行くことを約束した。

(黒龍江新聞 シン・チョルクク、チャン・チョリョン記者 2005年3月9日)

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