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観光 会議室


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◆ [参考]パネルディスカッション
記事No/ 11 (親記事)
投稿者/ 風来坊
投稿日/ 2003年2月12日(水)00:05
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平成10年度 国際観光交流促進ワークショップ報告書から

パネルディスカッション

コーディネーターパネリスト

目崎茂和(三重大学人文学部 教授)

広野敏生(まちづくりプロデュサー・株式会社創造工房ダ・ビンチ代表取締役)

清水義康(社団法人長浜親光協会統括マネージャー)

高崎邦子(JTB日本交通公社関西営業本部広報課長)

 

○目崎

今日は、三重県に如何にして外国からのお客様に来ていただけるような観光地にするのか、また、単に観光だけではなく、三重県が今進めている新しいビジターズ・インダストリーをどう創造するかということを考えていきたいと思います。

日本政府には、もっともっと海外に日本を売り込む努力をしていただきたい、という気持ちがあります。基調報告を聞いていますと、特に江戸時代から伝統のある伊勢志摩は、スペインと大変共通した部分がたくさんあると思いました。この10年、リゾート法を提案する時にはスペインと同じようなこと、つまり日本も滞在型の観光地を目指したのですが、残念ながら今のところ、日本では滞在型の観光といったものはまだ根づくまでには至っていません。

また、観光、あるいはビジターズ・インダストリーにしても、これほど大勢の日本人が外国に行く一方で、外国からのお客様は少ない。この問題は大きなテーマではあるが、それ以上に、今の経済状態の中で、単にグローバルスタンダードというだけではなくて、日本人そのものの生活あるいは社会も少子化・高齢化と変化しています。すべてが大きな意味で変化しているのです。旅行の形態にしても激変が目の前で起きつつあるということは、もうすでに皆さん自身もお気付きでしょう。

その意味では、新しい日本人の時間割というか、イベントというか、そういうものを、季節性も含めてどういう具合に創造していけばいいだろうか、ということを考える必要があります。

どういう形で観光あるいはビジターズ・インダストリーとして新しい戦略をつくっていったらいいかを21世紀に向けて伊勢志摩を核として考えていきたいと思います。

○広野

国際的に世界からお客様を呼んでくるためには、観光という商売のことだけではなくて、いろいろな切り口で、過去と未来を行き来しながら考えなければならないと思います。あるいは世界を駆けめぐるいろいろな異なる切り口の流れの中で、観光というものをクロスオーバーに考えていく時代が来たのではないでしょうか。

そこで我々は何を考えなければならないかというと、まず元気を出すこと。それにはそれぞれが自分の町の再発見、再認識をすることから始めなければなりません。自分の町、ふるさとを愛していない人が「お出でください」と言っても誰が行くでしょうか。だからまずその町の人が自らの町に誇りを持って、「さあ、お出でください」と言えるような環境をつくらないと何も始まりません。

また、官・民・学、すべてがいろいろな形で関わって、寄り合っていかなければ、魅力に富んだ元気な観光地は望めません。1つの町だけ、1つの企業だけという考え方ではなくて、1つのことをみんなで関わりながらやっていくべきだと思います。

○清水

今日は、長浜市の「黒壁」が三重でも成功するかという課題をいただいていますが、私はあえて三重県では「黒壁」は成功しないと申し上げたい。長浜は人を呼び寄せることを目的とはしていないからです。自分たちは、住みよい地域をつくるための手段、手法として、人を呼び寄せることもあるということが基本だと考えている。それはそこに住む人の考え方であったり、人のネットワークであったりするのです。そういうことはまだ三重県にはないのではないか。ちょっと辛口の言い方ですが、そう思っているからです。

先ほどの広野さんの意見に私も同感で、その地域に住んでいる人がやはりその地域をよく知って、愛着を持つこと、誇りに思うことが基本的な事柄だと思います。長浜市において、どんな町にしようかというのを言葉で表すと、「博物館都市構想」になります。町が博物館のように魅力があれば、博物館に学芸員がいるように、そこに住んでいるみんなも町のことをよく知って、来訪客に誇りを持って語れる市民総学芸員になろうと言っています。このことが観光において番大切なことではないかと思うのです。

まちづくりというのはある意味ではコミュニティーディベロップメントだと言われます。その地域に住む人が夢を語り合えるようなネットワークをつくることが大事なような気がします。そういうことについては、我々の町は官民の隔ては全くありません。

○高崎

今日のサブタイトルは「外国のお客様は来られていますか?」ということですが、「外国のお客様」という言い方をしても、例えば観光を目的の方だけではなく、当然ビジネスが目的の方もいらっしゃる。昨年日本にお越しになった訪日外国人の方は420万人ぐらいですが、4割以上の171万人が観光以外の目的でした。食事もされるし、泊まられるので、観光客と同じように見ていく必要性があるでしょう。だからビジターズ・インダストリーという言い方をしているのだと認識しています。

それからもう一点、ターゲットの問題です。以前の国内旅行は男性が中心でした。しかしここ10年間ぐらいで旅行の決定権を持つのは女性が多くなってきました。今は一人十色と言われるように、多様なニーズが存在します。本当にお客様の立場に立った時に、それぞれ性別も違えば年齢層も違うし、持っている時間の使い方も違う。それぐらい細分化された時代になっているのです。現在はその流れの途中であるわけです。しかしとりあえず現在は、女性の意見は重視しなくてはいけないというのは私どもの業界でも言えることです。


以下は関連する記事の一覧です。 [一括表示]

[参考]パネルディスカッション - 【風来坊】 2003年2月12日(水)00:05 No: 11
......... ◆ 分科会A<あなたの地域でイベントを創出してみませんか?> - 【風来坊】 2003年2月12日(水)00:08 No: 12
.................. ◆ 分科会B<「黒壁」は三重県でも成功するのか?> - 【風来坊】 2003年2月12日(水)00:10 No: 13
........................... ◆ 分科会C<三重県の集客カは強いのか弱いのか?> - 【風来坊】 2003年2月12日(水)00:14 No: 14
.................................... ◆ Re: [参考]パネルディスカッション - 【勝】 2005年12月9日(金)11:57 No: 32


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