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[特集] 青島に立ち上がる我が民族の新たな基盤(5)

青島は我が民族の新しい故郷になり得るか?

青島は東北3省の次に朝鮮族が集まっている所になりつつある。青島に行った朝鮮族たちの青島に対する印象 も普遍的に良い方だ。 青島は気候が良く、市場が広く、一度は挑戦して見るべきチャンスの地だというのだ。 経済生活に対する満足度では、満足が 13.6%、普通が 26.8%と出たアンケート調査がそれを物語る。 月所得 1000〜5000元が 12.3%、 5000〜9000元が4.9%、 9000元以上が 9.4%と出たこともその点を裏付けている。 しかし、残り 73.4%の低所得層は不安定な群衆であり、彼らの定着は未知数であるということを見逃してはならないだろう。

それなら青島はよく言われるように、我が民族の新しい故郷になり得るのか? それにはいくつかの変数がある。

第一に、韓国企業の前途の可否だ。 先に見たように、韓国企業が青島において、ずっと繁栄発展することができる かどうかということが重要な変数だ。 なぜかといえば、朝鮮族の移動が韓国企業の進出と直結しており、朝鮮族の 生業がほとんど韓国企業、韓国人と連携しているためだ。 万が一、多くの韓国企業が商売が出来なくなって青島を さっさと立ち去ったらどうなろうか? 韓国企業に付いて雁のように飛んで来た朝鮮族たちもまた雁のように飛んで 行くことはないと、誰が確言できるだろうか?

第二に、朝鮮族自らの実力と競争力。 これはカギになる要因だ。 自らの実力を培って世界的な競争力を培えば、 不動の地盤に立つことになり、どんな変化にも独自で対処することができるからだ。

まず、既成の企業が資質を高め、内実を堅めながら国内・国際的競争力を持つ企業に成長することだ。 今、 青島には国内・国際的競争力を持つ企業がさほどなく、韓国企業に対する依存度が非常に大きい。 これに対し て青島駐在韓国領事館・辛亨根総領事は、 “競争力があれば生き残れる。 だから競争力を高める方法を研究し なければならない。 あまりに韓国に寄り掛かるのは望ましくない。 世界に多様に進出しなければならない。” と指摘した。 今、青島には零細業者があまりにも多く、同じ業種にあまりにも集中するために過当競争の兆し まで見えている。 これもまた業者の資質不足に起因するものと考えられる。

次に、後続の進出者たちが資質を高める問題だ。 品物を売ろうと、労動者として働こうと思って青島に行く 朝鮮族は殆どない。 韓国企業も朝鮮族を労動者として雇おうとは思わない。 韓国企業に必要な人力は、 通訳がなめらかで現地政府と交渉することができる管理層職員と専門技術職人員だ。 今、韓国企業は人力採用で “漢族と朝鮮族を同一視する” 段階になった、と青島韓人商工会チョウ・イルファン会長は言う。 言葉が通じる 同胞ということよりも、実力を見るという話だ。 朝鮮族企業も朝鮮族の代わりに現地人を使おうとしている。 これは実力なしには就職が不可能であることを物語っている。

青島朝鮮族老人総協会・金ジェリョン会長によれば、会員の子どもたちのうち、 60%が韓国企業に出勤、 20%が自営業に従事、 10%が無職業、10%が韓国へ行く手続きをするところだという。それとともに元々は 会費を月10元ずつ納めていたが、納めにくくなり、今は 2元に下げても納められない老人たちも少なくなく、 “帰らなくちゃいけない”とため息をつく老人たちもたまにいて、今は多くないものの、増えるようだとして、 “青島が本当に第2の故郷になるかは疑問”と言った。 彼は今 “行き場所のない人が少なくない”として、 “故郷にいても食べて行けるのなら、出て来ないでほしい”と訴えた。

長い間、韓人商工会で秘書長を務め、今はコンサルティングをしている朴ジュンキさんは、 “何の特技も資 格証もなしに出て来て、すべき仕事がなく、白手乾達で過ごしてから犯罪まで犯してしまう”とし、 “出て来るのであれば、鏡に顔を一度映して見てからにしなさい”と興奮して言った。 彼はまた、青島で成功 した人々はいずれも高学歴者や教員出身たちだが、今では青島に来る大卒生が珍しく、来ると言ってもまた すぐに行ってしまうと付け加えた。青島の未来を心配して言っているのだ。 これは朝鮮族に対する職業教育 の必要性を喚起する問題でもある。

第三に、朝鮮族と韓国人との関係。 朝鮮族は韓国企業の青島進出に架け橋の役目を果たし、企業の定着と 発展に大きな寄与をした。 しかし初期には葛藤も生じたし、反目されたりしたこともあった。 韓国人たち は朝鮮族が機会主義的で “韓国人の味方だと思ったが、そうではない。 私たちを欺いた”などと言い、 朝鮮族は反対に “韓国人は、私達をこき使うばかりで人間的な扱いをしない”と言った。 一匹のどじょうが 井戸水を濁ごしたなどというレベルの否定的な話ほど、伝わるのが早い。 今は随分よくなって、他の地域より も葛藤が少ない。 韓国企業が朝鮮族を必要とするなら、朝鮮族もまた韓国企業を通じて同胞社会がレベルアップ する機会を得ることができる。 だから肯定的な面を強調しながらお互いに協力して、共存、共生、共栄の新しい モデルを作りつつある。 以上は青島駐在総領事館・辛亨根総領事が記者に会った席で述べたことだ。 韓国貿易館 ・金ソンス館長も韓人商工会チョウ・イルファン会長もこの点では見解が一致した。

韓国企業の展望の如何を問わず、韓国人、韓国企業との関係を深くして、彼らから学び、彼らの協力の下に経済力 を発展させ、競争力を育てることは朝鮮族の希望でもある。 これこそ私たちが現地人たちとの競争で勝つことが できる強みだからだ。 朝鮮族の有志たちや企業人たちもこの点を強調した。

第四に、朝鮮族と当地政府との関係。 老人総協会・金ジェリョン会長は、朝鮮族は今何らの政治待遇も受けるこ とができず、まるで虚空に浮かんでいるようだと嘆いた。 老人協会も公式許可を受けることができなかったとい うのだ。 実は青島の朝鮮族はまだ青島市民の待遇を受けることができない。 極少数(戸籍がある)だけが市民であ るだけで、大部分は流動人口に過ぎない。

市民族宗教局の江線賢局長は、少数民族が少ないからといって民族活動を疎かにしてはならないと、市委書記が強 調したと言いながら、朝鮮族問題を民族活動の重要な課題にしているが、編制の制限で手に余ると言った。 民族幹部の問題に対する記者の提議に、彼は民族活動量の多少によって、該当する民族幹部を増加する問題を考慮中だと答えた。

民族問題で政府と接触が一番多い人は、中韓経済協会副会長として活躍しているヒョン・クィチュン氏(69歳)だ。 企業人協会、老人協会、学校設立問題に積極的に参加した彼は、企業人協会も少数民族経済促進会を持ち出したか らこそ、その所属で公式許可が可能だったのだとして、民族幹部問題、党組織問題、教育問題、医療問題、その 他の権益問題など解決しなければならないことが一つや二つではないと言った。少数民族と認められて相応した 待遇を受けなければならないというのだ。 ところが多くの人々が生業にばかり現を抜かし、この問題に関心が ないのが残念だと付け加えた。

青島が本当に我が民族の新しい故郷になろうとするのであれば、私たちが青島の主人にならなければならない。 主人になる証しは、戸籍を取得して政治的権利を行使することだ。 この問題が解決されない以上、私たちは 一時的にお金儲けに来た “労務者”に過ぎないだろう。 それと共に、経済的に影響力を行使すれば、私たち はこの地に自分の位置をいっそう確固たるものとして定めることになるでしょう。

一言で言えば、青島は我が民族の新しい基盤として浮上している。 しかしまだ第一歩を踏み出したばかりである。 変数が一つや二つではなく、越えなければならない山が多い。 悲観する理由はないが、あまり楽観するのも禁物だ。 絶対的に必要なのは、理性的な判断に基く実在的でたゆまぬ努力だ。   

(黒龍江新聞 シン・チョルグク記者 2005年7月11日)
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