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[文化] 'ロシア高麗人アリラン研究’発刊



19世紀末、艱難辛苦と飢えに苦しめられた人生から抜け出そうと、ロシアに移住して苦難に満ちた生活を送ってきた 我が民族のロシア極東地域の‘高麗人’が歌うアリランを集大成した‘ロシア高麗人アリラン研究’が発刊された。

韓国旌善アリラン文化財団が、消え行く海外同胞のアリラン資料集大成のために出したこの本は、旌善アリラン研究所・ 陳龍先所長が1990年代初期から最近までロシア極東地方の沿海州はもちろん、サハリンの高麗人1世代と2世代、3世代から 収録して調査した資料を土台に著述した430ページの膨大な分量だ。

この本には我が民族が1800年代後半からロシアの地に移住し始め、高麗人という名で生き革命と内戦、スターリンによる 強制移住と弾圧、中央アジアの高麗人たちの沿海州再移住などの受難を経て現在まで伝えられるアリランを、伝統民謡、 大衆歌謡、自生民謡に区分し、特徴と伝承基盤、様相に光を当てている。 また高麗人自らが他の民族と区別される歌で あると規定するアリランが、どのような変化と発展の過程を経て成長し、どんなジャンルに影響を与え、高麗人たちに いかなる意味と社会的機能を持つかという問題を、収録資料とアンケート調査など10年余りを超えて調査した幅広い例証 資料を通し見せてくれている。

これと共に、中央アジアへの強制移住以前までアリランの伝承媒体の役割をした先鋒新聞などの報道機関と、ウラジオストクを 中心にした小人芸術団、1950年代初めサハリンを中心に活動した高麗楽団などの小人芸術団の活動とアリランのレパートリー等 を詳しく整理し、これらが高麗人アリランの伝承にどのくらい大きな影響を及ぼしたかを明らかにしている。

特に付録に掲載された収録資料編には、陳龍先所長がこれまで沿海州やハバロフスク州、サハリン州などの地で 高麗人1、2、3世代を対象に収録した15種のアリラン100首余りを歌唱者情報とともに掲載しており、文献資料編では 1950年代のサハリンを中心に活動した小人芸術団の高麗楽団のアリラン台本と朗読本、高麗人の文献の中から探した アリラン歌詞を収録した。 付録と共に画報で入れた高麗人たちの過去の姿が写った写真やハガキなどは、ロシア高麗人 アリランの記録資料としても遜色がない。

現在のロシアをはじめとするCIS地域のカザフスタン、ウズベキスタン、キルキズスタン、ウクライナなどに約54万人の 高麗人が居住しており、沿海州、ハバロフスク州、サハリン州など極東地方におよそ10万人近くが暮らしている。

彼ら高麗人は、1917年以後、革命と内戦の渦中で新韓村事件、自由市事変(黒河事変)など悲劇的な事件を体験しなければならず、 1937年にはスターリンによって18万人に及ぶ韓国人が世界の歴史上類を見ない強制移住に遭い、強制移住に対する反発を鎮める ために移住に先立ち秘密裏に逮捕された高麗人の知識人たちと軍将校など2500人余りは、わけも分からぬまま虐殺される こともあった。 沿海州から追い出された中央アジアの高麗人たちは、内戦と民族主義を避け、最近再び沿海州へ移住する 傾向にある。 高麗人たちは、苦難の歴史を経る間、憂いと涙を込めてアリランを歌い、苦難の歳月を民謡アリランに込めて 表現して来た。 それゆえこの本は、アリランが高麗人の離散とアイデンティティにどんな役割を果たして来たのかについて、 具体的に示す研究書として評価を受ける。

海外同胞アリランを集大成するため、韓国旌善アリラン文化財団では、2008年に第一冊として‘中国朝鮮族アリラン研究’を 発刊したのに続き、2010年には在日同胞たちのアリランを調査して研究書を発刊する計画だ。

(黒龍江新聞 2010年1月8日)
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