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[社会] 朝鮮族、農耕民族から都市民族に

○吉林省民族研究所研究員・車哲九


▲朝鮮族が大挙進出した瀋陽西塔の一角

中国朝鮮族の人口分布は歴史的変化が起きており、都市化の速度が明確に加速している。

改革開放の初期、全国200万人の朝鮮族人口のうち、97%以上が遼寧、吉林、黒龍江など東北3省と内モンゴル 東部地域に分布していた。 そのうち63%が北朝鮮、ロシアと境界を隣接している遼寧省の丹東市、吉林省の通化市、 白山市、延辺朝鮮族自治州、黒龍江省牡丹江市などの辺境地域に集中していた。

改革開放後30年、海外出稼ぎブーム、大中都市での創業就職ブームと郷村の都市化推進により、我が国の朝鮮族人口分布 構造には大きな歴史的変化が起きた。

2000年第5次全国人口調査統計によれば、中国朝鮮族の人口は192万 3842人であった。 そのうち東北3省と内モンゴルの 朝鮮族人口が179万 7057人で、全国の朝鮮族人口の93.4%を占めた。

東北以外の省、市では、山東省に2万 7795人、北京市に2万 369人、天津市に1万 1041人、広東省に1万 463人、上海市に 5120人、江蘇省に5048人、浙江省に1767人、海南省に786人で、全国内陸31の省、市、自治区に全て分布していた。

その後何年か過ぎて、2005年末の調査統計によれば、東北3省と内モンゴル東部地域の農村は、もはや朝鮮族だけの密集地 ではなく、朝鮮族は長城内外、長江南北、特に東部沿海都市に広がっていた。

東北以外にも全国で見て、さらに朝鮮族の5大密集地が新しく出来た。 つまり、北京、天津を中心とする京津地域(約17万人)、 青島、威海、煙台を核心とする山東地域(約18万人)、上海、南京、杭州、義烏を中心とする華東地域(約8万 5000人)、 深圳、広州を中心とする華南地域(約6万人)だ。 その他、西部でも成都、西安を中心とする朝鮮族密集地(約2万人)が 形成されている。

一方、東北3省と内モンゴル地域の朝鮮族人口は約192万人で、120万人程度が減っており、もともと朝鮮族全体の人口の 97%だったのが、62%程度まで減少、約35%も減少した。

朝鮮族の人口分布においてこのように大きな変化が起きたのは、30年間の改革開放、特に21世紀に入って人口の大量・ 急速な流動化と都市化が進んだことによる。

マルクスは《現代の歴史はまさに郷村都市化だ》と指摘した。 都市化の水準は一つの国と民族の経済社会市場化程度 の重要な目安だ。

2000年末の調査によれば、東北地域の瀋陽、長春とハルピンなど東北3省の中心都市の朝鮮族人口はいずれも10万名(戸籍 人口と流動人口を含む)を超過した。 東北以外の全国各地の中心都市にはそれぞれ多数の朝鮮族人口が密集していた。 例えば、北京、青島の二つの都市の朝鮮族人口は、いずれも12万人を超過した。 そして上海に6万人、天津に4万人、 深圳と威海に各々3万人、煙台に2万人、広州に1万人居住している。

これは人口が200万人に満たない中国朝鮮族が全国の大中都市にいずれも居住しており、都市人口が急速に増加している ことを示している。現在、中国朝鮮族は全国各地と世界各地に散在しているだけでなく、大多数が大中都市に集結しており、 都市の常住人口比率は60%以上を占めるものと予測される。

2001年末、延辺朝鮮族自治州の都市化率は62.8%に達し、全国平均水準よりはるかに高かった。 これは中国朝鮮族が 《農耕民族》から《都市民族》へ大幅に変化しており、都市と郷村の二元化構造をなくし、都市・農村の経済社会の 調和発展を推進し農業現代化実現のために貢献をしたことを意味する。

* 関連資料 *

2000年第5次全国人口調査統計によれば、中国朝鮮族の人口は192万 3842人、そのうち鴨緑江河口から図們江河口に 達する15の 河畔県(市、区)の朝鮮族人口が54万 6000人余りに達する。

中朝露三国国境地域に位置する延辺朝鮮族自治州は、管轄区内の8県市のうち、5つの国境県、市の22の国境郷鎮が 中朝露国境地域だ。

延辺は我が国の朝鮮族の最大の密集地域で、朝鮮族の人口が83万 4000人に達する。 そのうち5つの国境市、県の人口が 延辺総人口の50%以上を占める。 このうち、龍井市に17万 2000人、和龍市に12万人、図們市に7万 7000人、琿春市に 8万 8000人、安図県に4万 6000人となっている。

吉林省白山市は南に鴨緑江を挟んで北朝鮮と向かい合っている。 管轄区内の長白朝鮮族自治県には、総人口が8万 7000人 しかいないが、そのうち朝鮮族の人口が1万 6000人で16.4%を占める。

通化県管轄区内の集安市は東南側で鴨緑江を挟んで北朝鮮と向かい合っている。 総人口が23万 6000人で、 そのうち朝鮮族人口が1万 6000人と6.7%を占める。 市全体の10の郷鎮のうち5つが国境郷鎮だ。

丹東市は南に鴨緑江を挟んで北朝鮮と向き合っており、管轄区内の7県市区の朝鮮族人口が1万 5000人だ。 そのうち寛甸満族自治県、東港市、振安区、振興区と原譜区などの5つが国境県市区であり、朝鮮族の人口は1万 2000人だ。

黒龍江省の牡丹江市、佳木斯市、鶏西市は中露国境区だが、やはり朝鮮族の人口が比較的集中した地域だ。 そのうち 牡丹江市の朝鮮族人口が12万 363人、佳木斯市に2万 6558人、鶏西に5万 580人が住んでいる。

(吉林新聞 2009年6月30日)
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