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[社会] 喫茶店、そして看板文化

◎ 喫茶店に関する話

延吉には喫茶店が本当に多い。喫茶店が多いのは、良いといえば良いわけであり、悪いことはなさそうだ。 これまで、タクシーに乗るのと同様に、喫茶店に通うこともやはり高級文化消費だと思って来た。 かぐわしい香りのコーヒー一杯を注文したり、お茶一杯を注文しておいて甘美な音楽の中で冥想に耽るとか、 あるいは友達と、喫茶店のお嬢さんと話を交わすその風情は、やはり格別と言っても過言ではない。 そのためか、多くの哲学者、文学家、芸術人たちは、喫茶店で霊感を高めることもあった。さらに、 民主主義の母胎は、コーヒーハウスから始まったという話もある。

しかし最近はそうではない。 いつでも行くことができる出会いの場所であることは変わりないが、 喫茶店でコーヒーやお茶を飲むことよりも、飲酒文化の名所として数えられている。 そして喫茶店では、 洋酒、ビール、白酒とともに乾燥明太、ピーナッツのような軽いおつまみだけでなく、さらにはキジスープ、 ウサギスープ、炒め物料理、チゲなどボリウム満点のおつまみさえメニューに上がる。 少し話がそれるが、 小学校、中学校、大学の周辺には食品商店という看板をかけて堂々と食べ物を作って売ることも珍しくない。 タイヤキにタイが入っていないのと同様、延吉の喫茶店にはお茶よりもお酒の方が多い。羊頭狗肉とも言えようが、 もう少し判りやすく言えば、ゲームのルールを守っていないということだ。そういえば延吉では、喫茶店だけでなく、 按摩屋、老人活動室…ゲームのルールを守っているところがどれだけあるだろうか?

◎ 看板に関する話

延吉ないし延辺朝鮮族自治州が民族的特色を直感することができるものと言えば、食べ物文化、住宅文化、 服装文化、言語文化を挙げることができる。 敢えてもう一つ挙げるとすれば、看板文化を挙げることができる。 それはすべての看板がハングルを使わなければならず、その他の文字と併用する時はハングルが最初とし、 少なくともハングルとその他の文字の大きさは同じか、あるいはその他の文字がハングルより大きくなっては ならないという骨子の自治州条例という保護壁があるからだ。外国観光客、特に韓国や北朝鮮のお客さんたちは、 まず延吉の看板を見て中国の民族自治の政策に対して感服する。

ところが最近、延吉の看板はどことなく駄目になって行っているような気がする。ハングルの規範に合わない、 笑うに笑えぬ看板、ハングルを小さく漢文を大きく書いた看板、さらには大胆に初めからハングルの全くない 看板が乱舞している。自治条例をしっかりと通達しているのかという問題は差し置いて、一つの都市の民族的特色 が希薄になってしまうというのは、胸の痛むことと言わざるを得ない。看板文化は延吉の都市イメージを新たにつくる 重要な構成部分だ。このような無形資産が少しずつなくなって行くということは、それだけ都市の競争力が落ちて来た ということだ。また話はそれるが、延辺の正確な看板は 《延辺朝鮮族自治州》だ。 ところが最近、多くの指導者たち は公開の席上で 《延辺州》という言葉をよく使うようだ。 そして政府機関の会議で使われるプラカードや垂れ幕に ハングルがない場合も多い。問題はこのような状況がメディアに公開され(指導者たちの行事や会議は、重要なので メディアに公開される)、繰り返されるということだ。繰り返しになればいつかは習慣になり、私たちの無形ブランド が消え、延辺経済にとって損失になるのではないかと懸念される。

上記の話の共通点は信用とゲームルールをよく守ろうということだ。市民を人質にする乗車拒否は信用を失うもので あり、その管理部門では合理的なゲームルールを制定しなければならず、また営業でいくらお金を儲けられるといって も、羊頭狗肉はいけないし、政府が制定したゲームルールをしっかりと通達しないことも、やはり信用不足といえる だろう。 とにかく、サッカーにバレーボールのルールを適用するようなことがあってはならない。

(筆者:リ・ボンウ 延辺大学朝鮮-韓国学学院新聞学部学部長、新聞学博士)

(延辺日報 2007年9月19日)
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