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[社会] 海外出稼ぎ産業と事務所設置

先日、全国人民代表大会に参加した延辺州政府の責任者は記者との取材で、今後、延辺州政府は 労務市場に介入し、労働力の強みを発揮することになり、労務者たちの家庭問題、子弟教育問題、 帰国定着問題、帰国創業問題を支援し、韓国に事務所を設置して労務者たちを支援すると明らかにした。

10年以上、延辺経済の寵児の役目をして来た海外出稼ぎは、常に冷遇され、その当事者たちは故郷 においてさえ‘不法滞留者’という扱いを受けなければならなかった。 遅ればせながら、それでも 延辺州政府が ‘海外労務産業’に取り組むようになったのは、幸いな事に違いない。 しかし延辺州 政府が労務市場に介入して労働力の強みを発揮する前に、韓国政府が訪問就業制を実施し、労働力の 強みは勿論 ‘外貨稼ぎ’も例年よりは順調になる見込みだ。

延辺州政府の労務市場介入は過去にもあった。 特定の窓口会社を選定し、出稼ぎ者の募集から管理に 至るまで、窓口会社が統括するようにした。 これらの窓口会社は出国する海外研修者から家の登記簿 を受け取り、保証人を指定させるなどして、産業研修者が海外で職場を離脱すれば、家を没収して保証人 を脅すなど、社会に悪影響を及ぼした。 結局これらの窓口会社は延辺州政府の保護の下、韓国中小企業庁 と結託して最低賃金で朝鮮族海外研修者たちを韓国に送り出したことになり、産業研修生たちは結局、 低賃金のため産業研修の現場を離脱しなければならなかった。 こんな悪循環の繰り返しが過去、延辺州政府が 介入した '海外労務産業'の姿だった。 今度の延辺州政府の介入がまた新たな怨嗟を呼ぶのではないか心配だ。

今後、韓国には 30万と推定される朝鮮族社会が形成される見通しだと言う。 経済活動の範囲で見れば、 一つの経済特区に相当する。人数が多いだけに、申請も甘くないだろう。 現在、韓国には朝鮮族の申請の 相談に乗ってくれる民間団体の韓国人(一部、朝鮮族を含む)らを見れば、総じて質が低く、専門人員が少 なく、正確な法的根拠と解決策を提示することができない。 それゆえ、申請書類はあふれるばかりで、 相談結果も満足出来るものではないのが実情だ。 現在、朝鮮族の賃金滞払と人権侵害などの申告は既に危 険水準をはるかに超え、関連法律の支援が切実となっている状態で、韓国人が支援する部分と朝鮮族社会の 望む部分が明確に違って来ている。 また韓国の労動部と法務部が協調して、現行法を一刻も早く修正完成 させて行かなければならない。

延辺州政府が韓国に事務所を設置するのは、経済と朝鮮族海外労務者の社会的実情にかなう事だ。 事務所 が海外労務者に良い相談相手となることを願いたい。 ‘海外出稼ぎ産業’は以前から主な資金誘致活動の 一環と見做し、関連対策と政策制定管理が付いて行かなければならなかった。 遅まきながら、今からでも 延辺州政府は、過去を挽回するつもりで、満を持してこの面の事業をしなければならない。 海外労務者たち を尋ねて、国家別・地域別に事務所を作り、労務活動を観察し、労務者たちが必要とする問題を海外公館と 関連国と妥協して、十分な労務環境を作れるように支援しなければならない。

現在、海外労務者たちの家庭問題、子弟教育問題は深刻な状態だ。 夫婦が離れて暮し、子と離れて暮すの が朝鮮族家庭の実情だ。 コリアンドリームによってなすすべなく崩れた私たちの自尊心と倫理道徳を直す ことが、朝鮮族のアイデンティティ確立と朝鮮族社会の発展に必要だ。 勧奨はしたいが、海外出稼ぎは 夫婦単位で行くことが望ましく、子供達の教育問題は親のない学生たちにふさわしい教育方案を数多く 開発し、対応して行くしかない。

海外出稼ぎの終着駅は、故郷での再就職と創業にある。 10万元を投資して月収 3千元保障、15万元を投資 して月収 5千元を保障する方式の創業商品が必要だ。 また海外で学んだ専門技術を故郷で使うように政府 が誘導することも、海外労務者たちの再創業と再就職、そして延辺の発展に有益だ。 延辺州政府は、韓国 のように現地人をまず就職させる方法を取り入れ、朝鮮族の帰国定着問題を解決して行かなければならず、 安くて低質の南方の人力よりは海外から帰って来た優秀な技術を兼備した朝鮮族が建設業、製造業、サービス 業の品質をさらに向上して行くことができるように、条件を整えてあげなければならない。 またその他の 分野でも公開招聘制を取り入れ、先進的な事由と意識、才能を兼備した海外朝鮮族の人材が故郷の建設に 役割を果たすことができるように道を開いてあげなければならない。

過去、不法滞留の強制追放の時ごとに東南アジアや中央アジアの国家は、ソウルにある海外公館を通じて 自国の不法滞留者たちの面倒を見てくれと頼んだが、いざ中国という巨大な国家の公民である朝鮮族と 韓国が故国である朝鮮族だけが、主人のない子犬のような状況になった。 韓国の子犬たちは、それでも 迷子になれば主人が電報台に ‘子犬を捜しています’という広告などを貼り付けて切なく捜し回るが、 朝鮮族の海外労務者たちにおいては、故郷の政府と韓国にある中国公館は何ら関心を払っていなかった。 私たちがよく知っている 2003年の不法滞留身分で滞払された賃金を受け取りに行ったまま凍え死んだ金 ウォンソプ氏や、強制追放されて悩んでいる途中で地下鉄線路に飛び降り自殺したカン・テゴル氏など、 ひどい目にあった朝鮮族が海外に設置された故郷の事務所で涙だけでも流すことができたら、どんなに良 いだろう。 また人生を海外で苦労しながら暮しているすべての朝鮮族が、故郷と故郷政府の温情を感じる ことができたらどんなに良いことだろう。

(黒龍江新聞 2007年4月24日)
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