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[社会] 韓国法務部は朝鮮族を《賭博》に追いやるのか?

訪問就業制、無縁故朝鮮族に対する抽選制について

韓国政府で出した 《訪問就業制》は、韓民族間の異質性の克服と朝鮮族の豊かな生活のための良い政策で はあるが、その実施には問題点が多い。

韓国仁川大法大・盧泳暾学長は、これに関連して、 《訪問就業制施行の根本主旨は、経済事情が劣悪な無 縁故同胞に低廉な費用で国内就業の機会を与え、帰国後の安定的定着をはかるということにある》とし 《実 際の受恵対象である中国及び旧ソ連の同胞たちが早くても 10月から入国することができるということは、内容 面からして 8ヶ月ほど延期されるということ》と言いながら、 《制度の施行とともに、試験を受けて直ちに入 国することができるという希望を持った無縁故同胞たちの怨声が高まるのは火を見るよりも明らかで、現地の同 胞社会は混乱が深刻になるだろう》とし 《これは政府の無責任な仕打ち》と批判した事がある。

しかし問題は、今度の韓国訪問就業制関連の無縁故者たちの韓国入国が 《内容面から 8ヶ月ほど延期されること》だけではない。

それよりも 《国内に親戚がいる縁故同胞は 3月 4日から韓国語試験を受けずに誰でも 〈訪問就業〉(H-2) 査証 の発給を受けて入国し就職することができるが、無縁故同胞は来る 9月に初めて実施する韓国語試験を受けた後に 入国が可能だ》と言うこの政策自体と、無縁故者たちは韓国語試験を受けた後に 《電算抽選を通じて》 選抜した 後に初めて韓国入国が可能になるという、この点だ。

なぜ、中国朝鮮族のうち、韓国内に親戚がいない人々の韓国入国の可否は 《抽選》、すなわち 《さいころ》で決 めなければならないのか?

中国朝鮮族の利益のために韓国訪問就業制を実施することは、言うまでもなく朝鮮族とっては良いことだ。 しかし 政策的な次元で見る時、抽選制自体は望ましくないだけでなく百害無益な方法である。

《無作為電算抽選制》を実施するのは、人為的な要素と不正や不公平を阻むためであるといえるが、不正や人為的な 要素を防止するには多くの方法がある。 制度の完備と実施の監督による公正性と公平、公開、そして政府の次元と 民間、言論の監督などがそれらである。 しかし 《抽選制》を実施するということは、事実上関係当局で責任を逃れ るための苦肉の策であるとしか解釈できない。

見かけでは公平性を期したようだが、内容には自分たちの責任を 《抽選制》に転嫁して回避しようとすることにある。

まず抽選制を実施する場合、韓国語能力試験とは結果が無関係になる。 韓国外交公館を通じての通達には、 確かに試験 50点ほど、中学校(中国の小中学校)程度の韓国語の実力なら十分だとある。

現在の中国朝鮮族のうち、韓国に出ようとする人々の大部分が朝鮮族学校を出ていることを勘案し、また無縁 故同胞たちの韓国訪問のための韓国語講習を皆が受けるという点を勘案すれば、韓国語と中国朝鮮語が文法で 若干の差異こそあるものの、大部分の場合50点程度は無難に取ることができる。

つまり抽選制を実施する場合、 50点をとった人も 100点をとった人も資格は同等だという話になる。 言い換 えれば 50点をとった人は抽選に当たることができるが、 100点をとった人は抽選に外れるかも知れないとい う話になる。 それではここにいかなる公正性があり、韓国語能力試験の意義はまたどこにあるのか? 何の意味もない。

次に、抽選制は朝鮮族がむやみに期待感を脹らますことになる。

誰でもが期待することができる一方、誰も完全な期待をすることができないものが、抽選制だ。 一人が何ら かの目標を立てた時、実力が不足だとか試験がうまく出来なかったとか、また他の何らかの与件が不足したた めに実現することができなかったら、自分自身を許すことができるだろう。 しかし抽選制に落ちたと言えば、 あまりにも虚しいことではなかろうか。漠然たる期待感を持って熱心に努力しても、抽選一つですべての努力 が水泡に帰してしまう。

果して韓国法務部から、中国朝鮮族たちにどんなメッセージを伝えようとしているのか、わからない。

抽選制は努力のための手段として使うことができるが、努力と無関係な結果をもたらす時、それは完全な賭博になってしまう。

結局、朝鮮族は、抽選制で自分の今後数年の行方を賭博一発に賭けることになるのだ。

三番目に、朝鮮族に 《運頼みの心理》だけ植えつけることになる。

実力も知識もあまりない人、韓国語能力試験も大まかにギリギリの線まで行ってた人が、抽選一つ で韓国訪問就業ビザを受けた時、朝鮮族に与える感じは、まさに 《賭博》、それもお金の取引の賭博 ではなく 《人生》をかけた賭博という、ただそれだけだ。

こんな結果は自然に、実力を持つ者や熱心に努力した者たちの韓国政府に対する不信だけを招く。

四番目に、韓国訪問就業者たちの資質の問題だ。

《無作為電算抽選》制の関係で、韓国訪問就業ビザを受けた人の資質を確認することができない。 抽選 に当たるだけで実力があろうがなかろうが、資質を備えていようといなかろうと、誰でも韓国訪問就業ビザ を受けることができるという話になる。 それだけ、韓国訪問就業者の資質が下がることになり、そうなれば 朝鮮族社会に対するメリットよりは弊害がさらに多くなる。

五番目に、抽選制の実施は韓国と中国朝鮮族社会に不必要な社会問題をもたらす可能性がある。

抽選制の不確実性で無縁故者たちは自然に、縁故者に切り替えて韓国語能力試験も受けずに、また不確実な 抽選を受けずに済ませるためにありとあらゆる方法をすべて使うだろうし、ブローカーたちはまた利益という エンジンをかけて不法の危険もかえりみず金儲けに血眼になるだろうし、またその過程が難しいために自然に 詐欺行為が行われるようになるだろうし、法的な問題の外にも社会資源の緊張と浪費をもたらすことになるだろう。

《小中学校水準の韓国語能力と 50点位の点数》、そしてそれに伴う 《抽選制》は、事実上無縁故者たちの 韓国訪問就業に何らの基準も提示しないものである。 もちろんその主旨と主観的な意図は無縁故者たちの韓国 訪問の道をさらに広げてあげるためのものだが、客観的に見ると、公正性は見ることが出来ない。 《無作為抽 選制》による機会の不均等ではなく、努力した者と努力しない者に対する公正な評価と、そんな評価ができる基 準がないことにあるのだ。

無作為抽選制は人員選抜の基準を抹殺してしまった。

以前に中国朝鮮族たちが韓国を訪問した後、韓国で少なからぬ社会問題を起こした教訓を考えざるを得ない。 言語の障害、意思の疎通問題、そしていろいろな社会文化に対する誤解など、さまざまな原因があるが、 訪問者たちの資質の問題もなかったわけではない。

今度の韓国訪問就業制を単純に 《経済事情が劣悪な無縁故同胞に低廉な費用で国内就業の機会を与え、 帰国の後の安定的定着を謀る》ことだけに限定するのは、戦略的な次元で見ると、望ましい事ではない。

今度の訪問就業制をきっかけに、今後、中韓交流で架け橋の役目が充分にでき、将来発展する中国で朝鮮族 の経済と社会発展のための人材養成の基盤を提供しなければならないはずであり、朝鮮族も今度の訪問就業制 をきっかけに自分たちの民族資質の向上の機会としてしっかりと活躍することがより望ましい事だと思う。

とにかく訪問就業制の実施で 《縁故》の有無を一つの基準にして朝鮮族を異なる二つの部類にて差別すること にも問題があるが、 《抽選制》はそれが 《無作為電算》で抽選をしようが、あるいは 《作為的人為》的な抽 選をしようが、いずれも朝鮮族に及ぼす影響は否定的なものだけだ。

抽選制は、危機意識のない朝鮮族が韓国訪問を未来の生活の唯一の保障にしつつ、発展する社会に従おうと考 えない現状に加えて、さらに運待ち心理だけを植えつけるものであり、また今後、一度の抽選に自分の人 生を委ねるというていたらくに落ちることになるだろう。

(吉林新聞 ヤン・パルリャン記者 2007年2月23日)
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