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[社会] つつじ文化園建設事業にケチをつけるな−韓国

200万中国同胞の故郷である延辺に、いよいよ韓民族伝統文化街が出来るようだ。 延吉小営鎮に‘つつじ文化園’を建設する 計画が発表され、内外の関心を集めて投資を誘致するために国際セミナーも北京で開かれたと言う。 我が民族固有の伝統と文化を 継承、発展させ、子孫が私たちの文化を忘れないようにしようという民族社会の念願は、昨日今日のことではあるまい。本当に計画 どおりにうまく進むことを祈りたい。

つつじ文化園はその規模からして相当なものだ。16億元の大型予算を投入し、 70万坪の団地を造成すると言う。 伝統民俗村だけでは なく体育競技場、貿易センター、文化広場、白頭山稀少動物博物館なども一緒に作るといい、 国内外の観光客を呼び込もうという意図 も充分に読み取れる。既存の朝鮮族民俗村とは次元が全く違い、 このぐらいであれば、中国のどの有名観光区域に比べてもさほど遜色 がないほどだ。 延龍図(延吉−龍井−図們統合都市) 建設にあわせてつつじ文化園が建設されれば、中国辺境の小さな消費都市に過ぎない 延吉の経済的立場がいっそう上がることは明らかだ。

この事業の推進主体が延辺自治州政府とつつじ産業開発有限公司という民間企業の両者であるということも納得できる。 民族事業である だけに、自治州政府が当然に参加し、莫大な資金が必要となるだけに、投資誘致にノウハウがある民間企業が腕捲りして率先しなければなら ない事業になるだろう。 ここに黄有福教授など有志の同胞指導者たちも手伝って参加しており、ようやく同胞社会の官−財−学界が足並みを しっかりと揃えて動き始めたようだ。

まず観光客誘致の効果を無視することができない。 白頭山を訪れる観光客が韓国人主体から中国人主体に既に変わっており、 中国人観光客の 数は特に大幅に増えている。 白山飛行場、白頭山道路の建設などで白頭山観光収入をめぐる延辺州と白山市の競争が加熱しているところへ、 延吉に朝鮮族特色の民俗街を作れば、白頭山観光客を呼び込む上でさらに有利になるだろう。 白頭山と朝鮮語の外にはハンギョレの同質性を確認 するに値するものがあまりなかった延辺に、あらゆる韓国人観光客にもこの空間は特別な意味を持つことになるだろう。

ところが、 まだ最初の青写真も出来ていない事業に対し、既に不審の視線を送りながら水を差す、ある韓国内メディアの報道があり、何とも残念 だ。 5月 20日付け中央日報のある記事は、この事業を報道しながら ‘第2の東北工程論難’という題目をつけ、‘朝鮮族文化団地の造成が韓半島 の文化的アイデンティティを侵害する可能性がある’と言う別途の [ニュース分析]まで付け加えた。

この記事は ‘朝鮮族は中国国籍なので、この団地に入る内容は朝鮮族の生活の足跡に限られなければならない’と冷酷な主張をするかと思えば、 ‘韓民族固有の宮廷文化と両班家庭の礼節、韓民族の特性と文化的特質などを一緒にする場合、韓半島の文化的アイデンティティを侵害する可能性があり、 韓国の反発を呼ぶだろう’などと、憂慮ともこけ威しともつかぬ言葉も付け加えている。

しかし ‘第2の文化的東北工程’ 云々の根拠は、この事業に ‘中華愛国工程連合会’という団体が参加しているという事実を除けば、記事のどの 部分にもない。 ‘工程’と言う言葉さえ見れば ‘東北工程’を思い浮かべる連想作用は理解出来ないわけでもないが、これは非常に拙速な条件反射に過ぎない。

中華愛国工程連合会は軍部のある将校が退役して作った政府系団体であり、つつじ産業開発有限公司側で延辺州政府の動きの幅を広げてもらうために動員した 中央の団体だ。政府の政策と密接な関連がある中国社会科学院のような機関では決してない。 中央の団体が手伝えば地方の事業が力を得られるという中国的 な状況を勘案しなければならない。 一方、こんな構図は、この事業が民族事業であると同時に収益性事業の性格を強く帯びているという点、そしてつつじ産 業開発有限公司がこの事業に占めている役割と比重に見当をつけることができるものだ。

スッポンに噛まれて驚いた経験のある子供は釜蓋を見ても驚くが、経験したことがない子はそのまま通り過ぎる。中国同胞が我が民族のメンバーであること を否定し、排斥するような認識が本当に問題だ。 ハンギョレである中国同胞も他の海外同胞たちと同じく私たちの伝統文化の、いわば小さな胸の中に自分を 見つけ、再びここに乳を吸いに来る権利がある。 そうでなくても同胞たちの世代が変わる中、辛うじて中国移住以後の ‘朝鮮族の歴史’のみを知り、韓半 島のルーツが忘れられつつあると憂慮が高まっているのが現実ではないか? こんなに狭い了見なら、たとえばその文化街が ‘朝鮮族の生活の足跡に限った 内容’のみを記した時には、逆にルーツを忘却したなどとまた文句をつけることが明らかだ。

実はつつじ文化園建設事業の前途は不透明だ。 予算全体の半分を融資で解決するというが、残り 8億元の資金を集めることも、つつじ有限公司と延辺州自治 州の力だけでは厳しいように見える。 国内外の多くの企業が関心を見せているが、今までの投資誘致は 1億元にしかならないと言う。 先立って故国企業の 投資を誘導することはできないとはいえ、性急に公然と憂慮ばかり拡散させて投資ムードに水を差してはならない。

中国同胞は大陸と韓半島の境界人であり、韓民族の文化と中国文化の相互媒介者だ。 中国同胞がよく着て歌う韓服とアリランは、文化的東北工程の尖兵 ではなく、大陸で私たちの伝統文化を伝える尖兵だ。 韓流文化が多くの大陸人を捕らえるこの時代に、何という馬鹿げた被害者意識か? でなければ単なる中国同胞に対する加虐症なのか?

(延辺通信 ホン・ゴンヨン記者 2006年5月24日)
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