xxxxxxx
朝鮮族ネット 中国の朝鮮族に関するニュースポータルサイト Search by Google:
ホーム 朝鮮族概要 地域紹介 政治 経済 歴史 観光 ショッピング コミュニティー お問合せ



[特集] 沿海州の高麗人定着を助ける人々

東北アジア平和連帯沿海州事業局

ロシア沿海州では、現在 4万名余の高麗人同胞が新しい生活の場を作るために頑張っている。 1937年、スターリンによって中央アジアへ 強制移住された朝鮮人の子孫である人々は 60年を過ぎる歳月の間、中央アジアの荒れ地を開拓しながらやっと定着に成功したが、旧ソ連が崩壊し、 現地で新しく対等した民族主義、内戦、経済難などの理由で再び苦しい移住の道に出たのだ。 高麗人の同胞たちが何の縁故もない沿海州を再び尋ねた 理由は、ただこの地が祖父母が住んだ所ということだけ。 しかし彼らは手にしたものはほとんどなく、何よりもロシア国籍すらない状態であり、 それこそ涙ぐましい境遇に違いない。

力の無い民族として険難な歴史の犠牲者である高麗人同胞の難しい境遇にそっぽを向くことが出来ず、腕を捲り上げて出た人々がいる。 韓国の代表的な NGOである東北アジア平和連帯(以下東平)がまさにその主人公。 東平は 3年前から沿海州ウスリースクに事務室を出し、作業者を派遣して高麗人定着支援 のための多様な活動を展開している。

東平が現在一番注力している事業は、高麗人村を造成して自立営農の基盤を備えるように支援する事だ。ウスリースク市の北東 17kmの 距離に位置する 友情村と、さらにそこから北に約 20km 離れた所に位置するクレモバ村がその現場。

端正な赤煙瓦の家 33軒が集まっている友情村は、元々 90年代に大韓住宅建設協会が高麗人のための住宅 1,000戸の建設事業を野心満々で推進してい たが、IMF危機にあい、うやむやになった事業を東平が引き受けて高麗人定着支援活動のための本部を設けた所だ。 韓国の自然農法の専門家を招いて 高所得ビニールハウス有機農産物栽培法を伝授し、乾燥した清麹醤製法を開発するなど、高麗人の自立営農のモデルを新たにつくる役目をここで担当している。

平凡なロシア農村であるクレモバ村は、東平が特に生活が貧しい高麗人家族を入住させて、養豚、野菜栽培、清麹醤製造、稲作などを基盤に本格的な 高麗人自活村として建設している最初の試験場だ。 今年は約 20戸余りの高麗人家族を入住させる予定だと言う。 空の農家一軒と 500坪余りの菜園、 そして 7ha 程度の耕作地を購入するのに必要な費用は約 2,200ドル。 この費用は東平が韓国内の会員と各界から資金を募金して充当している。

今年、友情村とクレモバ村事業の意義は非常に大きい。 この村の成功事例は既に沿海州全域での高麗人の自活、ひいては少し欲張って言うなら、 高麗人による沿海州農業革命の本格的な開始を知らせる信号弾になると思われるからだ。

東平沿海州事業団は高麗人農業支援だけではなく、多様な民族事業を展開している。 約 2万名余の高麗人が居住するウスリースク市に高麗人民族学 校を復活させ、すべての学生たちに必修課目として韓民族の歴史と言語を教え、 韓人移住 140周年記念館を建立して、 毎年高麗人民俗行事を行うこ となどが代表的だ。 これから 140周年記念館が建てられるところには、既に高麗人カルチャーセンターが運営されており、ここでは高麗人を含む ロシア一般人のための国語教習とコンピューター教育、高麗人医療支援活動が行われている。何より緊急なことは沿海州に再移住した高麗人たちの ロシア国籍回復であるが、 これまで東平が中心になって努力した結果、韓露政府間次元の協力を取り付け、この問題で相当な進展を見た。

東平の高麗人サポート事業は沿海州の人口減少を憂慮するロシア政府の政策的な配慮により、比較的順調な方だ。 しかし, 実質的な事業の成果を出 すためには、より多くの国内支援と関心が必要だ。 国内の会員たちが集めて送ってくれたお金を、高麗人の生活基盤を掘り起こすため、一銭の無駄 使いもせずに、着実に執行する東平の現地作業員たちの苦労が結実するように、より多くの支援が必要なのは言うまでもなく、 より多くの国内企業と 団体の巨視的な眼目での現地投資と進出が必要だ。

東平では沿海州の高麗人定着サポート事業を ‘沿海州波運動’と呼ぶが、この運動の核は 10名余りの東平沿海州事業局の作業者たちだ。 2年前、 家族と一緒に初めから友情の村に移って来て暮し、特有の推進力と誠実さで事業を陣頭指揮している金ヒョンドン事務処長、 ロシア留学のためにウ スリースクに来て東平事業と縁を結んだ金スンリョク局長はすぐれたロシア語駆使能力と物静かで無駄のない仕事処理で、金ヒョンドンさんと共に、 短い期間内にこの事業を軌道に乗せる上で決定的な役目を果たした。そしてカン・ニコライ、チョウ・エレナなど高麗人の作業者たちの献身的な努力と 協力なしには、この事業の推進はまったく不可能だったろう。

私たちが東平のこの事業に注目するのは、この事業がただ ‘私の血縁を助けること’の次元にとどまらないからだ。 支援してくれる中国人もたくさ ん進出し、ロシア人たちにまじって暮らしているし、 我が民族で見ても高麗人だけではなく韓国人、中国同胞、北朝鮮同胞まで一緒に協力して生きて 行く所であり、 過去、ソ連体制が崩れて農業基盤が崩壊し、広い土地が荒れ地として捨てられており、共同の農業開発が切実に必要な所だ。 金ヒョン ドンさんは ‘沿海州波運動’の意義を次のような言葉で整理する。

“高麗人はロシアで既に ‘農業を開拓する民族’という認識を得た。 私たちは高麗人同胞たちがどんな環境でも自活することができる能力を備えてい るという信念の上に立ってこの事業を推進している。 沿海州波運動は東北アジアの少数弱者を支援する運動であると同時に、多民族共同体としての沿海 州を試す過程だ。 ひいてはこの運動は韓半島の統一時代に備える準備過程で、 ‘北東アジア平和実験の場’ になるのだ。”


▲ ウスリースク北郊外にある高麗人友情村の全景


▲ 高麗人友情村


▲ 友情村のビニールハウス


▲ クレモバ村のある高麗人の家で今年の農業会議が開かれている。


▲ 東平沿海州事業局の作業者たちがクレモバ村で高麗人同胞の農業計画を細かく聞いている。
(赤のパーカーを着た人が東平・金ヒョンドン事務処長)


▲ ウスリースク市内にある高麗人民族学校。


▲ ウスリースク東平カルチャーセンターでは一般ロシア人に韓国語を教えている。

* 北東アジア平和連帯の高麗人定着サポート事業の詳しい内容は、

北東アジア平和連帯ホームページ http://www.wekorean.or.kr/

カフェー <友情村とクレモバ> http://cafe.daum.net/wekoreanwoo をご参照下さい。

(延辺通信 ホン・ゴンヨン記者 2006年5月1日)
Copyright(C) 朝鮮族ネット