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![]() [社会] 朝鮮族農村の生活基盤、なぜ減る一方なのか 《朝鮮族農村が揺れている》ということについては誰もが共感している。 しかし 《揺れること》よりもっと重大なのは 《忘れてしまうこと》 であり、実は 《忘れてしまうこと》ではなく 《自ら諦めている》と言っても構わないほどだ。 それほど既に一部の朝鮮族農村の幹部たちと農民た ちに長年の生活基盤である土地と環境、そして山に関心がないか、少ない。 ひたすら韓国へ行って大金を儲け、農村を発てばそれまでということで、 血の汗で開拓して建設して来た生活基盤を一瞬でいとも簡単に 《捨てて》いる。 注目すべきは、近年には土地所有の諸問題において、朝鮮族村民たちの土地訴訟が多くなっていることだ。 筆者が滞在している周りの朝鮮族村 14ヶ所 の中で以前に所有していた山や空き地のない村が 9ヶ所にもなる。 こんな所ではさらに一筆の土地さえ残さず、すっかり他民族に売り飛ばしたが、将来 誰かが牛を飼おうとしても、牛を飼い放す草地が一筆もないと言える。 こんなにきれいに、あっさりと自分の所有を、惜しげもなく次々に捨ててしまう理由は何なのか? 第一、目前の利益だけにあまりにも没頭するからだ。 我が民族、特に農民たちが長期的な視点もなく、単純な思想を持っているということは私たち自らが承認する点だ。 常に早目に先に進むなどの利点 はあるが、代わりに忍耐力がなく、先見性がなく、じっと持っている習慣がない。 山に対する処理もそうだ。 70年代の末まで少なからぬ朝鮮族村に自分たちの所有した山があった。 しかし最近の漢族はむしろ山をもっと増やしているの に、朝鮮族は大部分売り飛ばした。 言わば多角経営をやめ、それを引き受けて引き継ぐ人がいなくなると漢族に売ったが、そのまま安く売り飛ばしたのだ。 ある朝鮮族村で何百畝余りの山を木まで含めて十万元余りで処理したが(その時はそれを高いと思ったはずだ)、僅か十年余りの後である今日、何十万元もの価 値で何倍にもなった。 問題は既に山の価値を知った相手から元々の開拓者である私たちは永遠に返してもらうことが出来ないということだ。 こんな実例が非 常に多い。 韓国への出稼ぎが始まり、まるで農業からの収獲は (山を含み) 取るに足らないかのように猫も杓子も韓国への出稼ぎにばかり打ち込み、自分たちの生活 基盤が少しずつ消えたり、タダ同然で処理されていることについても誰も気を使わないのだ。 そうして金の成る木のように思われていた韓国への出稼ぎ もやや一段落し、理想社会の建設とともに国家で新しい農村建設に拍車をかける今日、今いささかなりとも土地がどれだけ貴重な財富であるのかを認識し ているようだ。 しかしもう今さらどうにもならないことだ。 第二、法制意識が鈍かった。 日々、法制が健全になって行く中、集団でも個人でも所有地問題に対する法的な公証がより健全で必要になった。 しかし法制意識が鈍いことから過去の 経験のようにいい加減に考えて失敗したケースもある。 黒龍江省のある朝鮮族村では、隣村との境界に数百畝の山林資源があったが、これを公証しなか った。 自分たちが管理して来て木も自分たちが植えたから、自分たちのものだと考えていた。ところが境界のため訴訟が起こり、いざ法廷に出てみると、 どういうわけか、 隣村の法的な所有になっているのだ。 所有地を持とうとすれば、まず法的な確認からしなければならないということを知った隣村では、 朝鮮族村で昼寝をしている時にきちんきちんと法的な手続きを既にすべてしていたのだ。 法は無情なものだ。結局、訴訟で負け、所有地を手放すことになっ た。 重要なことは、私たちの自分の法に対する無知を咎めなければならないということだ。 こんな事を教訓にして黒龍江省のある県の朝鮮族民間団体では 《法律諮問》という部署を別に置いて、専門的に朝鮮族村の土地と山資源などを正確に測量 した後、これを法的な手続きを踏んで公証しておくことで、法意識の欠如により朝鮮族が所有権を逃す事がないようにあらかじめ防備するのは、先見の明が ある事だと思う。 第三、管理が付いて行くことができない。 資源があっても着実な管理と根気がないから、結局失ってしまう場合が多い。 某朝鮮族村のある農民は、荒地を開拓して人工養魚場を何十畝か造成しておき、魚を育てた。ところが管理が伴わず、結局損をし、何十万元も投資して 作った養魚場がそっくりそのまま他民族に移った。 ある朝鮮族の村民は数百畝の林地があり、専門家を置いて管理した。 ところが木の窃盗犯が増える ようになると、管理に問題が起こるようになった。 そして問題が複雑になると 《肉を食べなければ白丁にはならない》と言いながら数十年間守って来 た林地を初めから一気に売り飛ばして問題を回避した。 このように管理が出来ずに簡単に売り飛ばす実例が多い。その結果、大きな経済損失を受けたが、 40万元で売り飛ばした林地の値段が今では 500万元を出しても売らないという財宝になった。林地を買った漢族の農民は山をきちんと管理して値段が 上ったからだ。 そのため 《朝鮮族は何でも率先して苦労しながら、他人にとっていいことばかりする》と言う評判もよく聞く。 しかしこれとは反対に、うまくやっている所もある。 某朝鮮族村には 5000畝の山があり、人力、物力、富力を投資して全力をつくして守り抜いた。 専門農家を出し、請負わせる方式など、いろいろに頭を使いながら作って来た結果、大きな財産になった。 第四、 幹部の郷土意識が変数だ。 村幹部の郷土に対する使命感と責任感の如何によって所有権確保の変数になる。 朝鮮族がたとえ都市進出という、この歴史的変革を辿ってはいても、それでも農村に根付いて暮す朝鮮族農民たちがいるわけで、たとえ住まないと 言っても土地に対する所有権を簡単に諦めてはいけない。 このような生活基盤である所有権は、今日はもちろん、遠い未来においても重要だ。 ある朝鮮族村の幹部は、外地人が巨額の礼金を入れてくれてまで村の山を売りなさいと言ったが、子孫のために生活基盤を残してあげることが、自 分たちがしなければならない義務と考え、断固として断った。 その結果、子々孫々恩恵を受ける幾千畝の山がそっくりそのまま羨望の財富として残っているのだ。 (吉林新聞 カン・ヒョサム記者 2006年4月15日)
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