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[特集] 学校前の悲しい風景−延辺

社会の関心と思いやりが必要


▲ 学校正門前には子供達を迎えに来た父兄たちが立っており、交通警察は道路周辺に立って 手信号で行き来する車を指揮している。


▲ 孫を待ち続け1時間過ぎたというお爺さんが、くたびれたように学校大門のそばの大理石に座っている。

最近になって、延吉の小学校では独特の風景が見られる。

午後 3時頃から学校正門周辺に数十人、多い時は百〜2百名余りの人々がガヤガヤと集まって立って いる姿だ。 これらは皆、低学年生の父兄たちであり、朝は学校に子どもを送り、夕方に迎えに来るのだ。 そのうち大半は年配の老人たちだ。 職場に通う父兄たちは、生徒たちが放課になる時間に子どもたちを迎え に出ることができないので、老人のいる家では老人が出て、そうではない家では仕方なく子供達が自分で家に 帰って来るしかない。


▲ 迎えに出た父兄のいない子供達は三々五々群れをなして道を渡っているが、
車が来れば歩みを止め、車が通り過ぎれば次の車が入って来る前に走り抜けなければならない。

彼らがこうしているのは、学校周辺の環境が良くないことにその原因がある。 大部分の学校前の道路には 信号がなく、道路には 《学校の近く、減速》という警告文すらもない。 車は何らの躊躇もなしに速度を出して 学校前の道路を疾走し、子供達がハラハラするように車の隙間を隠れんぼするように掻き分けて道路を走り 渡る姿がよく見られる。

記者が訪れた学校前の道路には信号はなく、それでも幸いなのは、道路に横断歩道が描かれており、一人 の交通警察が道路周辺に立って手信号にて行き来する車に注意を与えている姿があった。


▲ 子供達が大人の手をしっかり握って、疾走する車を避けて道路を渡っている。

記者がその交通警察に 《どうして学校前なのに信号がないのか》と問うと、 《ここに信号灯を設置すれば円滑 な交通流れに差し支えがあるから》と言う。 《それでも子供達の生命安全が一番重要なのではないか》という 記者の問いに 《だから交通警察たちが毎日この時間に出て交通整理をしているんじゃないか》と言い返す。

学生たちは続々と溢れ出ており、午後 4時になるとこの交通警察は退勤するのか、タクシーを拾って行ってしまう。

記者が、集まっている人々のうち年配のある父兄に近付いて聞いた。


▲ タクシー停留所の看板と企業広告の看板はあっても 《子供注意》や《学校前減速》のような表示は見当たらない。

《お孫さんを迎えに来たんですか?》
《はい。》
《おじさんは学校周辺の環境に満足してますか?》
《満足出来ないからこうして毎日子を連れに来てるのです。》
《それでは、こういう情況を該当部門に申し立てて見たことがありますか?》
《ないです。》

どうして申し立てないかと言う記者の問いに、限りなく善良に見えるこの老人は黙り込む。

学校の周辺環境を見れば、その社会での子供たちの位置付けと子供たちに対する関心度が分かる。 疾走する車の間をせわしなく走って通う子供達を見ながら、そしてそんな風景に慣れ切ってしまい、いつの 間にか無感覚になっている大人たちを見ながら、記者はその社会に携わっている一員として恥ずかしさを 禁じ得ない.... 此の世でなによりも一番重要視されなければならないものが、育つ子供たちの生命の安全だ。 何も分からず、自分の権利を行使することができない子供たちに、我々大人たちだけを信じて育つ子供たちに、 私たちは果してどれだけの関心と気配りをしてあげているのか、問わざるを得ない...

(延辺通信 イ・キルサン記者 2006年4月14日)
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