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[経済] 石炭から鉄くずまで … 北朝鮮で資源狩り



北朝鮮の資源を狙う中国の手は執拗だ。 中国国務院弁公室は 2005年 6月 '36号文件'を発表した。 '東北振興', すなわち東北 3省の集中開発を初めて北朝鮮進出と連携させた文書だ。 30余りの条項の中で 18条、24条が北朝鮮と の連携開発を規定している。 中国の北朝鮮地下資源狩りもこんな東北振興の一環と解釈されている。

#事例1=ここ何年間、咸鏡北道・茂山鉄鉱をめぐって韓・中の間に静かな資源戦争が起った。 総埋蔵量 が30億トン、 採掘可能埋蔵量 13億トンで東アジア最大の露天鉄鉱である茂山鉄鉱の鉱石を誰が持って行くのかという競争だった。 戦闘は呆気なく終わった。 中国の通化鉄鋼グループ、延辺天池鉄鋼グループ、中鋼グループ(五鉱グループという説 もある) の3社がコンソーシアムで 50年採掘契約を結んだ。 政府は中国コンソーシアムの総投資額を 14億ドル(約 1兆 3000億ウォン)と評価している。 中国側は電気、機械設備、技術を提供して毎年 1000万トンの鉄鉱石を搬出する。 この 競争で韓国はほとんど排除された。 大韓鉱業振興公社の関係者は "2003年から茂山鉄鉱に意思を打診した"という。 しかし鉄鉱石の成分を分析する作業をしただけで終わった。

#事例2=中国吉林省集安の朴(52)さんは、 3年前から北朝鮮と資源取引をしている。石炭が一番大きい。 平安南道 价川、徳川、北倉から持って来る。 身を縄で縛って垂直に垂れ下がった北朝鮮の鉱夫たちが採取した石炭を、人足た ちが背負って運び、積み出せば、それを主に満浦で集めて出て来る。 6000cal の上品を1トン当たり 30ドルで買い、 33.5ドルで売る。 この位の熱量なら去年の国際気配はトン当たり 50〜55ドルだ。 一月に約 5000〜6000トン、約 3000 万元(約 36億ウォン) 規模の取り引きをして、そのお陰で朴さんの会社は吉林省上位 50大企業に浮上した。

#事例3=山東省招金集団と両江道恵山青年銅鉱も合作投資契約を締結し、吉林省長白招金鉱業公司も恵山に 2700 万ドルを投入した。 福建省は北朝鮮に 15トン級トラック 20台、フォークリフト 3台、 ディーゼル 100トンを提供して無煙炭 1万トンを持って出る。 丹東のフンシャン貿易公司も '資源商売'で成功した。3年前までこの会社は農産物、 機械製品を 売る平凡な会社だった。 それがトラック 100台を投入、 安州から鉄を運び、丹東首位の貿易会社になった。

中国が北朝鮮の地下資源を真空清掃機のように吸いこんでいる。 中国税関統計によると北朝鮮の鉄鋼輸出は 2003年 4670万ドル水準で 2004年は7590万ドル水準に増えた。 鉱物性燃料の輸出は前年より 200% 増えた 5310万ドルだった。 その他の鉱物の輸出も 6011万ドルで、 2003年より 155% 増えた。 '現金のない' 北朝鮮の不如意な事情も、中国の 資源吸収に有利に作用する。

◆ 北朝鮮も積極的=北朝鮮江原道のある発電所は、中国遼寧省と 2005年に鉱物出荷契約をした。 発電所稼動設備 を提供すれば、亜鉛、金、鉛を 3つの鉱山で掘らせてくれるというのだ。 黄海道 H鉄鋼企業も中国大連の D 有限公司と 2005年下半期に資源出荷契約をした。 製鉄所稼動のための設備を与えれば鉄鉱石を掘って加工、鋼材と鋼板、線材 などの鉄鋼製品に引き替えるというのだ。

丹東でやや小さな H貿易会社をする朝鮮族 K社長は、 2005年 12月、北朝鮮咸鏡南道の定平亜鉛鉱山の開発提議を 受けた。 10トントラック 5台、 削岩機など採掘設備 20台に旋鉱設備、 設備作動に必要な燃料と採掘から生産まで 3ヶ月 分の食糧が必要だった。 総投資額 50万ドルを 3年もあれば回収することができるという計算になった。 亜鉛精鉱を持っ て出れば中国で 100% 売れるからだった。 20社の中国企業が先行投資をすると名乗り出た。 現金が少ない Kさんは 諦めた。

中国は甚だしくは鉄くずも逃さない。 鉄加工に必須だからだ。丹東の貿易商である朝鮮族 Pさんは "食糧事情のため 北朝鮮の住民たちは電動機のふた、船の甲板、 鉱山のレールみたいなものを売りに出す"と述べた。 南浦・金策・元 山港などに鉄くず輸出会社があり、 こんな会社が 3つの人民班ごとに一つずつある鉄くず収買所に現金を払って鉄くず を収集するようにするというのだ。 ところがこの過程で工場の無欠な設備が鉄くずで壊れてしまったりする。 Pさ んは "それで黄海製鉄所、金策製鉄所が廃墟になったと言う噂が多い"と語った。

中身もなく、推進説のみ

南北資源協力は

中国が北朝鮮の資源狩りに高速走行しているが、韓国は亀歩きをしている。 資源協力というのは名ばかりで、南北のす る事業は大韓鉱業振興公社の黄海南道延安郡井村里の井村黒鉛鉱山の開発が唯一の事例だ。 2003年 2月、韓国側 の北朝鮮鉱山開発窓口が鉱振公に一元化された後、 7月に契約が締結され、 2004年 3月に着工式をして早ければ今 年の上半期中に '品物'が入って来る予定だ。

2005年 7月、 第10回南北経済協力推進委員会の会談では '韓国は軽工業原資材を提供、 北朝鮮は地下資源を提供' という方式が提起された。 北朝鮮は咸鏡南道端川の剣徳亜鉛鉱、マグネサイト、亜鉛、燐灰石、無煙炭、有煉炭鉱など 総計 10個の鉱山開発を提示した。 鉱振公も金、マグネサイト、鉄、亜鉛、モリブデン、銅など 6つの鉱物開発を提案した。 しかし以後、目に見える成果の出た事例はない。

話だけは多い。 鉱振公が咸鏡南道端川の大興マグネサイト鉱山と剣徳亜鉛鉱山の開発を推進するという話もある。 上半期、北朝鮮と合作契約をして、3年後頃に稼動を始めるという内容だ。 亜鉛、燐灰石、鉄鉱石、モリブデン、重石鉱 山の開発も念頭に置くと言う。 やはり鉱振公が茂山鉄鉱施設の現代化に投資し、 浦項製鉄も茂山鉄鉱石 10万トンを 購入するという話もある。

29日鉱振公は "北朝鮮の対南経済協力機構である民族経済協議会が来月 28日、平壌で韓国側の企業人たちを招請、 投資説明会をする予定"と明らかにした。 大宇インターナショナル、産業銀行、輸出入銀行など資源開発に関心がある南 側の企業・金融関係者 110人余りが参加するという。 しかし統一部のある高位当局者は "北朝鮮との資源協力は話だ けは多いが、中身はない"と語った。

鉱物資源価値、韓国の 20倍

タングステンの埋蔵量、世界 2位

北朝鮮の資源規模は

北朝鮮には 220種余り以上の有用鉱物がある。 このうち埋蔵量と生産量を考慮して経済性がある鉱物だけでも 43種だ。 このうち南北の埋蔵量の比較が可能な鉱物 20種を 2004年の韓国の経常価格で単純評価すると、北朝鮮が 2287兆ウォ ン、韓国が 95兆ウォンだ。 北朝鮮が韓国の 20倍を越える資源を持っているということになる。

北朝鮮の鉱物は世界記録も持っている。 咸鏡北道茂山鉄鉱はアジア最大の露天鉱山だ。 タングステン、モリブデン、 ニッケル、マンガン、コバルト、タンタル、ジルコニウム、ベリリウムなど '鉄の仲間'と呼ばれる金属工業の核心原料が 豊かだ。 このうちタングステンは埋蔵量 66万トンで世界 2位。. 耐火物原料で代表的な非金属鉱物であるマグネサイト 鉱は埋蔵量 36億トンで世界 1位だ。 金・銀鉱は日帝時代から朝鮮半島が '産金国'という評価を聞くほどに幅広く分布し ている。

こんな資源を土台として鉱業は 2003年基準で北朝鮮国内総生産の 8.3%を占めている。

(中央日報 アン・ソンキュ、ユ・チョルジョン記者 2006年3月31日)
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