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[文化] あれだけ多かった朝鮮文の古本はどこへ行ったのか?



何年か前まででも古本屋店や市場にいくらでも散在していた朝鮮文の古本が、急速に痕跡をなくしている。 退職後、読書が好きな延吉市北山街の李先生は、読むに値する本を買おうと、毎週、延吉市内のいくつかの古本屋を見て 回るが、手ぶらで戻る場合が多いと語った。 インターネット時代の到来とともに、無視され冷遇された朝鮮文の古本はどこへ 行ったのか?

アパート生活のため安値で処分された中古書籍

《韓国から帰って来てアパートを買って引越し、古本を全て処分してしまいました。》延吉市北山街道に住んでいる金氏の話だ。 本が好きな金氏は、80年代に出てきた朝鮮文の古本はもちろん、珍しい50〜60年代に延辺で出版された創作本も 少なくからず蔵書していたが、新しいアパートに本箱がなく、本の管理がふまく出来ないので、廃品業者にヒモで括って 本を渡してしまったと語った。

金氏のように、アパートへ引越ししながら古本を処理してしまった人々が少なくない。 本を家に置いておいても、映像文化に 慣れた現代人が本は読まず、むしろ本が家のスペースを奪う荷物になるだけと考えるためだ。

生活の質は過去より随分向上し、住んでいる家の装飾も派手になったが、本のない家は何かが不足したようだと金氏は語った。

印刷部数の少ない朝鮮文書籍、ますます現存数が減少

《朝鮮文書籍は印刷部数が少ないため、現存数も少ないです》。 長年の間、古本を販売してきた延吉市の高先生は、 最近になって朝鮮文書籍を民間から掻き集めるのも大変だと語る。 高先生によれば、延辺で朝鮮文書籍は最近、漢文その他の書籍に 比べて需要量が多く、よく売れる筋に属するのに、出版当時の印刷部数があまりにも少なく、希少性があるという。

80年代前後に出てきた朝鮮文書籍の印刷部数を見れば、ほとんどが1000冊前後と発行部数が少なく、50〜60年代に出された 朝鮮文書籍も文化大革命の期間に多くが消失し、より一層探すことが難しくなった。 さらに文事資料類の書籍と有名作家の 原作創作本、そして世界名作類の古本はないので、売ることが出来ないほどだと高先生は紹介した。

古本の希少性により、本の価格も随分上がったが、解放後、中国朝鮮族初めての長編小説と呼ばれる1954年度に出版された 有名な作家・金学鉄翁の《海蘭江、話してくれ》などの古本は非常に価格が跳ね上がった。

インターネットで寵愛される朝鮮文収集類古書

インターネット商取引の発展と共に専門中古書籍をインターネットで売り買いする《孔夫子旧書ネット》のサイトや 《収蔵ホットライン》などのインターネット専門サイトでは、朝鮮文の蔵書が全国の収蔵愛好家から特別な寵愛を受けている。

連環画の活気とともに、あまりにも印刷部数の少ない朝鮮文の連環画が、全国の絵本収集家から大きな人気を得ており、 人気を独占しているのだ。

長年の間、連環画収集をしてきた延吉市の絵本収集愛好家・王リョクチは、朝鮮語絵本の中でも漢語で出版された同一装丁の絵本が 収集愛好家の脚光を浴びており、連環画作品でも特別な人気があると語った。

王リョクチは、1980年代に出版された朝鮮文の古本《長白の息子》がその代表的な例で、《長白の息子》が80年代に古本全国 コンクールで脚本賞を授与された受賞作品であり、中国内の収集家がもの欲しげに見る競争商品になっているとしながら、本の 状態が良ければ、販売価格は数千元の値をつけると語った。

文化革命の時期に出版された紅宝書の収集ブームも大きくなリ、朝鮮文《毛沢東選集》《毛主席語録》など特定年代に 出版発行された広報書類の古本も脚光を浴びている。

《孔夫子旧書ネット》のサイトに中古書籍販売店を開設した延吉市朝陽街の劉氏は、仕事の合間に家にある古本をインターネットに 載せて売ることが出来、なかなか面白いと語る。 インターネットを通した書店開通は意外に簡単で、ますます多くの人々が インターネット電子商取引を利用した中古書籍販売をしている。 不完全な統計によっても、現在の延辺には少なくとも50余りの 個人運営インターネット中古書籍書店が開通しているといい、少なからぬ朝鮮文中古書籍がインターネットを通じて 検索購入することが出来る。

読書する民族は希望がある

インターネット時代に突入し、書籍は今はもはや閲覧を目的としない収集目的物としても新たに出ており、売買方式も特定された 書店や古い本屋など固定的な場所でなく、広い範囲のオンライン上で成り立っている。 現在の朝鮮文図書販売の沈滞とともに、 中古書籍が私たちの周辺から消失した様々な理由が私たちに与えている緊迫したメッセージも見逃してはならない部分だ。

中国の読書量は先進国の10分の1にもならないという調査結果がある。 現在、中国で教育を受けた人々の年平均読書量は 4冊といわれ、日本の40冊、韓国の11冊、イスラエルの64冊に比較すれば比較するのも恥ずかしい読書量だ。

読書する民族は希望がある民族というユダヤ人の名言がある。 本を読むことによって出来る悟りと想像力で、創造力のある ユダヤ人によって文学が息づき、芸術が光を放ち、文明は進歩して来たのであり、社会構造も不断に変化してきた。 読書が世の中を 変化させる力を発揮したのだ。

延辺大学・禹相烈教授は、イメージの時代に歩調をそろえて伝統的な本の概念の刷新を要求しながら、紙の本だけでなく マルチメディアを動員したイメージ本も現代の本の概念に含めなければならないと主張、読書は人生そのものであり、人生の 目的であると強調しながら、多様な本を通して人生を成功させることを推奨している。

(吉林新聞 2013年3月21日)
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