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［教育］　朝鮮族学生の漢族学校入学ブームが冷める

朝鮮族教育、質と特色で勝負

朝鮮族教育は改革開放そして市場経済の勢いに乗った波の中、激変期の不振に喘いでいた。学生数が急激に減り、これによって農村学校がぞろぞろ廃校に追い込まれ、都市の学校は運営規模が縮小され、様々な問題が続出した。

民族社会の一部では"朝鮮族教育は深刻な危機に瀕している"と嘆き、朝鮮族教育の発展に対して悲観、失望、茫然自失の態度を見せたりもしていた。 21世紀2番目の10年が始まった。延辺州の朝鮮族教育は、はたしていかなる時に来ており、いかなる発展展望があるのか？本紙教育面はこの問題について、今日から“新しい時代の朝鮮族教育の現場を行く”系列報道を行う。

朝鮮族学生が漢族学校に通う比率：高校42％、中学37.2％、小学校平均22.2％、低級学年18％。
漢族学校の朝鮮族学生比率：高校21.4％、中学11.6％、小学校平均6.4％、低級学年5％。

一時、朝鮮族教育に濃厚な陰を投げかけ、朝鮮族社会の弱点・問題として世論を熱い雰囲気にした朝鮮族学生の漢族学校入学ブームが、最近、明確に緩和されただけでなく安定傾向を見せており、世間の耳目が集中している。

“中国で生きるためには、何といっても中国語が上手でなければならない”という認識で、誰もが子供を漢族学校に行かせた時期、そのピークの時期に小学校に入学した学生たちが今、高校段階に来ている。現在の延辺州の朝鮮族高校の学生数は 8290人で、漢族高校に通う朝鮮族学生が6007人、朝鮮族の高校生の42％が漢族学校に行っているのが実情だ。

だが、学年が下がって来るにつれ、状況は少しずつ変わる。漢族学校に通う朝鮮族小中学生は朝鮮族小中学生全体の37.2％、高校段階に比べて小幅減少しており、小学校になると22.2％と明確な下降傾向を見せており、特に2年生からは18％ラインで維持されている。

漢族学校での朝鮮族学生の比率をチェックしてみると、高校段階は21.4％、中学が11.6％、小学校は6.4％を記録し、特に3年生以下は5％ラインを維持している。朝鮮族学校にも漢族学生たちが少なからず通っている実情を勘案すると、5％程度は正常な範囲と見られるというのが業界の指摘だ。

とすれば、あれほど熱かった漢族学校入学ブームがどのように停滞し、緩和され、今日の安定傾向を取り戻すことになったのか？朝鮮族教育が高い教育の質と鮮明な特色で勝負しながら、ますますその強みと魅力を輝かせているところにその答えを求めることが出来る。激変期の不振を思い知らされた朝鮮族教育は、新しい世紀に入った後、政府の朝鮮族教育優先発展戦略、教育行政部門が確立した “質に特色を加えた”朝鮮族教育改革モデルと朝鮮民族の高い教育の熱意に力づけられ、急速に発展、次第に安定と活力を取り戻して新しい発展の時期を迎えた。

今日、朝鮮族教育の最も大きな強みは、相変らず高い教育の質だ。大学入試だけ見ても、ほとんど毎年、朝鮮族学校で省、州の首席合格者が輩出し、朝鮮語受験生たちの各種大学の合格率が最近は連続して州全体の平均水準を超過している。大学入試で朝鮮語受験生に10点が追加される学生募集政策は、朝鮮族教育に大きな力を与えてもいる。

朝鮮族学校は良質な教育資源を誇っている。学生数に比べて良質な教育資源が充実しており、良質な教育を受けることが出来る機会が漢族学校に比べて多い。高校入試だけ見ても、州全体の漢族中学の卒業生が1万 4000人余りで、朝鮮族中学の卒業生が 3000人余りなのに対し、州および各県、市の朝鮮族、漢族普通高校生募集計画は大きな差が見られず、朝鮮族学生たちが良質な教育を受ける機会が多くなる。

朝鮮族学校の学生たちは、言語能力で相当な強みを見せている。朝鮮語に長けており、漢語に強く、外国語まで上手にこなす朝鮮族学校の学生たちは、大学や就職、社会生活で優位性が引き立って見え、国際化、多文化時代に相応しい人材として脚光を浴びている。長年の間、二重言語教育を重視し、効果的な改革措置を続けて来たおかげだ。これは一時、中国語の実力を言い訳にして朝鮮族学校を冷遇していた父兄たちの足を引き戻す重要な要素として作用している。

少人数学級教育が学生一人一人に関心を向け、すべての学生の全面的な発展のために役立つ良質な教育で、朝鮮族教育の強みを一層輝かせている。朝鮮族教育は萎縮した規模を良質な教育の代名詞である少人数学級教育を賢明に転換させた。少人数学級教育は、発達した国や教育先進国家で実施する質と次元の高い教育だ。鮨詰めのようにぎっしりと詰め込まれた教室でなく、理想的な学級人数配分と先進的な教育理念、モデルにて進行される少人数学級教育により、朝鮮族学校の学生たちは皆が関心を持たれ、重視されながら楽しく学校生活をすることが出来るようになった。

民族文化教育は、朝鮮族学校が学校を朝鮮族学校らしく設け、学生たちを朝鮮族らしく育てながら運営特色を備えて魅力を発散し、民族文化を継承し花咲かせて行く重要な経路だ。民族文化教育を通じて、朝鮮族学校の学生たちは民族精神を受け継ぐ、民族的自負心を育て、中華における朝鮮族、世界の中の朝鮮族として高まることになるのだ。

朝鮮族教育は既に激変期の陣痛を振り払っており、安定した姿で高い教育の質と鮮明な民族特色を追求しつつ新しい時代を開いている。朝鮮族教育の強みと魅力は、漢族学校入学ブームを沈静化させ、漢族学校の朝鮮族学生たちの足を引き戻すだけでなく、他民族の学生たちまで吸引している。

（延辺日報　２０１１年６月７日）