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[文化] ‘元気で行きな、サーカス’… サーカスのように愛も夢も…−韓国

◇ 元気で行きな、サーカス/千雲寧作/280ページ・9500ウォン・文学ドンネ



千雲寧(34) さんが初めて出版した長編小説の ‘元気で行きな、サーカス’は京畿富川市に 渡って来た朝鮮族の女人と彼女を慕う兄弟の話だ。 兄は首にけがをして言葉がまともにできないが、 花嫁を探しに中国へ行き、次々に見合いをしていると、‘小さくてか細いが、なんとなく惹かれる’ 延吉の女人に出会う。 この時、彼に同行した弟は、冷たい視線で女人を気にいらなく思ったが、結局 ‘兄嫁’になった彼女が好きになる。

千さんは “ソウルのカルビ店で会った朝鮮族の従業員から、切なく暮して来た話を聞いた。 何度も中国に渡って朝鮮族たちと交流しながら話を作り出した”と語った。

中国吉林省各地を回りながら書いた ‘足筆創作’の力が、紙面の随所に滲んでいる。 短編小説でなら した千さんの強みの一つは、優れた描写力だ。 朝鮮族が暮す風情と ‘朝鮮族の韓国語’がこの小 説の中に生きている。 特にリム・ヘファがマッサージ師として ‘セヨクセンター’で一緒に働いた貧 しい友達ヨンオクと料理店で別れる場面は切実だ。 ‘ヨンオクの目頭が赤くなることを、私がしきりに ため息をつくのを、私たちはお互いに知らん振りをして手まめに箸の上げ下ろしをした。’

話のもう一つの中核である義弟ユンホも、やはり ‘男装した女’ではないかと思われるほど繊細な所が ある。 嫁を喜びのうちに迎え入れた彼の母親が死んだ瞬間を描いた場面がそうだ。 ‘…木の下に横にな った母を見た。 昼寝をしていると思った。 木陰の下で、 (…) 母は限りなく楽な顔で横になっていた。 ちょうどその時、花一つが母の少し開いた口の上に落ちた。…’

リム・ヘファのように少なからぬ朝鮮族が韓国の F-2 ビザ、韓国で自由に暮しながら親戚を招待すること ができる同居訪韓査証を申請している。リム・ヘファは “どうやら私は韓国を ‘シャングリラ(雪に覆 われた山奥の楽園)’と信じていた”と言う。 しかし彼女が直接来て見たシャングリラはどんなものだっ たろうか。 ‘橋の淵に立って賃金として受け取った封筒を開けてみた。 (中国の) チョンス洞で半年ぶっ 続けて働けば手に入れられるお金だった。 これだからみんな韓国へ来ようとするんだな。これだから韓国 から去る事ができないんだな。結局これだったのか。 (…) 宮殿や派手な城のように華麗に飾り立てられた 旅館の建物。 摩天桜のように聳える建物は皮だけの空の箱のように見えた。’

リム・ヘファの慰めは、幼い時に恋した朝鮮族の史学者とともに入って行った渤海・貞孝公主の古墳の中を 思い浮かべる時であるようだ。リム・ヘファが富川に渡って来た後からこの小説の話は退屈になる。 何 よりも暗い素材を暗い方式で扱ったからだ。 話の流れの下、劇的な因果が弱いという点も惜しい。

作家・千さんは 10日からドイツ政府の招請でライプチヒ近郊の芸術人村グラダに移り、二ヶ月間滞留し ながら執筆する機会を持つ。 年末に戻って来て、再び活動する彼女の新しい活躍が期待される。

(東亜日報 クォン・キテ記者 2005年10月8日)
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