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[特集] 中国ハンギョレ社会、どこまで来たか?−上海編

機会と挑戦、希望で奏でるメロディー



朝鮮族 8万5千名、韓国人 6万名余...2000年から本格進出。
韓国、華東投資額 30.38億ドル、対中国投資の 30% 達する。
上海龍柏・万科・古北地域などにコリア商圏形成。
朝鮮族、国語教育及び文化施設不備...解決すべき課題


“まるで風船が脹れ上がるようだ。”

華東地域ハンギョレ社会の急速な膨脹についての話だ。

中国経済の心臓部である上海を中心に、南京、蘇州、無錫を含む長江デルタ経済ベルトに進出した 朝鮮族と韓国人が、お互いに交わったり独立して腰を据えて、華東地域ハンギョレ社会を形成している。

韓国人が第一歩を踏み入れた時期は去る 1980年代中盤からで、大企業が台湾や香港法人を通じて、 中国改革開放の象徴と同時に金融、商業、貿易の中心地である上海に上陸し始めた。 朝鮮族もこれとほぼ 同時に大学卒の後、政府部署や国営企業に配置されながら上海地域に足を踏み入れ始めた。

創始期には極めて僅かな規模だったハンギョレ社会は、 20年間余り、成長に成長を繰り返して、現在は 10万名 をはるかに越えるといわれる。KOTRA 中国本部、駐上海韓国総領事館、華東地域の韓国商会、朝鮮族関連団体 などを通じて入手した情報によれば、上海、蘇州、南京、義烏などを含む華東地域の朝鮮族は約 8万5千名、韓国 人は 6万名余になる。 また駐上海韓国総領事館、KOTRA中国本部、韓国貿易協会、韓国たばこ人参公社、釜山 市事務所、慶尚南道事務所など 10余りの韓国機関と団体がここに進出しており、ドンチョサロン、東方サロン、 基督企業家協会(CBMC) など朝鮮族関連団体も 10余リが活躍中だ。

ハンギョレ社会が一番最初に自然発生的に出来始めた上海龍柏、万科、古北などの住居地域に、コリア商圏が 目立ってタウン形成をしている。.

華東ハンギョレ社会の形成及び居住版図

80年代中盤、中央民族大学を卒業して上海安全局に配置された、現・上海テクムン実業有限公司チョン・ムンキ ル理事長を含む人々が、この地域に進出した朝鮮族の第一世代に数えられる。 韓国人第一世代としては、現・上 海韓国商会の李鍾山会長を含む韓国大企業や商社駐在員で、 1987年から中国に出入りし始めた。 1992年 、中国で最初に上海−ソウル直航路開設、中韓修交をきっかけに、上海を含めた華東地域を尋ねたり、他地域に行 くためにここを経由する韓国人も増え始め、旅行社ガイドや韓国の会社職員などとして上海に住み着く朝鮮族も多 くなった。 1992年 12月、KOTRA中国本部、1993年 5月駐上海韓国総領事館が相次いで開館され、三星、SK、 LG、浦項製鉄などの大企業をはじめとして韓国企業の進出が徐々に拡がった。 2001年に前後して義烏、蘇州、 無錫など上海周辺地域に衣類、纎維、履き物、アクセサリーなどの労動集約型韓国中小企業が大挙進出し、貿易 、食堂、店、民宿などのサービス業に携わる同伴進出の朝鮮族も爆発的に増えた。 現在、韓国と上海を行き交う 航空便だけでも毎週 60便にのぼるほどで、韓国とここの交流がいかに頻繁であるかが知れる。現在、華東地域の 朝鮮族は約 8万5千名余、韓国人は 6万名が常住しているといい、上海に朝鮮族 6万名、韓国人 4万名、義烏に 朝鮮族 1万名、韓国人 5千名余、蘇州に朝鮮族 7千名、韓国人 4千名、南京に朝鮮族 2千名、韓国人 2千名余、 杭州に朝鮮族 2千名、韓国人 1千名、無錫に朝鮮族 2千名、韓国人 2千名余、寧波に朝鮮族 1千名余、韓国人 1千余人ほどが住んでいる。

コリア商圏、コリアタウンに発展

職場のため、子供達の教育のため、住居環境のため、第2の創業のため、より良い生活に対する志向 のため、等々ここへ来た理由は千差万別だが、上海を中心にハンギョレ社会が作られ始めた。 韓国人 がたくさん集まって住んだり、朝鮮族がたくさん集まって住んだり、あるいは韓国人と朝鮮族が混在して 住む地域が相次いで出来ている。 上海龍柏、古北、万科、浦東新区などにコリアタウンが続々と立ち、 周辺に朝鮮族や韓国人を対象にする食堂、病院、学院などの便宜施設がたくさん出来、ここでは中国語 が分からなくても差し支えがないほどだ。

上海閔行区の龍柏地域は、朝鮮族と韓国人が混在して暮す典型的なコリアタウンだ。 龍柏地域は 10年 前まででも田があった地域を、上海の開発と住宅建設で撤去させられた人々に与えるために建設された庶 民住宅が立っていた。 1998年からここに進出した中国朝鮮族が集まり始め、 2002年頃から韓国人が大きく 増えた。 創始期、龍柏には朝鮮族がたくさん暮し、少数の韓国人自営業者が暮していたが、今は新築アパ ートが高級化し、不動産価格と物価がどんどん上がり、駐在員を含む韓国人が数多く居住している。 現在、こ の地域には朝鮮族 2万名、韓国人 1万5千名が常住しており、人々は紫藤路、青杉路、黄樺路、虹松路の周 辺に食堂、店、民宿、カラオケ、不動産斡旋屋などを運営している。 500m未満の紫藤路だけでもハンギョレ の運営する食堂が 26軒も立ち並び、青杉路、黄樺路、虹松路にもかなり多くの数がある。黄樺路佳信で金海 民宿を運営している金ミョンオク(56歳、黒龍江省依蘭県)によれば、現在、佳信花園だけで民宿が 10軒余りあ り、龍柏地域全体ではおよそ 100軒に達すると言う。それほどここを尋ねる韓国人や朝鮮族が多いという証拠で あり、龍柏紫藤路はコリア商圏の代名詞に落ち着いており、上海の現地人たちも龍柏紫藤路といわれれば知ら ない人がいないほどだ。 最近は、紫藤路農産物市場に 20軒余りの朝鮮族食材店が立ち並び、民族伝統食品の 珍しい風景を見せてくれている。 古北と虹梅路地域には現在、韓国人が約 2万名、朝鮮族が 1万名余居住する という。古北地域は90年代の初め、上海に進出した駐在員たちが一番多く居住した場所であり、最初の韓国人密 集地域だと言う。 当時、駐在員たちが古北地域に集まった理由は、この地域に韓国領事館と大企業が集まって いたのと、中国の政策で古北地域に外国人の居住が可能だったからだ。 そんな理由で今も古北地域には日本 や外国企業の駐在員たちもたくさん居住している。古北に韓国人と朝鮮族が集まりながら古北と近い水城路にあ る平和広場に韓国人と朝鮮族を対象とする食堂や店が立ち並んでいる。 虹梅路地域は 2000年代の初め、古北と 近いという地理的理由で韓国人と朝鮮族住人が住みはじめ、3〜4年の間に随分大きくなった。

万科は、古北を開発した万科グループの名前が地域名に変わった地域だ。 この地域に居住する朝鮮族は 8千名、 韓国人はおおよそ 4千名余といわれる。万科地域は古北より貸し賃が安く、緑地環境がよく造成されており、朝鮮族 と韓国人が数多く暮している。 また韓国学校が今年の始めまでこの地域にあり、韓国学校に子供を送る韓国人家庭 がたくさん住んでいる。万科地域には朝鮮族や韓国人を対象にする食堂やスーパーが何ヶ所もない。周辺に大型ディ スカウント店、中国食堂が多いこともあるが、この地域の朝鮮族や韓国人が食事や飲酒のために大部分、龍柏地域 へ出るからだ。

浦東新区に居住する朝鮮族は 5百名余、韓国人は 3千名余という。浦東新区が開発される時の 90年代初盤までで も浦東に居住する韓国人と朝鮮族の数は 2百人に過ぎなかったが、 2003年から急激に増え、今は 4千名余に増えた。 2003年6月に開港した浦東国際空港と近いのと、快適な住居環境及び円滑な道路交通などにより、浦西から浦東に 移住する韓国人が増え、周辺の経済発展で大企業が浦東地域に入って来て駐在員が増加したからだ。

上海地域に居住する韓国人は大部分、子どもを韓国学校(現在、学生数 700人)に送り、周辺の漢族学校や国際学校 に行かせる韓国人父兄もいるという。 韓国人を対象とする幼稚園、学校、学院などの教育施設はよくなっており、韓国 人の教育には支障がない。 一方、朝鮮族を対象とする幼稚園はあるが、学校はない状態なので、大部分の子供を周 辺の漢族学校に行かせており、国語・ハングル文字教育に赤信号が灯っている。 朝鮮族有志たちを中心にこれを推進 しているが、現在これといった対策がない状態であり、前途は多難である。

ハンギョレ社会の経済実態

中国最大の交通、物流及び流通の中枢であり、由緒ある金融、貿易、商業の中心地である上海を筆 頭に華東経済圏は GDP シェアが 27.5%、対外貿易の 55.7%、中国全体の消費額の約 20%を上回る など、無類の実力を誇っている。 KOTRA中国本部の資料によると、韓国企業の対華東地域の投資額は 、 30.38億ドルで、大衆投資額全体の 30.0%を占めている。 韓国の対華東輸出品目は液晶設備、直接 回路、エンジンオイル、コンピューター部品、自動車部品であり、輸入品目はコードレス通信等の電子部品 、鉄、非合金の圧延製品、コンピューター、荷物箱で、貿易額が 335.64億ドル(輸出257.31億ドル、輸入78. 33億ドル)に達する。 現在、約 2000社余りの韓国企業、機関がここに進出しており、ウリ銀行、産業銀行な ど 5つの銀行と証券会社、保険会社などが布陣している。 上海には主に大企業や商社の駐在員が多く、投 資は周辺の江蘇、浙江地域にたくさんなされており、纎維、衣類、履き物など、低廉な労動力を活用した第3 国輸出型の製造業者が主で、製造業が全投資件数の約 85%を占めている。 世界の工場から世界の市場へ と志向する中国の投資開放、業種拡大と内需市場の活性化により、家電、通信、機械、自動車、流通、金融な ど産業の投資比重も徐々に増えている状況だ。華東地域は山東省及び東北 3省に比べて投資件数が少ない 一方、一件当りの投資額が大きい大型プロジェクトが成立している。無錫に 10億ドルを投資した現代ハイニック ス、蘇州シンガポール公団に 4億ドルを投資した三星電子、江蘇省張家港に 2.4億ドルを投資したポスコ特殊鋼 、南京に 1.2億ドルを投資した錦湖タイヤ、浙江省嘉興にそれぞれ 1.7億ドルを投資した韓国タイヤと暁星T&C、 南京の LG電子、上海E-MARTなどが代表的な事例だ。 KOTRA中国本部・李ヒョス本部長は、韓国企業の華東 進出パターンに根本的な変化が必要だという。上海は在庫品または斜陽産業の移転地ではなく、最先端製品で 進出しなければならない地域だとして、 IT など高付加価値を新たに作るハイテク産業に力点を置かなければなら ないと強調すると同時に、中国での企業運営においてもこれからは人脈偏重ではなく遵法経営に基点を置かなけ ればならないと指摘した。

朝鮮族の業者は上海に貿易、サービス業、蘇州・無錫などに履き物、衣類、電子など製造業、義烏などには小産 品貿易、サービス業が主流をなしている。 調査によれば、金ウォンジュン理事長が率いる上海トンジングループ、 チョン・ムンキル理事長が率いる上海テクムン実業有限公司、孔ソクテ総経理が率いる上海金石貿易有限公司 、チャン・ドンヒ総経理が率いる上海ドンマ国際貿易有限公司など屈指の企業を含む大規模業者がおよそ 100社 に達するといい、食堂、カラオケ、民宿、食品店、諮問業、不動産斡旋屋、小型製造業者、貿易、物流会社、旅行 社などが約 2千社に達するという。 年間 200回を上回る上海展示経済に支えられ、この分野に携わる朝鮮族業者 も倦まず弛まず増加している。 朝鮮族が現在たくさん携わっている貿易の場合、徐々に完璧な形態で根付いてお り、透明、公開の方向に、ひいてはパートナーとの信頼を構築、一件当りの利益は以前に比べてかなり落ちる状況 だが、総収益はほとんど以前と同じぐらいである。

団結するハンギョレ社会、展望は明るい

華東地域にハンギョレ人口が 10万名を越えるとはいうが、 2億名を越える華東地域では ‘ひとかけら’と言うのが 適切だ。 しかしハンギョレ社会は現地人に広く認知され、浮沈を繰り返し、成長一路を邁進している。

上海韓国商会・李鍾山会長によれば、 1993年に 30〜40社で出発した韓国商会は、現在会員企業が 300社 余りになる。 傘下にゴルフ、 サッカー、テニスなど 17の同好会、同門会があり、普段はこれを中心に親睦と交流が 成り立っている。上海に定住する駐在員も増え、自営業者も増加する趨勢で、大企業や商社駐在員が主体になった 韓国商会では最近、定款を変えて自営業などをする韓国人たちも含める事にし、会費も一般会員には随分と安くし ている。韓国商会が主軸になって現地の韓国人社会を導いており、現地の韓国人と政府関係部署の架け橋の役目 を忠実に遂行している。 現在、韓国商会は自前のホームページを開設し、会員企業の間はもちろん、現地の韓国人 社会で資源と情報を共有し、リスクを最大限に縮めている。

上海や華東地域にはまだ統合的な朝鮮族の団体がない状態だ。 地域別にはよく出来ている所もあり、まだ構成段 階にある所もあるが、総体的に団結しようとする動きははっきりと成り立っている。上海の場合、ドンチョサロンに 10社 余、東方サロンに 30社個、CBMCに 50社余りなどが集まって、それぞれに各種の行事や集まりを持って、交流と 親睦を図っている。それ以外にもサッカーを媒介とした朝鮮族の間の親善をはかっており、最近開催された第4回長 白山杯サッカー競技に、自発的に組職された 8つのチームが参加、今度のサッカー競技責任者であるシン・チャンス さんは経験を土台として徐々に大規模な上海市朝鮮族体育大会に生まれかわることを約束した。 蘇州には朝鮮族 連合会が存在しており、活発な活動を展開、連続 5年間も運動会を開催して現地ハンギョレ社会の発展に大きな寄 与をした。義烏にも朝鮮族連合会が胎動しており、実力業者と幹部たちを中心に活躍している。

また朝鮮族が大挙集まり、ここに朝鮮族の犯罪率が急増するなどの不利な要因も作用し、現地で朝鮮族のイメージ を落しているのも厳然な現実だ。 このような時点で現在、健全な考えを持った朝鮮族エリートらを中心に、朝鮮族の 位相を新しく樹立し、朝鮮族と政府の間の代弁人になることができる合法的な団体設立の動きも見えている。

華東地域の韓国人と朝鮮族も同好会などの形式で交流と親睦が成り立っており、相互理解して尊重する雰囲気が 拡散する傾向にある。

上海韓国商会・李鍾山会長は、朝鮮族と韓国人は単純に物理的な出会いではなく、化学的な出会いが成り立 たなければならないとして、今後の乗り越えなければならない問題点もあるが、いっそう成熟した関係に進むと強調 した。 上海テクムン実業有限公司チョン・ムンキル理事長は、上海でおよそ 20年間生活して朝鮮族と韓国人の関係 が随分仲が良くなったことを体感出来るとしながら、ハンギョレ社会を構成する共同体として相互依存、協力、発展は 不可避だと力説した。

(黒龍江新聞 2005年9月13日)
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