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[経済] キムチ戦争− 20ヶ所で繁盛 … 工場公開? NO!

韓国人運営の 1ヶ所だけが内部公開許諾 … 衛生施設・規模千差万別
注文増えて投資拡大 … 一日 10トン以上生産する大型工場が大部分




中国キムチはどこでどう作られるのか? 中国キムチの衛生設備とシステムを直接確認するため、 7月 31日から 8月 2日まで現地のキムチ工場を訪問した。 できるだけ多くの所を見回りたかったが、 訪問取材を承諾してくれた所はたった 2ヶ所だけだった。

20ヶ所余りのキムチ工場が密集している山東省青島で設備が優れていると予想される上位の輸出業 者 7ヶ所を選び、電話をしたが 3つの業者が “工場を見せたくない”とすぐに断った。 残り 4つの業者の中 で慶林香辛食品代表の金(48・韓国人)さんは “青島ではなく、瀋陽に新たに建てた工場なら見せてあげる” と青島工場の公開を事実上憚った。 青島北部の平度市の農一食品は、社長は訪問を受諾したが工場長が 反対して中止になった。青島空港近隣の鴻青遠食品は初めに工場を見せてくれると言われたので実際に尋ね ると “製造工場は困るので冷蔵倉庫だけ見て行きなさい”と言葉を変えた。 完全にオープンしてくれた所は、 平度市の松徳食品だけだった。

中国第一の農産物集散地

去る 7月 31日、山東省の港湾都市・青島は 30度を越す蒸し暑さだった。高速道路に沿って北の平度に向かった。 松徳食品がある平度市張戈庄までは 1時間の距離だった。 行けども行けども果てしなく続く地平線。 目に見えるの は一面の菜園だ。 道端にはたまねぎが山のように積まれていて、 ‘○○食品有限公司’と言う懸板の付いた工場が 続いていた。その中にキムチ工場もあるのだろう。 山東省は中国第一の農産物集散地で、朝鮮半島より大きい土地 の 60%が農耕地だ。

松徳食品は野原の中に建てられた、大きくてきれいな建物だった。 鄭明鎬(59) 社長は韓国でキムチ製造業をし、今も 忠清南道天安の工場を稼動している。 1日の生産量は 10トン、職員は 100人だ。 職員の月給は残業まですべて合せ ても韓国ウォンで 10万ウォンだそうだ。 天安工場の職員の平均月給が 150万ウォンというから、比べるのもおこがましかった。

工場を見回った率直な感想は、意外だった。 設備や衛生状態、職員たちの服装と勤務態度が申し分なかった。 手洗浄機、エアシャワー、長靴消毒組など衛生設備はもちろん、洗浄機、漬物桶、味付け混合機もきれいな最新 設備だった。 鄭社長は “最近、青島や瀋陽に新たに建てるキムチ工場は施設面で韓国の工場よりましだ。 キムチ の輸出が好調なので、もっと果敢な投資者も出て来た。 中国キムチの品質はますます良くなるだろう”と述べた。鄭 氏の工場でニンニク粉砕設備を別に運営する韓国人・朴さんは “山東省政府は 20種の野菜が入るキムチ輸出産業が、 農産物市場で自動車産業のようなシナジー効果を起こすことを既に見抜いている”として、 “韓国農民だけを意識した 関税率引き上げで中国を刺激すれば、得るものより失うものが多い。 中国に韓国の工産品を輸出すればするほど、 中国の農産物輸入は避けることができない。 それを早く認めて大きくな視点で見なければならない”と語った。



一生を食品事業に捧げて邁進している二人は、よく喋った。 “我が政府はキムチに無関心だ。 私が韓国食品研究員を 尋ねてキムチの流通期限を伸ばす方法がないか聞いて見たら、 ‘外国ソーセージ工場進出に備えてソーセージ研究に 専念している’と答えていたよ。” “日本は去年、中国から韓国の 30倍にもなる 8万トンの冷凍食品を輸入し、それを 加工して輸出している。 しかしいざとなると日本人は自国の農産物を食べる。韓国の食品産業も日本と同じく、 高価な内需市場と低価な輸出市場を一緒に発展させる方法を捜さなければならない。”

鄭明鎬社長は “価格予測が不可能で、高い時は購入さえ大変な韓国の農産物を使いなさいと強要するのではなく、 キムチ業者を支援して恩恵を与えることが韓国のキムチ産業を活かす道”と言いながら “私同様、上は大企業(大手 キムチ業者)から下は中国キムチに至るまで、韓国を背負っている人々に活路を与えなければ、韓国の中小キムチ業 者は早いうちに消えてしまうだろう”と警告した。

鴻青遠食品は青島空港から 20分の距離の工場地帯にあった。 3棟で建てられた工場の職員は 100人、 “一日の生 産量は 15トン以上”という。 工場内部の清潔度は松徳食品ほどではなかったものの、さほど悪くはなかった。 金ヨンオ ク社長は “すみませんが注文した白菜の質が悪く、搬送させるため、今日は工場を稼動しない”として、 “代わりに冷蔵 倉庫だけ見て行って下さい”と言った。 “稼動しないとしても設備が見たい”と言ったが、断わられた。

金社長は朝鮮族だ。 ご主人の朴クァンスさんと一緒に吉林省延吉からチョンククジャン、みそ、塩辛など味付け工場を運営して、 中国の内需市場に供給していたが、キムチの輸出市場が大きくなると見込んで 2年前にここに工場を建てた。 “月売 上高が延吉工場の 2倍を越える 80万〜100万元だ。 供給が注文量に追いつかず、唐辛子粉加工工場を含む 3倍規 模の工場を新たに作っている”という。



ここで生産されたキムチは、青島の南側の黄島港から冷蔵コンテナ船に積まれて仁川港に入って行く。 多くの輸入業 者に渡されるキムチは、通関を経て 3〜4日もあれば韓国の食卓に上ると言う。 “同胞(朝鮮族)たちは淡泊なキムチを 食べるが、韓国では塩辛がたくさん入ったキムチを求める。 私たちは鰯エキスだけ使っている。 初めには韓国の輸入 者が当選行事にも使っていたが、今ではあまりにもよく売れるので、特に販促活動をしていません”という。

金社長と話す間、韓国のラーメンスープ業者・秋さんと青島の南の膠州で野菜農場を運営する韓国人・金テクスン 氏が工場を訪問した。 “中国の農産物の質はどうなのか”と言う質問に金テクスン氏は “土地が広く、肥えていて、 農薬をまかなくても生産力が高い。 実は病虫害による損失分より農薬の値がもっと高い。 中国の農産物が韓国産 より無公害”と語った。

“平均衛生点数 60点以下”

社長の案内を受けて冷蔵倉庫に行った。 倉庫内部には昨日漬けたポギキムチが数百箱積まれていた。 ビニール 包装を解いてキムチを味見してみた。 色、香、食感は新鮮だった。 倉庫を出ると、白菜ごみの山を見つけた。 塩を 積んだ所だった。 近付いて見ると汁が一杯で悪臭が漂った。 “これは捨てる白菜だから写真を撮らないでね”と社 長が阻んだ。 一緒に来た朝鮮族ガイドが小型のデジカメでこっそり撮った。 帰る前に “製造設備を見せてくれなけ れば、韓国の読者たちは非衛生的だといぶかるのではないか”と言ったが、結局内部は見せてくれなかった。

松徳食品や鴻青遠食品の 1日 10〜15トンの生産量は相当な規模だ。 韓国に 500余りのキムチ工場があるが、一 日に 10トン以上の生産力を持つ会社は全体の 14%に過ぎない。 しかし青島には一日 20トン、 月 500〜600トン以 上の生産ラインを持つ工場が、慶林辛食品、ハンエ食品、農一食品など 3ヶ所があると把握されている。 最近、中国 人が瀋陽に建設したキムチ工場妙味食品は “1日のキムチ生産量が 100トン”と言う話もある。 もし事実なら国内最 大規模である宗家居昌工場(1日 90トン)より大きな規模だ。 もちろん一日 1トン未満の生産ラインを持つ工場も多い が、人件費が安いから韓国よりは大型工場が多い。

もっと多くの工場を見回ることができなかった惜しさは大きかったが、仕方なかった。韓国を発つ前、中国の各キムチ 工場にすべて等しく出入りした事のあるキムチ製造設備業者・椛蜩ソ総合機械のチョウ・ヨンテ(48) 営業理事と通話 をした。 10年前から中国に機械を納品して来たチョウさんは “施設面で格差が大きい。 平均点数を付けたら中国キ ムチ工場の衛生設備は 60点以下”と言った。 “キムチ工場で一番高いながらも重要な設備である洗浄機を保有した 工場は、指折り数えるほどだ。 キムチは人手さえあれば作れるわけで、機械が必ずしも完備されなければならない ということはないが、全般的に中国の工場は衛生観念が落ちる。 零細な工場は問題がさらに深刻だ。白菜漬けを 盛った桶で手や服を洗いもする。” チョウさんは “自分達が食べるものではないと思うことから不潔さが始まるので はないか。 私はその過程を見たから中国キムチを食べない”と言った。



  

(週間朝鮮 ホ・マンガブ記者記者 2005年8月18日)
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