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[社会] 中国同胞のアリラン、統一のアリラン(韓国)


▲ アリランナンナンのアルバム表紙

中国同胞にとって 'アリラン'の意味は?

"朝鮮の老人を日本の討伐隊が追って来て、パルチザンはどこにいると言いながら連れて行ったが、 老人は約束した場所に行って、そのままアリランを歌いました。それは合図でした。 ところが遊撃隊たちは 老人が目の前にいたから機関銃を撃つことができなかったのです。それでも老人はずっと呼び続けました。 私の後に日本兵たちがいるから撃ちなさい、私は死んでも良い。 そんな合図だったのです。 結局、老人が一 番先に死んで、その後にいた日本兵を皆殺しにしたのです。つまりアリランは悽絶な日本との戦いで重要な役 割をしたのです。"

中国朝鮮族の間で広く知られた抗日闘争の話だ。 ところが多くの朝鮮族が中国東北地方に暮すようになった わけは何だろうか? それにはいろいろあるが (社)アリラン連合会・金ヨンカプ理事は、日帝が帝国主義勢力の 拡張のために '楽土満州'と言いながら '満州開拓団'を組織し、 3年間開墾して農業をすれば個人所有にしてや ると言った誘引策のためだったと言う。

その時、移住して行った所がまさに今の延辺地域だ。 ところが 1930〜1940年代、中国での抗日闘争はこの移 住同胞社会の助けがなければ不可能だった。 薬品、武器、食糧の調達はもちろん、情報を得るにもそうだった。 だから満州の同胞たちと抗日独立軍とは密接なのが当然だった。

これに気付いた日本討伐隊は、スパイを派遣して徹底的な監視をし、こんな中でアリランは闘争の一武器すなわち、 暗号になったのだ。日本討伐隊と独立軍たちとの悽絶な闘いでアリランがそんな役目をしたという意味において、 中国同胞社会でのアリランはどの同胞社会よりも大きな意味で存在するのはもちろん、特に抗日意識の標榜で、 隣人である漢族に向けても誇らしい歌として歌うことができたと言う。

そんな中国同胞のアリランに、今や私たちが簡単に接することができるようになった。 シンナラ(会長:金ギスン)が、 中国同胞で中国で活発な活動をしてから韓国に入って来て勉強している歌手と演奏人たちが構成した 'アリランナ ンナン' 演奏団のアリランを録音してアルバムを出した。

アリラン連合会・金ヨンカプ理事は、 "今度のアルバム <アリランナンナン>は、こうした抗日闘争の只中にいた中国 同胞たちのアリランの状況を総体的に盛り込んだものだ。物理的に全てを盛り込むことができなかった点が残念では あるが、音楽的にも唱法上でもすべての特徴を網羅出来たと思う"と言う。

このアルバムに入っている曲は <チン(キン)アリラン> <密陽アリラン> <珍島アリラン> <江原道アリラン> <西道アリラ ン> などの伝統アリランとともに <永川アリラン> <慶尚道アリラン> などの 1930年代創作のアリラン、そして <端川ア リラン> <草童アリラン> <冷床苗代アリラン> などの北朝鮮創作アリランとともに、 中国同胞の創作アリランである <長白の新アリラン>まで非常に多層的な性格のアリランを集めた。




▲ アリランを歌う歌手、
金ウンヒ
伴奏音楽はやはり中国同胞の音楽の状況がそのまま盛られた、意味ある編成だ。 改良チョッテ、 改良カヤクム(21弦)、改良ヘグム、改良ヤングムがそれだ。ここにチャンゴ、シンセサイザー、コントラバス が合わさることで、民族楽器と洋楽器の調和をはかり、特有の音色を発揮した。

コントラバスを除く演奏者は全員中国で技量を認められて、 韓国の大学や大学院に留学中の専門演奏者たちだ。 アリランを清雅な声と歌う金ウンヒは、中国民歌唱法と北朝鮮式唱法を駆使する声楽家で、韓国と中国の両国で 認められている歌手だ。

今度のアルバムは、海外同胞の音楽を多様な次元で理解して受け入れる段階を越え、今や私たちの音楽として 編入させる意味深いきっかけになるだろう。 単純に音源による商業的な発想からではなく、同胞音楽人たちに よる演奏と編曲によって国内で企画、製作されたからだ。

また今回のこのようなきっかけが出来たことは、その主題歌アリランだからであるのは勿論だ。 そして私たちの 国楽の難しさとアリランの民族統合的機能を深く理解して支援する 'シンナラ'でなければ不可能かも知れない作業であった。

アリランを歌った金ウンヒ、チョッテを演奏した金ヨンファ、シンセサイザーを演奏した朴ヨンヨンとのインタビューを 通じて、本当に私たちの伝統音楽が好きな純粋な我が同胞の人々という感じを受ける。 また金ウンヒの清くて 清雅な声、玉の流れるようなアリランは北朝鮮の音とはまた異なる美しさを私の胸の中にタップリとプレゼントしてくれた。


▲ アリランを演奏した演奏者たち/左側からカヤクムの金ソヨン、ヤングムのチョン・アギョン、ヘグムの金スンファ

<冷床苗代アリラン>を聞いていると密かに笑いが出る。 "アラリンガ スラリンガ 心配するな 大きな子供の心 も花いっぱい 青い冷床苗は踊るな 大きくなった上の子の 心を揺さぶる" 北朝鮮の創作アリランだと思えない ほど歌詞がおもしろい。 こんな歌を歌いながら苗を植えたら、ちっとも苦しいことはないだろう。

これまで、伝統的なアリランに食傷気味の人も、それでも北朝鮮の歌に拒否感が多少でもあった人も、このアリラン を聞いて見ることを勧めたい。 きれいで清い音色、風変りな唱法のアリランを聞いていていると、何か胸の中にしこり が残ったのがさわやかに抜けるような感じがして来る。

なにとぞこのアルバムを通じて抵抗、一つになること、口惜しく怨めしい心を解いてお互いに助け合うアリラン精神に よって、私たちが一つであることを熱く認識し、 これを土台に全ての同胞が一緒になる大統合の世の中が来たら良いと思う。


▲ アリランを演奏した演奏者たち/ 左側からチョッテの金ヨンファ、シンセサイザーの朴ヨンヨン、チャンゴのユン・ウンファ

"長白山の麓にふわりと日がのぼれば 青い林海は 見渡す限り 誇りときめいてるね
七色団をきれいに広げた 天地の滝の水は この国の江山を美しく飾りつけるのね
アリアリラン スリスリラン アリアリスリスリ アラリが出たな
長白山は ラ ララララララ ラ ララララララ" <白衣新アリラン> 中 1節

歌手、演奏者との本音インタビュー

7月 31日 2時過ぎ、歌手・金ウンヒ、チョッテ演奏者・金ヨンファ、シンセサイザー演奏者・朴ヨンヨンら と胸襟を開いてインタビューをした。

- 中国同胞たちにとって、 'アリラン'の意味するものは何か?

"私たちは幼い頃から '漢族人、朝鮮人、歯を見せてはいけません。合族になりましょう。 合(ハプ)!'と 言いながら遊びを楽しみました。 父にどんな意味なのかと聞いたら、父は '私たちはこの地に住んでいるだけ のことだから、漢族とは同化されてはいけない。 朝鮮人であることを肝に銘じなさいという意味だ'と言われました。 中国の同胞たちは幼い頃からキムチとみそを食べ、アリランを歌いながら育った朝鮮民族です。

アリランはそんな朝鮮民族、 中国の 560万の同胞がみんないっしょに歌うことで皆が同じ民族として一つになる歌です。 それでアリランは 560万の同胞を一つに縛ってくれる紐みたいな存在です。 中国の同胞とアリランは、ですから、 切り離して考えることができないとても貴重なものなのですね。"

- 中国同胞として、そんなアリランを韓国へ来て歌う感慨は?

"私たちは伝統音楽を中国でばかり学んだのではなく、北朝鮮へ行っても学びました。 かと思えば北朝鮮の先生が 延辺に来て直接教えたりします。 そんな私たちが韓国へ来て、南側から発展して来た音楽に接して、韓国、北朝鮮、 中国で別々に定着して来た伝統音楽を一つにまとめる作業ができることに胸いっぱいの自負心と共に、このような おびただしい作業を私たちの手で果してやりこなすことができるかという心配もあります。

しかし敢えてこの事を私たちが完璧にやりこなす自信はないです。 ただ一つの小さな種子を撤く心情で頑張ります。 言い換えれば、私たちのする仕事は、この事の完成ではなく手始めに過ぎないということです。 もっと多くの、そして もっと立派な方々が出て来て、この仕事をもっと発展させてくださるはずだと信じています。"

- 韓国にまで渡って来て勉強をするようになった理由は?

"私どもは朝鮮民族の伝統音楽を勉強しています。 ところがこの朝鮮の伝統音楽を他人の国である中国でより韓国へ 来て学ぶべきだと思いました。 もし両親が支援してくれなかったら、不可能な事でしたね。 ここへ来て感じたことですが、 我が民族は韓国でも外国でも、牛を売ってでも子どもを教えるすごい教育熱を持っているのは、 やっぱり同じだということです。(笑)"


▲ インタビューをして即席で歌う歌手・金ウンヒ


▲ インタビューをする金ウンヒ、朴ヨンヨン、金ヨンファ

- 韓国へ来て伝統音楽を勉強しながら、またアルバムを録音しながら感じたことは?

"中国や北朝鮮では伝統音楽が一番人気があり、それだけの待遇を受けるのに、韓国に初めて来た時、 多くの人々が「お金にもならない国楽をどうしてするのか」と言うので狼狽しました。 しかし徐々に時間が 経つにつれて、私たちの伝統音楽を聞いてくれて、喜んでくれる人が多かったので、とても良かったです。 実のところ、中国では聞いてくれる人が私たちの同胞しかいないじゃありませんか?

江原道アリランを録音する時に感じたことですが、韓国人の指揮の先生が、北朝鮮、中国のアリランを韓国的 な味で指揮をしてくださって、韓国特色の音楽に置き変えました。 私たちだけの音楽が出たと思いましたし、 音楽の統合を試みることで統一に近付く感じは私たちだけが持つことかも知れないです。"

- 中国同胞の音楽人が感じる韓国の伝統音楽に対する考えは?

"韓国へ来て我が民族の伝統音楽を聞くことが出来て、すごく良かったです。 私の土地へ来たんだなあという 感じを全身で受け止めました。 特に、パンソリを聞いて、マダンノリを見ながら、深みのある音楽、 深みのある芸術と言う考えが心の中の深みから湧き出たことを告白します。"     

(oh my news  キム・ヨンチョ記者 2005年8月1日)
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