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[特集] 新世紀、朝鮮族社会の新現象 (2)−朝鮮族老人協会現象

農村では故郷の見張り役、都市では朝鮮族のシンボル、沿海都市では求心点


▲ 吉林市端午祭で公演している朝鮮族老人協会芸術団

改革開放以後、出国、都市進出、朝鮮族農村の解体など、激変の渦にある中国朝鮮族社会で最も組職が よくできていて最も影響力が大きく、最も役割が大きい朝鮮族団体といえば、まさに朝鮮族老人協会だ。

今日、朝鮮族老人協会は、朝鮮族密集地である延辺より散在地域、また都市よりは農村、そして新しい朝鮮族 入植地に浮上した沿海地域で、その役割がより大きくなっている。

老人協会は、防波堤の石をくるんでいる金網のように、激変期の解体危機にあっている伝統基盤の朝鮮族農村 を守り建設する見張り役として、沿海地域と大都市では新たに形成される朝鮮族社会の求心点になっている。

党と国を愛して政治意識が高く、組職の規律が強く、元気な精神文化を高揚し、民族の伝統を受け継いで社会 に奉仕する寄与の精神などは、今日の朝鮮族老人協会の典型として朝鮮族社会はもちろん現地駐留社会で公認されている。

朝鮮族老人協会現象は、新しい世紀の朝鮮族社会の独特の風景として歴史を刻んでいる。

農村編:農業以外、全ての事をする

今日、散在地区の大部分の朝鮮族農村で “老人協会”と言えば、賛辞の流行語が多数出る。

“農業以外、村のすべての事をする”、“若い頃は農村建設の主人、今も心の主人”、“老人協会のない村は 水を打ったように静かだ”、“老人協会に行けば真の共産党員にたくさん会える”。

今年、全国労力模範に選ばれ、吉林省代表として北京へ行った九台市新立村党支部・朴ドクスン書記に、 記者が選出された所感を問うと、当時彼は “この栄誉はまず村の老人協会に捧げる。老人協会を含む村民たち の支持がなかったら不可能なことだった”とためらわずに言った。

通化市のある老人協会会長は “力不足で物質文明の建設はできないが、村の精神文明の建設は私たちの 老人協会が全てやる”と言う。 参謀、後世代教育、家庭教育、家庭和睦、村の環境つくり、恵まれない隣人の 助け合い、文化行事公演...多くの村で老人協会は、直接、村党支部と村民委員会に参加して政策決定に参加し、 参政為政している。吉林市江密峰鎮振興村や九台市紅光村朝鮮族老人協会会長は、村の党支部メンバーとして 政策決定機構に入って行った。

朝鮮族集中村を統括している吉林市金豊村・権キドン書記は “村では難しい事があれば老人協会から乗り出 します”と言いながら、 “何日か後に私たちの村で開かれるようになる東北3省老人ゲートボール競技のすべて の準備はもちろん 10余りの運動場を整備する労役も老人協会で行いました。”と感慨無量だ。

50代から老人協会加入の風潮

金豊村と振興村の場合だけを見ても、現在、農村で朝鮮族老人協会会員の年齢の下限が 50代に下がっている。

これはますます拡がっている老人協会の影響力をよく見せてくれる現象だ。金豊村の場合、 50才以上からは老人 協会に加入することができるようになり、青壮年が基本的にいない村で、辛い仕事まで老人協会で引き受けている。 女性50才以上、男性 55才から老人協会に加入することができる振興村の場合、現在 50代の人が 20名も加入し、 老人協会の 10%を占める。

“現在、農村の中年たちは集団的文化娯楽活動がないので、老人協会に自ら加入して集団活動の楽しさを享受する。 今年だけでも、韓国から帰って来た中年たちのかなり多くの数が協会に加入し、お金も寄付しており、若い構成員が 入って来て協会はさらに引き立ち、さまざまな体育競技で主導的に活動している。”と李チャンギュン会長は紹介する。

現在、朝鮮族老人協会の努力がなければ、多くの朝鮮族村の解体が加速化したはずだ。老人協会は団結した組職 と民族伝統の底力、高い使命感と責任感を持って我が農村を守り、建設している。

特に老人協会には大部分、過去の生産隊時代、村を指導した老党員、老幹部たちが揃っており、高い政治意識と 政策水準、そして村での権威とリーダーシップを持っている。

長い間、散在地区で朝鮮族が最も多い吉林市の民委主任をして来て、今年から 2500人の会員を持っている吉林市 老人協会会長を引き受けている李アム老人はこのようにいう。 “この時代、老人たちは通常の世代より政治的地位 が高く、革命と建設時期の功労が多く、また民族の伝統も身に深くついて民族の使命感と責任感が高い世代だ。 彼らは新しい世代が改革開放の過渡期に革命の伝統と民族の伝統のバトンタッチをしっかりとする上でとても重要 な役目をする。 現在、この役目がさらに必要で重要になった。”

都市編:“シンボル” “参謀” “踏み石”...

散在地区の地域社会で、朝鮮族老人協会は朝鮮族を代表する最も代表的な群衆団体になった。

長春の映画祭や国際博覧会、吉林市の観光祭や広場祭など、政府の重要行事で当地の朝鮮族老人 協会の大型集団舞踊は、既に主な指定種目になっている。 派手なチマチョゴリをはためかせ、何百名、 さらには千名余ずつ一糸乱れなく公演する集団公演は、私たちの優秀な文化と集団の精神を見せてくれ、 現地社会に朝鮮族社会を知らせる生きた広報係になっている。 特に散在地区の都市で瀋陽・西塔のような 朝鮮族集中地域がない都市でお互いに疎通チャンネルのない朝鮮族住民たちにとって、老人協会は唯一の 疎通紐帯になっている。

朝鮮族老人協会は、後世代の民族言語教育から伝統教育、道徳教育、公益活動、朝鮮族青年間の婚姻、 朝鮮族の各種社会文化活動で主役になっている。 ここの朝鮮族活動は、老人協会と朝鮮族学校の集団参加 がなければ不可能だ。

県の中核都市の老人協会の場合、政府と朝鮮族社会を繋げる役目が強い。 吉林市の模範老人協会として 表彰を受けた県中核都市の老人協会の場合、 20人余りの会員は県級と局長級の幹部だった方々だから、 経歴や能力でこの地域の朝鮮族社会の指導者たちがすべて集まったわけだ。 その上で近年に散在地域が 縮小する中、これに対する “知能団”の役目がさらに重要になった。 こんな人脈の強みと能力を利用して市の 朝鮮族老人協会は、当地の朝鮮族教育、農村など朝鮮族社会の懸案を調査研究し、適時に市のリーダーたち と該当の部門に反映している.

沿海編:びっくりした運動大会

沿海地域で威海老人協会の話は実に典型的だ。

この話で私たちは朝鮮族老人協会が、朝鮮族の新しい移住地域である沿海と大都市で、朝鮮族社会形成と 発展にどれだけカギとしての役目を果たすかを窺い知ることが出来る。

かつて、威海で朝鮮族老人協会の宣伝を担当した権リョンウン老人はこのように回想した。 1996年のある 日、子どもに連れられて黒龍江から来た何人かの老人たちは、花札遊びをしている途中、誰かの提案で小 さな組織を作った。 後に何十名かになると、正式に政府に申し込んで朝鮮族老人協会を設立するようにな った。 そうしたある日、また誰かが提案した。威海に朝鮮族もたくさん集まっているのだから、会員が子ども たちや家族が参加する運動会を一度開き、お互いに顔もなじんで交流もする集まりを作ってはどうかというも のだった。ちょうど子の家に遊びに来た李イング老人が体育教員の出身だったので、開催を引き受けた。

最初の運動大会の日、老人たちはびっくりした。 威海の各地と多くの団体、街から老若男女を問わず集まっ て来た朝鮮族で運動場が一杯になり、夜遅くまでさまざまな運動競技で歓楽に酔い痴れたのだ。これは威海 市初の朝鮮族の大型行事だった。 この時から威海では、老人協会は運動会, ユッノリ、 “3.8節”などの朝鮮族 行事の主催団体になった。 “子どもたちが普段各自が自分の事業のために忙しいので、老人たちが率先し、 子どもたちが後援しています”と権老人は回想する。 結局、李イング老人は、運動会をきっかけに老人協会会長 になり、現在 200人の会員に発展した。

朝鮮族社会を引き継ぐ最大ネットワーク

老人協会の会員たちは、お互いに結婚、還暦、子供の一歳の誕生祝いに通って朝鮮族の集いを開催、裁縫針 のように行き交いながら、お互いに知らずに過ごした朝鮮族社会の構成員を繋いでいるのだ。 子どもたちがお 互いに知り合い、その子供達の友達がまた知り合うようになり、その家族たちが知り合いになりながら、朝鮮族 社会がさらに拡がる効果を生み出したのだ。

烟台老人協会・孫イクキュ会長によれば、現在、烟台老人協会だけでも会員が 300人おり、女性 55歳、 男性 60歳から加入している。 老人協会が主催して体育大会、文芸会社、婚姻紹介などを展開している。 また民族 言語をいかし、朝鮮族学校をいかすために孫・孫娘朝鮮族学校送出運動も展開している。 現在、烟台朝鮮族 老人協会は、烟台市の各種主要行事に指定種目として集団公演に出ており、山東省少数民族文芸競演で金 賞ももらうなど、山東半島での朝鮮族社会の歴史を新たに刻んでいる。

朝鮮族老人を対象とする専門雑誌 “老人世界”の責任者であるリュウ・オクチョル老人は、多年間全国の朝鮮 族老人を対象とする雑誌を発行して来ており、朝鮮族老人協会の底力と役目を巨視的に肌で感じて来た人物だ 。 毎年、発行会議の時には朝鮮族がたくさん住んでいる各沿海都市を含む 60ヶ所余りの所の老人協会の責任 者たちを招待するが、各号ごとにすべての地域から、代表が一人も抜けることなく参加するというのだ。

いうなれば、現在の朝鮮族老人協会は全国朝鮮族社会を繋ぐ唯一のネットワークと言える。

宿題: 老人協会支援の窓口と施策作りの要請

老人協会の発源地である延辺朝鮮族自治州の場合、老人協会は半官半民組職で政府による幹部の任命と 財政支援などが正規に行なわれている。 しかし散在地域の場合、主管が現地民委や朝鮮族総会などの場合 か、ハルピン朝鮮族老人文化協会のように文化局の場合があり、農村では党支部が指導している。 全体とし て、自発的に設立され、主管団体が統一的に指定されていない。

これによって政府の財政支援がない状況で、老人協会の経費難問題は主要な問題になっている。延吉市吉興 村や瀋陽満融村のように一年の老人会経費が 20万元である村があるかと思えば、村で老人店を経営するとか 企業家たちが後援をする方法で経費を解決しているが、これといった対策はない。

盤石市老人協会の場合、政府と企業家の後援で協会の建物を建てた後、唐辛子粉、みそだま麹、飴売り、そし て延辺リンゴ梨販売などで協会の経費を幾万元ずつか調達したりする。

しかし老後の保障がなく、農村出身であるかなり多くのろう陣たちは、子どもたちから僅かばかりの小遣いを貰っ て生活しているのが問題だ。 ひと月に 5元ずつ、形式的に徴収する協会費も出すことができない老人たちが多い。. 現在、国家も老齢化社会に移行しつつあり、老人事業の大切さを強調しながら対策を立てているが、まだ専門的 な財政支援策が出来ていない状況だ。

現時点で、我々朝鮮族社会は老人協会の重要な役目を再度認識し、社会各界が老人協会に対する物心量面の 支援をより積極的にしなければならないと思う。 企業家たちは老人たちが行事の時ごとに支援を求めた場合、 一、二回のお世辞で終わるのではなく、より長期的で効果のある経済的支援方案も用意する必要がある。

かと思えば長春市老人協会・蔡ギュオク会長は、次のように耳打ちした、。老人たちの社会的寄与は提唱すべ きことではあるが、また度を越えてはならない。 老人協会の主要な役目は主人公である老人たちのために奉仕 する団体として、老人たちの晩年の楽しみが重点にならなければならない。 あまりにも社会的寄与を強調すると 、まだ経済力や各種の条件が不足している老人たちに心身上の負担になる可能性があることも念頭に置かなけ ればならない。   

(吉林新聞 ハン・ジョンイル記者 2005年6月25日)
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