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［社会］　海蘭江が泣いている 　　 尹海栄が作詞、趙斗南が作曲した ‘龍井の歌’(“先駆者”)は朝鮮族がよく 歌う歌だ。 <一松亭の　青い松は　年老いてゆけども／ 一筋の海蘭江は　千歳にわた り流る。／過ぎし日川辺で　馬を馳せし先駆者／ 今はいづこで　深き夢を見るか。 .......> 歌は昔の満州で日帝と戦って倒れた抗日闘士たちの魂を慰めて満州地域に 住む朝鮮族同胞たちが先烈達を追慕する意味深長な歌だ。 それほど海蘭江は朝鮮族 にとって ‘母なる川’なのだ。 幼い時、柳がそよぎ豊かな水をたたえた海蘭江、母や姉の洗濯の音が豊年を急き立て るかのように平崗平野にあふれた川だ。小学校の子供たちの小さな手まで濡らし水辺 を包んだ海蘭江が、汚染により 3万人の八家子住民の水道水の供給が 50日も途絶えて しまった。 この衝撃的な事件で、皆が慨嘆せずにはいられなかった。今のところ他 の水源を求めることができない八家子鎮では、消防車を動員して西城から水を運 び、住民たちの生活用水として供給する。 今日、地球上のあちこちで飲料水不足が 起こっているが、私たちの海蘭江が惨憺たる現実を迎えるようになったとは、あまり にも意外だ。 続けて何日か降った雨で、海蘭江が増水し、八家子上水源地に流れこんだ。 水道水を飲んだ住 民たちが下痢と嘔吐症状を見せると、八家子の役所では急いで 省での水質検査を行った。 省の該当部門で水質検査をした結果、大腸菌が基準値をはるかに超え、飲用不可の 判定が出た。今度の事件は、今後、海蘭江の水を水源とする海蘭江沿岸の住民た ちと家畜の給水問題が深刻であることを示唆している。 しかしそれに相応した対策作りは出来ていない。 市政は家の建設と道路の補修拡張にばかり気を取られている。 私たちが 生きて行かなければならない環境資源で、後代に残さなければならない海蘭江が、汚物に なって流れているのに、2ヶ月以上経っても何らの対策もされていない。もちろんその責 任は、海蘭江に廃棄物と工業汚水を放出する工場だけに全て押し付けることはできない。 政府 と該当部門で相応した対策が行われなかった責任も問われなければならない。 八家子の住民は 50日間も早い夜明けからバケツを持って道端に並んでは消防車が 運んで来る生活用水を汲まなければならない不便を経験した。 住民の 家事 に水を汲むことが加わったことはさておくとしても、これからの上水源に対する心配で たまらない。 村の裏手の田に井戸掘り工事をしてみるが、お金ばかり浪費して成果がない。 住民たちの苛立たしい目つきが物悲しい。 対策のない政府や環境保護意識のない住民 が小面憎いのは同じだ。 海蘭江の汚染は和龍で始まったが、八家子の住民たちの環境 保護意識も問題であるに違いない。 八家子を通る海蘭江のほとりには、板で作った トイレがぎっしりと並び、生活ごみが水辺を汚している。海蘭江を上水源に使う和龍市は、何年か前に 水源を松月貯水池の水に変えた。 海蘭江下流の龍城、土山子、八家子と龍水坪、東城、 龍井では海蘭江の汚染した水を飲むことができない状況だ。 しかし 2ヶ月過ぎても何の後続措置もない。 私たちの海蘭江が環境保護意識のない政府と住民たちによって腐って行く。木 をすべて切り取ってしまい、石炭と鉱山もすべて掘り尽してしまい、さらに母の乳腺のような 海蘭江さえ汚物になって流れている。その昔、海蘭江のほとりで川の水で沸かした ‘三寸の湯’も、もう伝説になってしまった。草の生い茂った海蘭江のほとりで 砂の塔を積んだ子供達も、今はいない。 我が目の前には ‘千年を経た’ 赤肌汚水 だけが ‘荒い’ 息を吐きながら流れているだけだ。 　　 （延辺通信　２００５年６月２２日） Copyright(C) 朝鮮族ネット