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[社会] 韓国人の観光で破壊される白頭山


▲豆満江辺、往復4車線道路の工事中(写真:イ・ユジン)

白頭山。その名の前に私たちは粛然とする。火山で独特の生態を有する白頭山は、 1960年、中国政府によって自然保護区に、1980年にはユネスコによって生物圏保全地域に指定された。

2001年春、豆満江生態調査のために豆満江下流から白頭山に向けて歩いてから10日目、 豆満江の発源地白頭山に到着した。白頭山を歩いて上る道。どきどきする気持はいつのま にか恐れ多い気持に変わった。白頭山は裸になったまま山の尾根と山なみのあちこちに白い 包帯をくるくる巻いていた。天池のある頂上まで2車線の舗装道路が通っていた。

延辺空港で降りて車に乗り、まっすぐに白頭山に向けて走れば、天池のすぐ下まで履き物に土一つ 付けずに到着することができる。車から降りて天池まで上る時間はわずか5分。汗一滴流さずに ハイヒールを履いてでも海抜2744mの白頭山頂に上れるということだ。夏場には一日に4千名前 後の観光客が群がって来る。押し寄せる観光客によって白頭山天池周辺の草は皆消え、荒地に変わっている。

スキー場、ゴルフ場など乱開発により、病気に

今、白頭山を一番深刻に破壊しているのは、まさに‘観光’である。延辺自治州は、白頭山観光 を基幹産業にするため、1億7千万元を投じて観光地帯造成、延期辺朝鮮族民俗苑などの施設 を揃える計画だ。このなかで最大の規模が、観光ケーブルカーの建設事業だ。外資1億元を投入し て1700mと900mのケーブルカーを架設するという。

外資の出処は、韓国だ。白頭山観光で外国人の割合は40%であるが、このうち90%が韓国人だ。 延辺自治州は公に韓国観光客誘致のために白頭山豆満江連繋観光開発をすると発表している。 最近は2498億ウォン元を投資する温泉とスキー場開発を含んだ観光団地開発事業を発表した。

毎年多くの韓国の人々がツアーを通じて白頭山を訪問している。旅に出ても余裕のあるところを捜す ことができずに‘早く早く’を強調する私たちの要求に合わせ、延辺自治州の空港も白頭山の近くに建て、 道路も拡張する計画だと言う。既に豆満江上流の奥深い原始林にも観光バスが通う道が出来ている。 白頭山の生態系が無分別な観光で崩れているのだ。


▲白頭山頂上の駐車場(写真:イ・ユジン)

韓国が白頭山破壊に対する非難を免れないもう一つの理由は、長白滝からわずか300mの距離にある 長白山大宇ホテルが、白頭山に建築廃棄物を不法に埋め立てた事実による。中国の自然保護区管理法には、 保護区内の建築物は許可が出ず、発生したゴミも保護区外の処理場に移して処理するように規定されている。

家で暴れる鳥は、鳥かごの外でも暴れるというが、私たちの国内旅行の方式が外国に出ての観光形態にも そのまま適用されている。我々の旅行文化を振り返れば、外国での韓国人の観光形態は目に浮ぶ。秀麗 な景観がある所であれば間違いなくホテルとモーテルが立ち並び、自然そのままを感じるよりはゴルフ場、 スキー場、温泉が山腹を切り裂く。週5日制が導入され、全国の地方自治体が先を争う観光開発による乱 開発につかれ、病気になってしまっている。この方式がそのまま金剛山で、また白頭山で再演されているのだ。

白頭山の真の価値が見られない旅行

'愛すれば分かるようになり、分かるようになれば見えると思ったら、その時見えたものは、以前とは違うものだった。'

朝鮮国、正祖の時代、兪漢という人が書いた文だ。ユ・ホンジュン教授が'私の 文化遺産踏査記'を通じて紹介し、有名になった文章だ。

韓国人たちは‘白頭山’という単語だけで心ときめき、いざ白頭山を登るとなると、上る意味も分か らないまま、白頭山の腰を切り裂いて作られた道路の上を走って簡単に頂上に上がり、天池 だけ眺めて写真を撮って下りる。白頭山は私たちの国土の根幹を成す白頭大幹(山脈)が始 まる所だ。白頭大幹は‘白頭山から始まった大きな山なみ’という意味で、白頭山に始まり、 金剛山、雪岳山、太白山を経て智異山にまでつながる我が国の中心の山なみだ。

‘白頭山’に対して抱いているときめきほどに白頭山を大事にするのであれば、私たちの観光形態 がむしろ白頭山の素顔を破壊しているということ、そして私たちが車に乗って上り、頂上ばかり眺め る天池だけでは、むしろ白頭山の真骨頂の百分の一すらもまともに感じることができないのだというこ とが分からなければならない。旅行は目に見えるものが全てではない。人が住んでいる所、自然がある すべての所で共に共存するための原則を、また振り返らなければならないだろう。


▲美しい白頭山の風景(写真:イ・ユジン)

    

(女性主義ジャーナル'イルダ' イ・ユジン記者 2005年4月19日)
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