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[教育] 中国朝鮮族の歴史教育、その代案はどこに

龍井市の関係者の見解を聞く

中国200万余りの同胞社会で、龍井という地名は疎くないながらも疎く感じる朝鮮族たちが恐らく多いものと 推察される。特に青少年はもちろん、40〜50代の少なからぬ中壮年もこの由緒深い龍井をよく知らないのが今日の現実だ。

延辺朝鮮族自治州龍井市は、現在の人口が約25万名余。なかでも朝鮮族が約18人余り(全人口の約67%を占める)で、延 辺で朝鮮族が一番多く住んでいるこの地域で、過去に何が起ったのか?一言でいえば、過去、龍井は中国朝鮮族の教育 、文化の中心地であり、反日運動の中心地であり、解放の後にも幾多の朝鮮族の政治、文化、教育など諸般分野の人材 を輩出した地域だ。また龍井は日本帝国主義が東北3省を足場とし、さらに一歩進んで中国全域を掌中に収めようと、 領事館まで立てた地域だ。それでこの街には‘万歳墓地’と誇らしく呼んだ‘3.31’反日義士墓所、民族教育に身を 投げた李相と‘瑞甸書塾’遺跡、著名な反日愛国の詩人・尹東柱が生まれた生家と勉強した大成中学校、 15万奪取事件遺跡地、‘5.30暴動’指揮部、安重根義士訓練遺跡地等々、数え切れないほど多くの遺跡があり、 反日活動家・金躍淵、北路軍政署司令・金佐鎮、女流作家・姜敬愛、詩人・沈連洙等々の知名人が活動した地域 こそが龍井であった。また民譚口述家・黄クヨン、朝鮮族の首領・朱徳海、郷土伝説家・金昌傑、全国労働模範・ 金シリョンなども皆、龍井で生まれ、龍井で活動した傑出した偉人だった。また中国科学院で唯一、朝鮮族院士 の一人である姜景山など少なからぬ科学者、文学家、詩人、教育家らも龍井で生まれた。

しかしこれほど歴史が悠久で朝鮮民族の反日運動の中心地、教育啓蒙の中心地、文化の中心地と位置付け られる龍井の歴史は、いまだに延辺朝鮮族自治州はもちろん、中国朝鮮族社会に広く知られることができない。 なおさら日本が敗戦して光復60周年になって、また尹東柱逝去60周年になる今日、追悼行事にはつい最近、何人 かの有志たちだけ参加した現実に対して、龍井3.13記念事業研究会会長の崔根甲氏は、朝鮮民族の歴史に対 して深い重視が伴わないのが問題だという。一人一人が、自分の民族の歴史をまともに理解なければ、どんなに 自分の民族を愛し、一歩進んでは国を愛するようになるか?正しい民族観を形成しようとすると、必ず正しい 歴史観すなわち我々の先祖がこの地でどのように暮して来てどのように反日武装闘争の道から今日に至るまで この地を熱心に切り開いて来たのかを理解しなければならない。こんな正しい歴史観を子々孫々受け継ごうと するならば、単純に民間次元で推し進める問題ではなく、教育分野、歴史研究分野、さらには政府次元で推し 進めなければならない。民間団体はもちろん、教育分野では当然に実事求是的な歴史遺物主義の原則によって 歴史発掘を持続的にして行かなければならないだけではなく、現在発掘された歴史遺物や人物たちも後世に知 らせるために、最善をつくなければならないというのが、崔根甲会長の見解だ。

龍井市老年事業委員会副主任である李ウンハク氏は、朝鮮族歴史教育に対してこのような見解を出した。悠久な 歴史を持っている中国の満族が、今は自分の言語文字さえ喪失した状態だ。中国において朝鮮族は弱小民族だが、 朝鮮族の言葉と文を失わずに、また持続的に言葉と文を幼い時から教えているから幸いだ。しかし朝鮮民族の歴史 は、最近に来て補助的な教科書に採択されており、入試中心の教育で、教員はもちろん学生たちも歴史教育にそっ ぽを向いているのが現実だ。だから必ず政策的に歴史教育に対して教育部門で深い重視に向けて措置を取らなけれ ばならない。李ウンハク氏は自分が幼い時に、教科書で既に安重根など反日闘士たちを勉強するようになったが、 こんな歴史は今の教科書で捜すことができない。こんなことでどうして後の世代が朝鮮族の歴史を知ることが出来 るのか?たとえ今日に来て、このような歴史教育現場の雰囲気が本格的に形成されることが出来なくとも、この老 年事業委員会では、毎年毎に定期的に学生たちを組織して歴史遺跡の探訪を企画していたと言う。

自分の言語が分かれば歴史が分かるということを、ハングル愛読者協会会長・金在権さんは強調してい る。長年の間、政府次元の支援により少なからぬ歴史遺跡が発掘され、また対外的に開放されているが、 歴史を知ろうとするなら、言語文字教育を特に重視しなければならない。彼は毎年毎に何千元ずつ負担して 図書館を持続的に運営し、また歴史の本をずっと発行しているのに、後世代たちに朝鮮民族の言語と歴史、 民俗を知らせてあげることだけ考えれば、満足だという。現在、龍井で‘一松亭’叢書が出版されているが、 出版部数が少な過ぎて限界があるのが現実なので、本当に切ないそうだ。しかし今毎年、延辺の郷土を中心に 百ページを5年間ずっと書きながら、歴史の教育の場を作るために努力をしているという。今、延辺朝鮮族自 治州に博物館もあるが、その利用率が低調で、また龍井にあった日本領事館も今開放しているが、反日教育の 場として訪ねて来る人が実に少ない方だと言った。

一民族の歴史は、他の民族が守ってくれることはない、と‘一松亭’叢書の主筆・李テス氏は言いながら、 ‘一日も早く学生たちに歴史教育の場、文化教育の場、民俗教育の場を用意して、持続的に広げて行き、私が 一体誰でどうして勉強するか?私が将来大きくなってどんな人に育つのかと言うことを、自ら分かるように しなければならない.’と語った。

現在、少なからぬ朝鮮族指導者、特に若い朝鮮族公務員たちが朝鮮民族の歴史をよく知らないのが切ないと 有志たちは説明している。前任龍井市文化館館長だった李グァンピョン氏は、89年度から3.13反日義士墓所 の発掘整理を始めながら、当時、政府次元にて記念碑的な遺跡地に指定されたものの、まだ資金難や土地な どの問題にいろいろな困難が少なくないそうで、主体民族である漢族が朝鮮族の歴史をよく知らないことも あるので、説得力をもってリーダーたちがよく説明してやらなければならないと言った。多くの学者、教授、 有志たちは、龍井の歴史は、まさに延辺朝鮮族自治州の歴史の一つの軸として、民間団体だけではなく必ず諸 般の社会で深く重視されなければならない問題だと指摘している。   

(黒龍江新聞 ユン・ウンゴル記者 2005年4月13日)
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