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[社会] 伝統が色褪せる正月文化



我が朝鮮族の正月文化は、韓民族の悠久な民俗と中国に伝わる民俗が相互に影響・調和して 出来たものと見られている。正月になれば老若男女、貧富貴賎の区別なしに手を止め、 各地に住む一家親戚が故郷に集まって来て、親たちに歳拝をし、先祖に儀式を執り行ないながら 一家団欒の雰囲気束で新しい一年の幸福を祈った。しかし去る90年代以降、海外に出稼ぎに出た 離散家族の急増、他民族との同化が進み、固有の正月文化がますます色褪せている。

歳拝とその意味

昔から我々の先祖は、正月一日には歳拝で親たちに新年の初挨拶を申し上げたが、 いつの頃からか、この美風良俗が私たちから徐々に遠くなり始めた。調査によれば、今年の旧暦正月、 農村の老人が住む一部の家庭では儀式を執り行なったが、都市では殆ど見られなかったこと、 歳拝も都市よりは農村で、老人の住む家で行われたという。少なからぬかずの青年、中年層は、 儀式が何であるかも分からず、歳拝も近い親戚らが集まった一部家庭のみで行われ、新年の挨拶 よりはお年玉に対する関心がより大きかった。

牡丹江市の某小学校に通うキム・ヨン君は、“家にお爺さん、お婆さんがいらっしゃるので毎年歳拜 はするが、どうしてするのかよく分からない”といい、最初はお兄さんがするのを真似たが、お年玉を もらってからはそのために毎年しっかりすると打ち明けた。

今年25歳になる海林市の朴さんは、お爺さん、お婆さんがいらっしゃる時には、お正月ならば一家が 順番に帰って歳拜をし、ある日にはお年玉だけでも1000元を超えたと言う。しかし“お婆さん、お爺さんが 亡くなってからは、歳拝をさせる人も受ける人もいない”として、お年玉を貰う楽しみも消えたと、とても残念がる。

ハルピン市の某事業グループに勤める李さんは、長年間、歳拝を殆ど知らずに過ごしたという。舅、 お母さんがすべていらっしゃるが甥っ子たちも歳拝のやり方が分からないという。 実家が佳木斯市郊外にある彼は、お婆さん、お爺さんが早く亡くなり、親が若かったので、 幼い頃から歳拝を知らないまま育ったという。

阿城市のある村が調べたところによれば、親戚が集まればお年玉が負担になり、若者達は除いて 子供たちにだけさせるという。若者達も隣りの老人達に挨拶をしに通うが、歳拝はせずに代わりに果物や お酒を持って行くとのことである。

忘れられる伝統の遊び

農業が主な生業だった我々の先祖は、年始になると新年の豊作を祈って、ユッノリ、 板跳び、凧揚げ、ドンチギなどの民俗遊びを行った。お正月に一番盛んだった民俗遊びは ユッチギだったが、今度の正月に大部分の家庭ではユッチが見られず、花札で遊ぶのも珍しく、 代わりに麻雀やトランプが盛んだった。

依蘭県のチェ・ミョンオクさんを通じて村の情況を調べたところによると、正月にカラオケ形式の家庭娯楽 や花札をたまに開けてユッノリはやらなくなってから長くなるという。つい何年か前でも同じ年齢の 子ども達が集まってユッチギやファトゥノリに熱をあげたが、今はどこも市内に出ている人がいなくて、 うら寂しいばかりだという。

ハルピン市の某中学校教員である金さん(40歳)は、「ユッチギをしたのは随分前だ」 「家族が多くないから、こんな遊びをするようにはならない」という。 5人兄弟の三番目である寧安市の朴さん(50歳)は、親が亡くなってからは兄弟が外国に出たり、 沿海都市に進出したりしており、5-6年ぶりになぜか今年は正月に席を共にするようになったが、 皆、嬉しくなってユッノリをした。とても楽しく、永遠に忘れることはないだろうといった。

トックの代わりに水餃子

我が民族の正月料理は、一般的にトックである。都市の大部分の朝鮮族は、他民族に影響されて 大晦日に水餃子をこしらえて食べても、正月一日の朝のトックにはあまり関心がない。 60代以上の 両親がいる農村の家庭では、それでもトックを知っているが、昔のきじ肉汁ではなく、牛肉スープをたくさん 沸かして食べている。 .一部では食の習慣は残っていて、少なからぬ人が鏡餠や中秋の餠(ソンビョン)、スンデなどの伝統の 食べ物は食べるが、自分で作る家は極めて珍しかった。

儀式、歳拝などを通じて、血縁共同体の紐帯を強化して来たお正月は、先に死んだ祖先の神と 生きた子孫が一緒に楽しむ大きな節日であったのだが、時代が変わって伝統民俗が日に日に褪せて 行く今日に来て、その意味も変わり、ただ緊迫した日常から一時的に解放される日になって行くようだ。

(黒龍江新聞 キム・チュンヒ記者 2005年2月18日)
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