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[社会] 朝鮮族強制出国、新たな不法滞留生む

“追い出すだけでなく...中国で一人立ちが可能になるようにすべき”



今年は光復60周年になる意味深い年だ。

特に昨年は中国の東北工程と日本の教科書問題、これを取り巻く歴史歪曲など、社会的なうねりが大きな時点で、 光復60周年の感慨と意味はますます深い。 ここで我々はこれを共にするべき人々を忘れている。

朝鮮族だ。

これまで、お互いに対する理解と関心不足で、葛藤と不信の谷間が深かったことのも事実である。 アップコリアでは不法滞留朝鮮族の実態と今後の解決策、合理的共存の方法などについて企画連載する.../編集者註

朝鮮族の不法滞留が日増しに急増している。 政府は強制出国で対応するが、結局は彼らの再入国と不法滞留のみを生んでいる。 またこれらの不法滞留を悪用する事例も増加し、被害者も増えている。 そのため、政府の強制出国措置では不法滞留の悪循環を断ち切ることができないという声が高まっている。

不法滞留による弊害

朝鮮族たちが韓国へ来る方法は、雇用許可制、親戚訪問、留学、観光、密入国、国際結婚、公務入国など多様だ。 これらの大部分は、韓国へ来るためにブローカーに1,000万ウォン位の借金をする。 このお金を返すために最小2年以上の時間が必要となるため、苦労して韓国に入って来た人々としては不法滞留を犯すようになる。

朝鮮族たちは不法滞留という身分的弱点を持っているため、一部の悪徳雇用主たちによって賃金不払い、 女性の場合はセクハラにあうなどの人権侵害を経験することもあるという。 また産業災害や犯罪の対象になり被害にあっても、不法滞留の事実が発覚するのが恐ろしくて隠す場合も多い。

始化工団の自動車部品製造会社に通っているチョンさん(男/42歳,黒龍江省出身)は、 「前の会社で滞った月給と退職金をくれなかったが、不法滞留だと出にくい」 「雇用許可制が施行された後は、取り締まりが強化され、このようなケースは数多い」という。

不法滞留の身分である場合、病気にかかっても問題が大きい。 1999年、親戚の招きで韓国へ来た金さん(女/47歳,吉林省出身)は、2002年に滞留期間が切れたが、現在も不法滞留の状態だ。 金さんは心筋梗塞で健康状態が深刻だが、病院を訪ねるのが億劫だ」「強制出国に遭わないようにするには仕方ない」という。

彼らの韓国滞留の理由

彼らがあらゆる差別と冷遇を受けてもなお韓国へ来ようとする根本的な理由は、朝鮮語と文化を維持していたからだ。 1870年前後、朝鮮民族は独立運動と生活苦、日本による強制移住によって 鴨緑江や豆満江を渡るようになったが、満州(東北3省-吉林省,遼寧省,黒龍江省)で農業をしながら暮すようになった。

ところが1990年代、中国の改革開放と産業化により、朝鮮族は農業だけでは暮すことができなくなった。 都市に出て働き口を求めなければならなかったが、彼らには技術もなく、何よりも中国語が堪能ではなかった。 唯一の道は韓国に出て労動をすることだった。 さらに1992年の中韓修交で、彼らの韓国行きは加速され、韓国に行って来た人々の成功談は、彼らをさらに駆り立てるようになったのだ。

絶えない不法滞留

朝鮮族が不法滞留をするようになる理由は、韓国に入って来る時に1,000万ウォン位の借金をするからだ。 それで韓国に不法滞留者として残りながらも、少しでもお金を稼いで行きたいと思うようになるというのだ。

朝鮮族教会で会った朴さん(女/36歳,吉林省)は、「韓国に入って来て多くのお金を使ったから、 最小限それ以上のお金を稼がなければならない」という。 彼らが韓国で仕事をすればお金をたくさん受け取ることができ、中国へ行けば同じ仕事をしてもお金は僅かしかもらえない。 こんな状況では、中国に行ってもまた再入国し、不法滞留の悪循環が繰り返されると専門家たちはいう。

徐京錫牧師(ソウル朝鮮族教会)は、これと関連して、「不法滞留者たちを追い出してさえいれば 問題が解決されるというものではなく、彼らが自立できる与件を用意してあげなければならない」 「不法滞留の悪循環を切るためには、彼らに各種の技術など職業教育をさせ、中国に帰る時に一人立ちが 出来るようにしなければならない」と強調した。

(アップコリア キム・チス記者 2005年2月15日)
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