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拉致被害者を追い詰めることしか考えない日本の政府・マスコミ [2008.06.28]  


米政府が北朝鮮の核申告に合わせ、テロ支援国指定の解除手続きに入ったのと平仄を合わせるように 日本政府も経済制裁の一部解除に向けて動き出した。これに対して、マスコミの反論は総じて冷ややか なようだ。政府内部にも一部解除の方針に反発する向きが多いという。

肉親を一方的に奪われたまま返してもらえない被害者家族たちの心情は、もちろん痛いほど理解出来る。 北朝鮮憎し金正日憎しの感情がとめどもなく沸き起こるのも、人間として当然のことだろう。 しかしながら、感情論から直接導き出される対応が事態打開のための最善の対策であったことは、人類 の歴史上においてもむしろ非常に少なかったのではあるまいか。本当に拉致被害者を早く助け出したい のであれば、冷静かつ緻密な戦略が望まれる。

経済制裁の延長が開戦を視野に入れたもので、開戦して勝てば、イラクやアフガニスタンのように 米国側の望む形は作れるのかも知れない。しかし北朝鮮の場合、核戦争だけは絶対に受け入れられない という日韓両国民の譲れない立場がある以上、経済制裁の延長上に開戦カードを置けないことは暗黙の 了解事項だ。

北朝鮮に限らず、キューバの例を見ても、ひたすら経済制裁だけを続けることが局面打開につながらな いことは、既に歴史が示すところ。ましてや北朝鮮の場合、中国・ロシアとの貿易が急増している昨今、 いくら日米が経済制裁をしたところで経済制裁にならず、痛くも痒くもない。

むしろ経済制裁は、北朝鮮にとって拉致被害者の「人質・最後の切り札」としての重要性を高めるだけ のことであり、拉致被害者返還の可能性をますます低くするものになる。それだけでなく、もし本当に 困窮すれば、追い詰められたイスラムゲリラのごとく「何月何日までに制裁を解除しなければ、拉致 被害者を殺す」などとやり出さないという保障もない。そうなってしまったら、日本政府は一体どうす るつもりなのだろうか? 開戦を視野に入れない経済制裁の愚直な継続が、拉致被害者の立場を苦しく し、生命の危険すら招くことになるのだ。これではいくらやっても逆効果以外の何物でもない。 現に、20年間続けて来た経済制裁が、何の結果も引き出せていないわけで、今後さらに20年30年 続けても、同じことになるのは容易に想像がつくことだろう。

拉致被害者を一日も早く救いたいのであれば、むしろ太陽政策を推進し、北朝鮮と国交を結び、巨額の 投資を行い、徹底的に北朝鮮を豊かにすること以外に選択肢はない。北朝鮮国民が資本主義に目覚め 権利意識が高揚し、海外の情報が洪水のように入れば、金正日政権はチャウシェスク政権の如く自然に 打倒される。そうなる以前に、拉致被害者を人質として置いておく必要性はどんどん低くなって行く。 北朝鮮の経済成長如何では、10年以内、いや5年以内の返還も可能になって来るだろう。

歴史の教訓に学ぼうとせず、「押してもダメなら引いてみな」という単純な発想すら持ち得ないのが 日本の政府・マスコミの愚かなところだ。
(流動市民)

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