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東北アジア時代と中国朝鮮族 [2005.11.13]  


冷戦終結後、東北アジア地域では新たな国際協力の構図と枠組みが形成され始めた。東北アジアは、1960
〜70年代の日本、1970〜80年代の韓国、そして1990年代以降の中国へとつながる超高速の経済成長
で世界の注目を浴びている。世界でもっとも力動的に発展している東アジアは、急速に発展している経済的繁栄
と相互依存の深化という協力的要因が存在する一方、領土問題・歴史問題・北朝鮮の核問題・日本の憲法改正
による軍事化問題・日米の東北アジアNMD、TMD体系構築など、容易には解決されない葛藤要因のため、
混迷の度を深めている。

このような時代の中、中・日・韓三ヶ国言語を自由に駆使できる中国朝鮮族は、東北アジアの経済・文化協力
体系の形成において、相当重要な役割を果たす可能性をもっている。
「朝鮮族」とは、中国の国籍を有している朝鮮民族の専門呼称である。つまり、国籍と民族出身を同時に表した
呼称である。

経済のグローバル化が中国においても逆らうことが出来ない変化の流れであるなら、中国の朝鮮族も地球村
で起きているあらゆる変化と新しい動きをいち早く把握し、急変する環境に適応するように努力しなければならな
い。ゆえに、21世紀に生き残る生存戦略として、私たちは朝鮮族でありつつ、中国的な眼目と世界的な眼目を
共に揃えた新しい朝鮮族共同体としての民族性を確立すべきである。

中国の第5次人口センサス調査資料によると、2000年現在、中国の朝鮮族総人口は192万3842名と集計
された。改革開放時代に、朝鮮族農民は都市へ進出するようになった。80年代の離農現象の特徴が都市に
散在している朝鮮族飲食店だとすると、90年代の離農現象の特徴は韓国人を対象とする遊興業だといえよう。
90年代離農現象のもうひとつの特徴は、朝鮮族の韓国への労務輸出である。その後、労務輸出が難しくなるに
つれて、朝鮮族の結婚適齢期の女性3人に一人が韓国に嫁に行くようになった。コリアン・ドリームとして始まっ
た、朝鮮族社会における韓国への出稼ぎブームは、朝鮮族女性たちの韓国への嫁入りブームに繋がり、中国朝
鮮族の人口は急速に減っていった。1999年末時点、延辺朝鮮族自治州の朝鮮族新生児の出産数は1989年の
4分の1にしかならない3800名であった。

90年代半ばから朝鮮族識者達の間には、「発達論」と「危機論」の論争があった。それは、今までの朝鮮族社会
の変化を社会の総体的な「発展」と見なすか、それとも総体的な「危機」と見なすかという評価の視覚の差であっ
たと言えよう。

1994年から朝鮮族社会の碩学、民族幹部、科学技術者、そして経済人たちを招いて、共に朝鮮族発展を求める
学術シンポジウムを毎年開催してきた。毎回の朝鮮族発展のための学術シンポジウムは、その名の通り、朝鮮族
社会の発展と変化に伴って、朝鮮族共同体が直面する問題点をより冷静に指摘・分析し、当為性を主張しつつ、
問題の解決法を探り、持続的発展を導いていくための対案を模索しようと力と知恵を結集した。また、知性人たち
が社会的実践に参与するよう導き、民間次元あるいは官民共同の力でその対案を可視化するために努力してきた。
私達民族の未来が皆の夢と力の結果であることは間違いない。

                                                 以上

                              (中国・中央民族大学民族各部教授 黄有福)
                               原文朝鮮語、翻訳:桂 燕玉
		

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