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覆る歴史にはロマンがある

寺尾次郎


人類の歴史は概ね、その時の為政者または勝者の論理で綴られる。
韓日歴史座談会に出席させて戴き、1つの事象を切っ掛けに正史が塗り替えられ、 覆ることへの興味と限りないロマンを抱く。
物事には必ず裏表があり、歴史の1コマ1コマを俎上にのせ、紐解きながら、もう風化してしまう過去の事柄を 執拗に追いかけ、反芻しながら疑問を提言する。少しでも事実に近付こうとする韓国KBSのその情熱と気迫にも心うたれる。
視聴後の諸賢の発言に歴史の視点と捕え方を学ばさせて戴いている。
科学技術は長足の進歩で、歴史のハード面は次から次へと明らかになるであろうが、人文科学のソフト面では、その時代の風潮、 庶民の感情、敗者の論理など歴史に書き記されていない心の深層までスポットを当ることは至難であり、ある程度の推論の域に とどまるのではないだろうか?後世の歴史研究家に委ねざるを得ない。

「人類の歴史花もない民によって築かれていることを忘れてはならない」高校の世界史の授業で、 絶えず強調していた先生の言葉をいま、静かに思い出している。











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