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韓国の踊りに魅せられて

岡崎次余


私が、歴史座談会に参加させていただくようになったのは、わらび座が、朝鮮通信使を題材にした「つばめ」を上演するために、 お力添えを頂きたいと貫井先生や中日新聞の石原様にお会いしたときにご紹介をして頂いたのがきっかけでした。
私と韓国は、1993年8月、アジア舞踊フェスティバルが秋田のわらび座で開催された時、韓国の舞踊家の方々が踊られた「伝統舞踊」 の美しさに魅了されたのが始まりでした。手先から足のつま先にいたるまでの流れるような姿の優美さや澄んだ瞳の清らかさ、 従軍慰安婦をテーマに踊られた作品のなかにある鋭い社会性は、韓国について全く知識をもたず、かすかな嫌悪感さえ抱いていた私にとっては ショックな事でした。
そして1995年に、わらび座が<韓国国際舞踊フェスティバル(芸術の殿堂)>に出演する時に、私もこの機会にどうしてもあの美しい 舞踊をもう一度見てみたい、そしてその美しさを生み出した文化や歴史に触れたいという衝動に駆り立てられ、躊躇わず、初めての韓国に 一人で出掛けました。初めて見たソウルの街は、旺盛に前進するエネルギーが町中に溢れ、一歩中に入って見る史跡や青磁の美しさには、日本の歴史や文化のルーツ を感じ、自分の無知を恥じながらもこの出会いは大きな感動でした。
それ以来、「気」になってしかたのない「かけがえのない隣国」になってゆきます。
それからは映画をみたり、音楽を聴いたり、韓国へ旅行することで、数多くの優れたものに出会いました。そして優れた 韓国の文化が日本文化の発達に大きな影響をを与えている事も知りました。
わらび座が、2002年より朝鮮通信使をテーマにした舞台を取り上げるので、(にわか)仕込みでその時代の歴史や背景を勉強したり、 小説を読んだりすればするほど、古代からの日韓の歴史をキチット学ばないと「つばめ」を公演することは出来ないと思いました。 そんなタイムリーな時に、歴史座談会のお話を聞き、願ってもない聞き、願ってもない事で、あつかましくも第五回目から参加させていただきました。
日韓に係わる歴史を映像で見られるなんて、なんとも言えない贅沢な事でした。
視聴後の、総領事さんを中心にした意見交換が、また刺激的でした。参加された方々の見識の高さに圧倒されながらも、知らない事だらけで、 毎回沢山の宿題をもらい、日韓の歴史勉強は私の生涯のテーマになってゆきます。
日本と韓国は、アジアの中でも最も近い国として多くの影響を受け合い、その一つ一つの歴史を検証する事で更に深い友好関係が築かれて 行く事と思います。
最後に、歴史座談会の場を設定して下さった、韓国総領事館の決断に感謝しながら「つばめ」上演活動を通して、隣国同士の友好を 築く礎になりたいと思います。

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