平成14年 2月25日
提案書
海上アクセスと周辺地域のまちづくりについて
津市 ⇔ 中部国際空港
「新世紀、新しい港とまちづくりを進める会」
代表 小寺 徹也
目 次
私たちが一番望むことは、このアクセス港をうまく活かした津市のまちづくりであると考えています。
夢を語ることと現実の計画を合致させてゆくために、市民参加をキーワードに今後ワークショップの開催やアンケートなどの実施を通じて改めて提案いたします。
私たちが一番望むことは、このアクセス港をうまく活かした津市のまちづくりであると考えています。
夢を語ることと現実の計画を合致させてゆくために、市民参加をキーワードに今後ワークショップの開催やアンケートなどの実施を通じて改めて提案いたします。
私たちの生活の中心である 三重県津市は 古くは 安濃津と呼ばれ 海 特に港には 所縁の深いまちであったと思われます
しかし近年では 潮干狩りや海水浴 のり養殖や沿岸漁業などが小規模に行われる
小さな漁港が点在する程度で海に対して開かれたまちとは 決していえません
もちろん ヨットハーバーや 白砂青松の残る海岸線も在り 市民の憩いの場としての機能が すべて失われているものでもありません
また 中心市街地といわれる地域も 消費スタイルの変化により 衰退の一途をたどっています
そんな津市にも 中部国際空港への海上アクセス施設として にえざき地区に 港を新設する計画が具体化されてきました
私たち「新世紀新しい港とまちづくりを進める会」は その計画の実現に向けて 私たち市民・民間事業者がどのように関わりを持ち また 多くの市民の関心を集め 津市の誇りあるまちづくり計画にするにはどのような方策があるかと 有志30名ほどが集まった まったく民間の市民活動団体です。
ホームページ上や定例会で議論しながら ときには夢を語り ときには行政担当者から情報の提供を受けたり(もちろんあくまでも万人が知りえる物)インターネット等で情報を集めたり 独自の検討を重ねてきました。
私たちの団体も設立から一年と数ヶ月が過ぎ アクセス港の計画に対しても国の予算措置も決まった今 計画が実現されるまでの残された限られた時間内に 少しでも 市民が望む姿のアクセス港と周辺地域を含めたまちづくり計画の実現を目指して ここに提案書としてまとめました
愛する津のまちの新しい港が 世界の人々に利用され愛される新しい港になるために
そして新しい港が津市民の誇りとなるために
「まちづくりに市民参加を」
言葉だけではなく実践してゆくための手がかりとして
私たちは提案いたします
アクセス港はできたものの 使いにくくては利用する人もなく 反対論者から税金の無駄遣い呼ばわりを受け お荷物になり閉鎖の憂き目を見るようでは 何のための新規事業なのかと思ってしまいます
そこで 津の港の利便性 アクセス船の利便性 中部国際空港の利便性 港までのアクセスの利便性にテーマを分けて 提案させていただきます
● 船舶運航担当セクターに対して
「津の港」について
1.駐車場
現段階では300台分の駐車スペースを確保する予定と聞きます。アクセス利用者に限定
すれば開港当初は事足りるでしょうが、利用者増加が見込まれる近い将来、拡張が必要になるのは必至でしょう。アクセス利用者以外にも駐車スペースを提供するのであれば、開港当初から機能できなくなることでしょう。
駐車料金は無料が理想的ですが、無料になると迷惑駐車が増える可能性やセキュリティー
の問題もあります。
<駐車料金・システム>
●アクセス船利用者に対しては無料開放を
2005年開港時には、現在よりもインターネット等の利用や電話回線による電子商取引の環境も整備されることが予想されます。そこで往復の乗船券予約購入者に対しては駐車場の確保と自動発券システムの構築により駐車台数管理と需要予測を立てることができます。また、駐車場入り口ゲートで乗船料と駐車券発行を同時に自動収受することにより人件費の節約につながるものと思います。
●アクセス船利用者以外に対しては一時間あたり300円程度の料金負担を
せっかく港までやってきてもアクセス船利用者無料駐車場が短時間利用者や、一般車両の常駐場所になってしまい
常に満車状態では意味を成しません。
<駐車台数>
●当面は利用予測に基づき300台を確保するが隣接地に拡張計画を持つ
移動に際しては、通常Door to Doorが一番便利であり何度も方法を変えてアクセスしたくないものだと思います。できる限り近距離の移動で済む場所に駐車場拡張計画を持つ必要があると考えます。重い荷物を持って自家用車⇒シャトルバス⇒船では利用する乗客はいなくなると思います。
<セキュリティー>
●夜間照明や防犯ビデオカメラなどによる完璧な安全性を保つ
今後24時間発着対応や長期間駐車の安全性確保は、重要なテーマであると思います。
完全に近いセキュリティーシステムの構築を望みます。
●高齢者や障害を持つひとへの配慮
今後超高齢化社会を迎えてゆく中で、バリアフリーは言うに及ばずユニバーサルデザインを全ての基本にしなくてはならないと思います。
2.手荷物
海外への移動や家族旅行など、大きな手荷物がつきまといます。また、海外からの旅行者や商用で訪れる人々に対しても少しでも身軽に移動できることがアクセス方法の選択基準の一つになるのではないでしょうか?
<チェックイン>
各航空会社と連動した総合的に受け入れ可能なシステムの構築により、チェックインカウンターを設置してチェックインができるようになるとハンズフリーで搭乗口まで移動することが可能になるでしょう。
チェックインサービスに利用者数や安全面・技術面でコストが掛かり過ぎるようであれば、有料でもポーターサービスを取り入れることが必要であると思います。
<車寄せ>
● 大型バスも停車できる広さを確保した屋根つきの車寄せの設置
少しでも近い所で荷物や乗客を降ろしたいのが人間の心理だと思います。ゴルフ場やホテルなどでも玄関前に充分な広さが確保された車寄せが設けられています。
天候にも左右されない屋根付きの車寄せがあれば、大型バスなどの団体客や一台の車に複数人の利用者には喜ばれるものと思います。
3.付帯サービス
突然の天候変化などによる不意の欠航やアクシデントに対応できることも信頼性につながるものだと思います。また、通常の利用でも待ち時間も少なく短時間の乗船ではあるが、船酔いの不安やちょっとした買い物ができれば利用者にも安心感が生まれるのではないでしょうか?
<場内店舗>
● ドラッグストアとドリンクスタンドの営業
船酔い止めの薬や身近なものが購入できるコンビニエンスストアに、ドリンクコーナーや喫煙コーナーを設け、津市の名産品も販売してはどうでしょう。
<代替交通>
代替輸送に頼る必要が生じた場合は、一定のルールの下乗船料と同じ金額で空港まで送るなどのサービスシステムをPRし利用者に安心感を持たせることが必要だと思います。
「アクセス船舶について」
私たちが船舶による移動と聞いてイメージすることは、まず、第一に安全性が他のアクセス方法と比較して充分なのかという不安であると思います。両備運輸株式会社様がこのアクセス事業に名乗りを上げられたことは、基盤とされる瀬戸内海での実績により安全性にも絶大の信頼ができるものと思われますが海上アクセスになじみのない三重県や滋賀県、奈良県の人々に充分すぎるほどのPRが必要であると思われます。
<安全性と確実性>
●海上輸送の安全性と確実性の広報を徹底する
波静かな伊勢湾であっても、日頃あまり体験したことのない波による揺れや、海そのものに対する不安があるものです。他のアクセス方法と比べた事故率の低さを数値で示すことや、船酔いに対する不安解消のためのPRも各種広告媒体を使って行ってゆかなくてはならないと思います。
●ホーバークラフトによる運航
採算性や技術面については簡単ではないかもわかりませんが大分空港からのアクセスとして導入されていることでもあり不可能ではないと思います。水陸両走行のメリット(空港島でも搭乗口近くまで乗り入れられる)と運航スピードを活かし実質的移動時間の短縮することができるのではと思われます。また、話題性もあり乗船者増も見込めるのではないでしょうか。
●発着便数の多様化
24時間空港に対応して船舶の運航も24時間体制をとる事はできないのでしょうか?採算のとりにくい時間帯では便数・船の大きさ・寄港地を勘案するなどして他のアクセス方法と比較しての優位性を持たせることが必要だと思います。
「中部国際空港の受け入れ」
津の港が快適に整備され、船舶に対する不安が解消されても空港島に着いてからの利便性が悪ければ利用者の足は遠のくことでしょう。関西国際空港でも船着場から空港ターミナルまでの移動にバスを使わなくてはならないなど不便な点が多かったように思われます。
関西国際空港と都市間の海上アクセスの轍を踏まないよう受け入れ側にも提案したいと思います。
<ターミナルへの距離>
●ターミナルビルへの距離が一番短くなる場所に船着場の設置を
●出発・到着ゲートへの移動に室内型動く歩道の設置を
各地の空港内には、動く歩道が設置されています。アクセス港から空港ターミナルま での距離があるようならば動く歩道などの歩行補助装置の設置を提案したいと思います。また、雨天時や強風対策として室内型通路も不可欠であると思います。
<ポーターサービス>
●ハンズフリーでカウンターへ
空港内でもポーターサービスが充実しているにこしたことはありません。船着場からターミナルへの迅速なポーターサービスがあれば海上アクセス利用者増につながるものと思います。
<カートサービス>
●自分で運転できる乗用カートの配置
ゴルフ場などで採用されている自動式乗用カートを配置し、乗客と手荷物の輸送に使用する。バス等に乗り換える不便さも自分で運転するカートというだけで不便さもカバーできるのではないのでしょうか。
「アクセス港へのアクセス」
三重県内でも伊賀地方や東紀州方面からの自動車による利用者、また、奈良県や滋賀県からの自動車による利用者を視野に入れた場合アクセス港への津ICからの適切な案内表示と運航状況の迅速な情報提供が必要であると思います。
また、鉄道・バスとの連携も重要な利用者獲得につながるものであると思います。
<案内表示>
カーナビゲーションシステムの発達により道に迷うことも少なくなると予想されますが関ジャンクション・津IC付近には距離と所要時間がわかるような電光掲示板等の看板が必要になると思います。
● 運航状況・出航ダイヤなどの情報の提供
不意の欠航や出航時刻の案内や駐車場情報などをできる限り早い時点(津から離れたところ)で確認できるような案内情報板の設置が必要であると思います。
<案内放送>
●ラジオ・テレビ・iモード等の携帯IT端末に対応した情報提供
ITの進化により情報の収集には困らないでしょうが最新のシステムに対応できる情報発信技術を準備することと合わせて、ラジオ等の旧来のシステムにも対応しておくべきだと思います。
<他の交通機関とのアクセス>
●津駅からのバス路線の開設
JR・近鉄等を乗り継いで伊勢志摩方面への観光などの利用者に対応しておく必要があると思います。
私たちが一番望むことは、このアクセス港をうまく活かした津市のまちづくりであると考えています。
夢を語ることと現実の計画を合致させてゆくために、市民参加をキーワードに今後ワークショップの開催やアンケートなどの実施を通じて改めて提案いたします。
私たちが一番望むことは、このアクセス港をうまく活かした津市のまちづくりであると考えています。
夢を語ることと現実の計画を合致させてゆくために、市民参加をキーワードに今後ワークショップの開催やアンケートなどの実施を通じて改めて提案いたします。