津市都市計画マスタープラン

津市都市計画マスタープラン(計画の理論的考察)

鈴木 智子 

 

目次

 

 

1.                     計画の概要

 1.‐1.取り上げた計画と取り上げた理由

 1.‐2.津市都市マスタープランの概要

・全体計画

・地域別計画

・まちづくりの推進方策

2.                     津市都市マスタープランの経緯

・経過

・これまでの経過においての発生した問題と解決策

・住民の評価

3.                     計画組織・計画過程の問題点と評価

・計画組織としてのあり方と問題点

・計画過程のあり方と問題点

・津市都市マスタープランに関する評価の視点

・事例の評価

4.                     今後のあり方

5.  参考資料等

  

 

 

 


 

1.   計画の概要

 

.‐1.取り上げた計画と取り上げた理由

・取り上げた計画:津市都市マスタープラン

 

・取り上げた理由

私は生まれて間もない頃から20年近く三重県津市で暮らしていた。田舎の県庁所在地であり、気候は穏やかで、新鮮な食材も豊富でとても住みやすい街である。甲府に下宿するようになってあらためてその良さを感じるようになった。また、20年の間にも街の様子はずいぶん変わったが、帰省するたびにもどんどん変わっている。これから先、地元がどのような計画に沿って変わっていくのかを詳しく調べることにした。

 

.‐2.津市都市マスタープランの概要

 

津市都市マスタープランは、都市計画に関する基本的な方針である。この計画は、都市計画を適正に運用していくため、上位計画である津市総合計画、津市国土利用計画、津都市計画市街化区域及び市街化調整区域の整備、開発又は保全の方針・関連計画である津市環境基本計画、津市市民交流計画、津市緑の基本計画、津市地域防災計画などに即し、また整合を図りつつ、土地利用、都市施設、市街地開発事業などの都市計画全体に係わる総合的な方針として、市民参加による意見を反映しながら策定された。第4次津市総合計画は、平成22年が目標年次としているが、津市都市マスタープランは長期的視野に立った目標を掲げ、概ね20年後の平成27年を目標年次としている。平成22年までが基本計画期間、それ以降を展望計画期間となっている。   

全体構成は都市の現況と課題を分析して、津市全体のまちづくり計画である「全体計画」、9地域ごとのまちづくり計画である「地域別計画」、住民参加のまちづくりや計画的なまちづくりを推進するための方策である「まちづくりの推進方策」から構成される。 それぞれの内容としては、「全体計画」が、・まちづくりの理念と目標、・土地利用計画、・将来の都市構造、・まちづくりの部門別計画、「地域別計画」が、地域別まちづくりの目標と計画、「まちづくりの推進方策」が、・まちづくりの推進方策、・整備プログラムによって構成される。

 

・全体計画

・まちづくりの理念と目標

<理念>

21世紀を展望し、高齢社会や世界的な状況を視野に入れ、豊かな市民生活を築くために、歴史・文化を生かし、津市の環境と共生する基本条例の主旨を踏まえ、持続的な都市の成長を可能にする仕組みを創っていくため、以下の基本理念のもと、まちづくりを進めている。

1.  県勢の発展を先導する県都の実現

2.  ゆとりある快適な都市空間の形成

3.  市民活力の集積による豊かな文化の醸成

4.  互いの立場を尊重し支え合う地域福祉社会の形成 

<目標>

理念を踏まえ、恵まれた文化的風土のなかで様々な交流や市民活動を土壌とし、文化を育みながら、さらに魅力のある都市へと成長していく姿を理想とする都市像を「豊かな文化を育み、21世紀に躍動する美しい県都」と定めている。この実現を目指すため、次の4つのまちづくりの目標を基本とし、諸施策の推進を図る。

生き生きとして魅力のある県都づくり

1.  安心して暮らしやすい都市づくり

2.  文化に育まれた心豊かな人づくり

3.  健康で人にやさしい地域づくり

 

・土地利用計画           

 県都にふさわしい都心機能の誘導・集積による都心部の活性化、中勢北部サイエンスシティ(図1‐1〜図1‐5)などへの適正な産業誘致、津ICの立地特性を生かした流通・業務・商業機能等複合機能を備えた市街地形成、住宅地の混在する高茶屋地区の適切な土地誘導(図1‐6,図1‐7)が課題

とした。

 

図1−1 隣接道路の看板 図1−2 工業地域

図1−3 研究所・オフィス地域 図1−4 流通業務地域

図1−5 付随施設の公園、

図1−6 中瀬バイパス(サイエンスシティ方面)

図1−7 中瀬バイパス(津IC方面)
 これに対し計画は、

1-1土地利用フレーム      (単位:ha、( )%)

 

現 況

計 画

増減面積

平成7年

平成22

平成27

平成722

平成727

住宅地

2398.0

2676.0

2793.0

278.0

395.0

(23.5)

(26.1)

(27.3)

商業・業務地

321.0

472.0

542.0

151.0

221.0

(3.2)

(4.6)

(5.3)

工業地

520.0

647.0

669.0

127.0

149.0

(5.1)

(6.3)

(6.5)

農業地

3507.0

3266.0

3135.0

241

372

(34.4)

(31.9)

(30.6)

山林・原野

2660.0

2355.0

2286.0

305

374

(26.1)

(23.0)

(22.3)

その他

780.0

825.0

816.0

45.0

36.0

(7.7)

(8.1)

(8.0)

10186.0

10241.0

10241.0

55.0

55.0

(100.0)

(100.0)

(100.0)

・住宅地については、人口の定住を積極的に促進するため、市街化区域への住宅地需給の動向を勘案しながら、計画的な住宅供給の誘導・調整に努め、市街化区域内農地等の宅地利用の促進、既成市街地の住環境の改善、都市型住宅の供給による都心居住の促進を図り土地の有効利用を進める。

引用:津市都市マスタープランのあらまし

・商業・業務地については産業活動の進展に対応するため、市街地再開発事業等による土地の有効利用・地区計画による誘導により、商業・業務の施設の集中立地を図る。また、都市基盤整備とあわせて、新市街地の形成を目指している、津IC周辺地区については新たな就業機会の場となる、流通・業務・商業の複合的な土地利用の展開を図る。中勢北部サイエンスシティについては、研究開発機能・業務機能・流通拠点機能をはじめ地域産業の高度化のための機能を誘導する。 贄崎地区については、中部国際空港への海上アクセス拠点の形成等による交流機能の整備に向けて港湾施設の整備を促進する。

   工業地については、周辺環境の保全に十分配慮し、必要な用地の確保、工業の利便の増進を図る。新規工業地として、中勢北部サイエンスシティについては、バイオテクノロジーやエレクトロニクスなどの先端産業の工場あるいは研究開発施設などの施設立地を促進する。

   農業地については、農作物の安定供給や農地利用の効率化を図るため、新町西部地区では、優良農地の確保に努め、農業生産基盤の整備と高度化により効率的な利用を進める。 また、土地利用の転換に当たり、農地の持つ遊水機能にも配慮し、無秩序な転換の抑制に努める。

   山林については、自然環境の保全、保健・休養の場あるいは保水による災害の防止等の公益的機能、緑地として良好な生活環境を有するため保全に努める。また、土地利用の転換により失われた緑については、津市緑の基本計画、津市環境基本計画に基づき、新たな緑の環境の創造に努める。

 

 


・将来の都市構造

将来動向を踏まえた都市構造を1)県都にふさわしい魅力的な都心地域の形成、2)都市活動の拠点・ゾーンの形成、3)都市活動を支える軸などの形成、とふまえ図21のように計画している。

・まちづくりの部門別計画

 まちづくりに必要な各部門(10項目)の整備等を具体的に定めている。

1.   市街地の整備(31〜図33)

密集した住宅地における住環境の改善、既成市街地・V市街地などにおける都市基盤の整備について、市街地開発事業や地区計画制度など地域の特性に応じた整備、誘導手法によって、良好な市街地環境の形成を目指す。

3-3 アスト津4(公民館があり,住民票等がとれる)

 図3−1,2,3アスト津(H13.4オープン)、3階(交流施設)、4階(公民館出張所)

2.   交通体系の整備

第二東名・名神高速道路、リニア中央新幹線や伊勢湾口道路などに対応する広域幹線道路網の形成の促進、中部国際空港への海上アクセス拠点、津市伊勢湾ヘリポートを中心とする県内ヘリネットワークの形成を促進。国道23号の渋滞解消を図るため、市内通過交通の分散を誘導する外郭環状道路(図1‐6,図1‐7)、都心における円滑な交通処理を図るため、市街地への目的別の交通分散を誘導する都心環状道路、生活圏域、経済圏域の一体性を高めるため、周辺市町村とを結ぶ放射状道路を組み合わせた環状放射型の道路交通体系の確立を目指す。

3.   公園・緑地の整備

緑豊かな自然環境の保全と活用を図り、市民が憩い、緑とふれあい、余暇を楽しめるような公園・緑地を整備するとともに、自然と共生した都市形成を目指し、水と緑のネットワークの形成やビオトープ的空間の整備。また、都市公園については、公園緑地の見直し、公園配置の少ない地区から優先的に整備、市街地における緑の倍増を目指す。

4.   上水道の整備

安定給水を推進し、県営中勢水道用水供給事業の進捗に併せた、第4回拡張事業を行う。河川汚濁の監視や水質管理を強化し、取水施設、浄水施設の保全強化及び浄水処理技術の向上。 また、災害時における早期復旧体制を強化、緊急時の生活用水の確保に努める。

5.   下水道・河川の整備

下水道普及率の飛躍的な向上(平成22年下水道普及率概ね70)を目指す。都市部において年々増加する汚水、雨水を効率的に排除・処理し、生活環境の改善や河川等公共水域の水質保全を図る。

6.   都市防災の推進

災害に強い都市構造の形成、緊急輸送網と防災拠点の整備を図る。

7.   都市景観の向上

良好な自然景観や歴史的景観の保全再生や、幹線道路、河川等の都市軸を活用した都市軸景観の創造、市街地における地域の特性を生かした市街地景観を創造する。 景観形成に向けた市民、事業者への意識の高揚や、景観形成に関する仕組みの確立、及び各景観施策の展開を推進。

8.   生活環境関連施設等の整備

環境衛生施設、教育施設、文化施設など必要な都市施設を計画的に配置し、快適性や利便性の高い都市形成を行う。

9.   自然環境との共生

豊かな自然環境である海岸、河川・池沼、丘陵地の自然生態系の保全、貴重な動植物の保護、自然災害を防止するための安全対策を図る。

10.        人にやさしいまちづくりの推進

これからの高齢化や障害者のためのまちや住まいのバリアフリー化を推進する。

・地域別計画

第4次津市総合計画で設定されている4つの地域区分を基本に、それぞれの地域を細分化し、9つの地域に区分し、地域別に現況と課題、全体計画を踏まえて、地域が目指すべきまちづくりの目標、及び、地域別将来フレーム、土地利用計画、地域別まちづくり計画を設定している。

 

・まちづくりの推進方策

・まちづくりの推進方策

 住民参加型のまちづくりの基本的な考え方を明確にし、市民参加の方策を示している。

・整備プログラム

整備プログラムでは、個々の事業化の目標(着手時期)を1期(〜平成12年度),2期(平成13年度〜平成22年度),3期(平成23年度〜平成27年度)に区分して示しますが、現時点の経済状況等を考慮して作成していることから、上位計画の改訂にあわせて変更する場合もあるとしながら、1)土地利用,2)土地区画整理事業,3)市街地再開発事業,4)拠点地区の整備,5)道路,6)交通関連施設,7)公園・緑地,8)風致地区,9)公共下水道,10)都市下水路,11)河川,12)生活環境関連施設の項目について各期の目標を示している。

 

 


2.   津市都市マスタープランの経緯

 

・経過

都市マスタープランは、平成4年に都市計画法が改正された、同法第18条の2において新たに規定された市町村の都市計画に関する基本的な方針である。これをうけて、平成74月に県のマニュアルを参考に第4次津市総合計画に則した都市マスタープランの策定方針をまとめ、同年12月に津市都市マスタープラン策定推進委員会が設置された。平成81125日に市議会の協議会にて津市都市マスタープラン策定が決定され、平成10年2月20に津市都市マスタープランが出来あがった。出来るまでの経緯は表に示したとおりである。

津市都市マスタープラン策定の経過

(平成)年・月.日

 

(平成)年・月.日

事項

7.12.28

 

 

津市都市マスタープラン策定推進委員会の設置

7.12.28

 

 

津市都市マスタープラン懇談会の設置

8.4.3

8.4.15

津市のまちづくりに関するアンケート調査の実施

8.4.12

 

 

津市のまちづくりに関する声市政モニターへ依頼

8.4.16

8.5.15

津市のまちづくりに関する声の募集

8.4.25

8.6.5

各種団体との意見交換会の実施

8.5.14.

 

 

1回津市都市マスタープラン懇談会の開催

8.1125

 

 

市議会全員協議会の開催

9.1.8

 

 

2回津市都市マスタープラン懇談会の開催

9.1.20

9.5.11

各種団体との懇談会の実施

9.1.21

 

 

3回津市都市マスタープラン懇談会の開催

9.1.23

9.3.2

1回地元懇談会の開催

9.1.27

 

 

4回津市都市マスタープラン懇談会の開催

9.1.30

 

 

津市都市計画審議会との協議

9.2.7

 

 

津市都市計画審議会との協議

9.2.7

 

 

三重県津地方県民局津土木事務所との協議

9.2.10

 

 

建設省中部地方建設局三重工事事務所との協議

9.7.28

 

 

市議会全員協議会の開催

9.8.1

 

 

三重県との協議

9.8.6

 

 

5回津市都市マスタープラン懇談会の開催

9.8.8

9.12.11

各種団体との懇談会の実施

9.8.18

9.9.5

2回地元懇談会の開催

9.8.22

 

 

建設省中部地方建設局三重工事事務所との協議

9.9.4

 

 

6回津市都市マスタープラン懇談会の開催

9.9.24

 

 

三重県津地方県民局津土木事務所との協議

9.9.25

 

 

津市都市計画審議会との協議

9.10.2

 

 

建設省中部地方建設局三重工事事務所との協議

9.12.15

 

 

意見の締切

10.2.4

 

 

市議会全員協議会の開催

10.2.13

 

 

津市都市計画審議会より答申

10.2.20

 

 

津市都市マスタープランの決定

 

津市都市マスタープラン決定後は、計画に沿って具体的な運用が各分野で決定し、随時計画が進められており、現在は整備プログラムの1期が終了し、2期に入ったところである。

 

・これまでの経過においての発生した問題と解決策

マスタープラン策定にあたって、各地域ごとに2度の地元懇談会を開催したが、懇談会に参加する人は限られていた。市の予想より集まった人が少なく、もっと多くの人からの意見を聞きたかった。まちづくりに関する声に寄せられた意見も少なかった。 ⇒ アンケートの結果を加えることで補い策定をすることにした。

地元懇談会においての住民の意見は、「・・・の水はけが良くない」「家の前の道を直して欲しい」といった地域限定の不満も多く、都市マスタープランの意味が十分に伝わらなかった。 ⇒ 2度目の懇談会では前回以上に計画の意味の説明を行った。

1期の計画はほぼ順調に進んだが、中勢北部サイエンスシティへの企業誘致がやや遅れている。 ⇒ 景気の回復を待つとともに、税制の優遇措置、補助金、特別融資と言った条件を提示して誘致の促進を行っている。

 

・住民の評価

 事業者からの評価は現時点では出ていないということであったので、津市都市マスタープラン決定の時点の計画に対する住民の評価について述べる。

 評価は様々であり、

      行政主導の計画の方いろいろな点で円滑に進むので良い。

      計画ができたことで意識も高まり協力が得られるので、事業の進行にも期待が持てる。

      環状道路による交通網整備に期待をしている。

      中勢北部サイエンスシティや津IC付近の開発による産業の活性化に期待が出来る。

      地域別に計画があってわかりやすい。

といった肯定的な意見もあるが、十分に住民の意見を反映できなかったことから不満や不安の残る評価が多く見られている。

      市の総合計画があるのになぜまたこの計画をつくったのか。

      都心部の空洞化、下水道整備、地域経済の活性化といった問題を優先すべきであり個の計画は急ぎすぎたのではないか。

将来の津市のあり方としては期待をするが、現在抱える問題の解決を優先して欲しいというのが住民の本音でありそれがこのような評価になっている。

 

3.   計画組織・計画過程の問題点

 

・計画組織としてのあり方と問題点

 津市都市マスタープランの趣旨として、住民参加のまちづくりをあげている。つまり、住民の意見を十分反映できる計画でなければならない。しかし、実際には計画を作るのは行政で住民の参加は意見だけであった。同県内の伊勢市においては住民10人程度を計画組織内に加えて、計画づくりから住民の参加を図る方法 (ワークショップ) をとっている。少しでも多くの住民参加という立場に立てば計画組織内に住民を加えることは有効であるが、それでも10人程度が限界で実際の住民参加とは言えない。また、津市都市マスタープラン懇談会のメンバーも学識経験者のみで構成されていた。住民参加のまちづくりを趣旨とするならば、計画組織を立ち上げる前に住民の意見を十分反映できる組織づくりの検討も行うべきであった。担当者の方にとってもこの課題は難しく、住民の意見を十分反映できる組織については今も模索中であるとのことだった。

 

・計画過程のあり方と問題点

 津市都市マスタープランは住民参加のまちづくりに重点を置いているので計画過程において積極的な住民参加と住民との対話を行うことが必要である。また、計画過程に住民が参加するということの意味を、住民に伝えることも必要である。各地域ごと地元懇談会を2回行い、住民にアンケートをおこない、意見を募集したという点においてはこれを満たしているといえる。しかし、意見を聞くだけでは住民参加のまちづくりとはならない。地元懇談会は2時間程度の時間しかなく懇談会が十分に効果のあるものにならなかった。もちろん懇談会参加者も暇なわけではないので、事前に市民全員に対する十分な説明を行うべきであったと考えられる。直接に住民との対話に時間には限界があるので、それを双方が最大限に有効に使える準備も過程の一つに考えるべきであったと考える。

 

・津市都市マスタープランに関する評価の視点

 市民にとって快適な都市の形成がなされるのかという視点から評価をする。

 

 

・津市都市マスタープランの評価

長期的な視野からすれば、この計画画すべて実現すれば快適な都市に近づくものであるといえる。全体計画では、道路網の整備や市街地の形成はすでに目途が立ってきているようだが、津IC周辺地区の流通・業務・商業、中勢北部サイエンスシティでは企業の誘致が進んでおらず計画するような機能が果たせるのか疑問である。まちづくり計画は課題に対して漠然とした計画案のみが挙げられており、実際にどのようなことを行うのかが曖昧なままであり住民に納得のいくまちづくりになるかわからないのでもっと、明確な計画を挙げるべきである。具体的なまちづくりがあってこそ市民にとって快適な都市の形成がなされるので曖昧にしていることは評価を下げている。地域別計画は非常に細かく分析をしているので評価できる。しかし、地域住民の意見が十分に反映されていないことで住民から不満の声が上がっている。地域について十分に分析を行ったのであれば、地域住民との話し合いの時間にももっと時間を割くべきであったのではないだろうか。

この計画によって将来の都市構想を固めることができ、市民の将来にとっては今より快適な津市になるといえる。ただ、今抱える問題の解決が急がれるので、この計画だけでは

市民にとって快適な都市にはならない。

 

 

4.   今後のあり方

都市計画は十数年で完成するものではなく非常に長い期間をかけて行われるものであるので、この計画ができたからといって都市形成が約束されたわけではない。社会情勢も刻々と変化をしていくので、そういった動きの合わせて計画の見直しや再検討が必要である。改訂について今のところ予定はないが、厳しい経済状況、平成17年の市町村合併の動向によっては大幅な改訂が必要となる可能性がある。その際には、より良い計画、より住民参加のまちづくりが行えるために、これからもこう言ったことについての研究が必要である。また、津市都市マスタープランによってより良いまちになることを多くの市民が望んでいる。そのためには、市民は望むだけでなく行政と共にまちをつくるという意識を持ち、計画を見守っていく必要がある。

 

5.   参考資料等

津市 都市計画部都市計画課 編 『津市都市マスタープランのあらまし』

津市 都市計画部都市計画課資料 『津市都市マスタープランに関わる

地元懇談会等の意見集約報告書』

津市 都市計画部都市計画課資料 『津市都市計画条例』

津市ホームページ http://www.info.city.tsu.mie.jp/

 

話:津市都市計画部都市計画課 都市計画担当 (名前を伏せます)