津の観光を巡る状況を語る際、私としては「対外PRの不足」を何よりも強く感じています。津観音、唐人踊り、一身田寺内町・・・といった素晴らしい観光資源がありながら、それが観光客誘致につながっていないということは、PR不足の一語に尽きると思うのです。特にインターネットにおける取り組みを見た場合、他の地域との差が歴然としています。一つの例として、津まつりにおける状況を見てみましょう。津まつりについては主催者である「津まつり実行委員会」作成による公式ホームページのようなものは存在せず、その替わりとして、津市観光協会サイトの中に次のようなページがあります。http://www.ztv.ne.jp/tsukanko/maturi/tumaturi.htmlまつりの全体的なスケジュールは次のように表示されています。http://www.ztv.ne.jp/tsukanko/maturi/tumaturi2002.html交通規制に関しては、次のようなページを付けています。http://www.ztv.ne.jp/tsukanko/maturi/tumaturi_kisei.html冊子として印刷された資料をそのまま画像として取り込んだものを貼り合せた感じです。しかし画像と画像の関連づけが充分でなく、非常に見にくいものになっているように思います。しかもです。このサイト、最終的にリリースされたのは津まつりまで残すところ10日を切った頃で、事前に情報を仕入れるための媒体として、どれだけ役割を果たしたのか、疑問といわざるを得ません。さらに、これらのページが地元のいろいろなサイトでPRされるようなことはほとんどなかったようです。つまり、作りっ放しだったということです。作れる人が主催者側にいなければ、作れる人に頼めばいいはずです。もちろんお金はかかるでしょうが、たかがウェブ作成費用ですから、何十万円程度のものでしょう。イベントの重要性を考えれば、渋るべき出費とは思えません。明らかにネット上のPRを主催者が重要視していないのだと思います。かねてより、このような状況に問題を感じていた私は、「唐人さんの家」HPを運営する立場で、唐人踊りを中心とした津まつりのスケジュール紹介をネット上で行なうことを思いつきました。そして作成したのが次のページです。http://www.searchnavi.com/~hp/tojin/2002z.htm9月のうちにリリースし、これをZTVや三重〜る、その他、地元のあらゆる掲示板にて片っ端からPRをしました。例えばZTVの掲示板ですと、10日ほどの間に400名を超えるアクセスがあり、他の掲示板もあわせますと、短い期間に相当な数のアクセスがあった模様です。安濃津よさこいのスケジュールは次のとおり;http://www.searchnavi.com/~hp/tojin/oshiro.htmパレードについては次のとおり表示しました。http://www.searchnavi.com/~hp/tojin/parade.htmそして、唐人踊りのコースについては次のような画像を3つに分けて作成し、掲示しました。http://www.searchnavi.com/~hp/tojin/2002z.files/map12.JPG交通規制情報こそ載せませんでしたが、参加者のホームページをリンクすることによって、手前味噌ながら事前のイメージがかなり得やすくなっているのではないかと思います。今年度の津まつりは、好天に恵まれたこともあり、40万人という未曾有の人出に恵まれました。11月3日の氏郷まつりが7万人だったことと比較すれば、これがいかに凄い数字かお分かりいただけると思います。津の人口16万の、2倍半もの人々があの祭りを見に来たのです!唐人踊りを見るためにわざわざ大阪などから津まつりに来てくれた人も大勢おられたそうです。これがひとえに私の作成したページのおかげだなどと、おこがましいことを申し上げるつもりは毛頭ありませんが、PRすれば必ず効果が出るということは証明出来たといってもよいのではないでしょうか?要はPRの仕方だと思うのです。先日立ち上げたばかりの、「唐人さんの家」英語版HPにおいても、日本へ一度も行ったことのない海外の人々が「日本の文化に初めて触れた。素晴らしい!」と絶賛してくれます。彼らの目には「唐人踊り=日本文化の代表」と映っているようです。http://www.searchnavi.com/~hp/tojin/eng/私は、この案内ページを全くのボランティアとして作成致しました。私自身はネット上のPRを、何もかも役所がやらなければならないとは考えておらず、役所が出来ないならボランティアで作れる人がどんどんホームページを作ってPRすればいいと思います。ただ、後で述べますが、ネット上の試みが自己満足でなく、対外的にPRして顧客を誘致するという目的のために行なわれるべきとするなら、各自がバラバラにやるのではなく、何がしかの統一的な方向性を付与して取り組むことが必要なのではないかと考えます。では、御参考までに他の地域の状況を。例えば名古屋まつりの場合、主催者は「名古屋まつり協進会」で、名古屋市・名古屋商工会議所を母体とするものです。公式ページとして、次のようなものを出しています。http://www5c.biglobe.ne.jp/~nagoya_m/スケジュールにしてもテキストにてわかりやすく表示され、昨年の写真も紹介しながら、名古屋まつりをまだ見たことがない人々でもイメージしやすく作られています。交通規制の情報は次のとおり。上記の津のケースと比べて見て下さい。http://www5c.biglobe.ne.jp/~nagoya_m/nf04-01.htm