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三重 |
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県が津一本化を“撤回”
中部空港海上アクセス拠点
中部国際空港の海上アクセス拠点について、県地域振興部の井ノ口輔胖部長は十九日、「県がどのルートに補助するかは白紙状態」と述べ、支援先の津ルート一本化の方針を事実上撤回した。一本化に反発した松阪市や四日市市の意向をくんだ形だが、「共倒れの危ぐはある」として一本化に含みを残すなど、問題の先送りともとれる県の態度が混乱を深めそうだ。
アクセス拠点では、津のほか四日市、松阪、鳥羽の各市が候補として上がっていた。このうち、松阪ルートの始点の津・松阪港大口地区(松阪港)は物流港で、人の乗降には港湾計画の変更が必要。さらに、津との近隣二ルートの採算性などから、県は同計画の変更が困難と判断し、五日に松阪市に断念を求めた。四日市市にも、採算性などから「補助は難しい」との意向を示した。
しかし、両市の猛反発から、井ノ口部長は「地元の熱心な意向もあり、港湾計画の変更について一度、前向きにやってみようということになった」として、両市と再協議する考えを示した。
一方で、「共倒れの懸念はある」とも述べ、県が補助金を盛り込む二〇〇四年度予算を編成する来秋までに結論を出したいとした。
一方、県の「白紙化」について、松阪市の野呂昭彦市長は同日記者会見。「知事と二回、会談して遺憾の意を示した。県は新たな角度で方向性を見いだすことになった」と語り、二、三日中にも県と協議に入ることを表明した。
四日市市の井上哲夫市長は同日の定例会見で、「北川知事から『(海上アクセスを)やめてくれ』という話は一言もない」として、県から正式に断念を迫る話がないことを強調。同市は〇三年度予算で船の購入補助を県に要望しており「事業者も内定している。予算がつかなかったら大問題」と述べた。
津市の高橋広幸助役は「昨年に運航事業者を決めるという条件は何だったのか。仮に松阪がやるとなれば、競合してお互いに厳しい」と話した。
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