津のうなぎ


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関西地方の中でも、津はうなぎ屋さんの多い町として有名です。
昭和初期のころ、すでに10軒近いお店があったといいます。
うなぎは関東と関西では焼き方が異なります。関東では背から裂き、
まず白焼きにしてから蒸し、タレを付けて焼き上げたものをご飯の上にのせます。
関西では、腹側から裂き、タレを付けて直接炭火で焼き上げ、
これをご飯の間に挟んで食べます。また、関西ではうなぎのことを
「まむし」とも呼びます。 津は関西風味付けの代表格の一つといえましょう。 ではなぜ、津にうなぎ屋が多いのでしょうか? 全国的にみてうなぎ料理の有名な町の共通点を探すと、 城下町か宿場町になることに気付きます。名古屋もうなぎのひつまぶし で有名ですが、代表的な城下町です。つまり城下町や宿場町で、 ちょっとした贅沢を楽しめる余裕のあったところで、うなぎ料理文化 が育ったのです。 津市は、藤堂高虎藩の城下町ですし、 お伊勢参りの宿場町でもありました。つまりうなぎ料理文化が育つ絶好 の環境が整っていたのです。 美味しいうなぎのとれる場所は、川と海の混じりあった所といわれます。 つまりこうした場所では栄養が豊富で、脂ののった美味しいうなぎがとれるのです。 津の町はこの点でも優秀なロケーションです。 さらに、昭和にはいってからはうなぎの養殖がはじまりますが、 三重県や愛知県はこの養殖の中心的な場所でもありました。 三重県のうなぎの養殖は現在では衰退していますが、かなりの期間、 一つの地場産業でした。 こうした要素がすべて混じりあって、津市に現在でも美味しいうなぎ屋がたくさん 存在することとなったようです。 津市は、ビタミンAも豊富で、スタミナのつくうなぎ料理が簡単に 美味しくいただける町なのです。津のうなぎは、まだ全国的にはあまり有名ではありません。 しかし三重県以外の町でうなぎを食べてみてください。 名店と評価の高い一部のうなぎ屋以外では、津の町で普通に 味わっているような美味しいうなぎを食べられないことに気付くはずです。 津のうなぎ屋がいかにレベルが高いかを実感できるでしょう。 うなぎ料理は津の町の隠れた名品なのです。 |