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2005/03/25
日朝交流物語る3件 九州国博に新たな文化財

 九州国立博物館設立準備室(福岡県太宰府市石坂)は二十四日、二〇〇四年度に新しく購入した文化財三件を発表した。江戸幕府が朝鮮国王にあてた「国書写(うつし)(宗家)文書(もんじょ))」▽朝鮮王朝時代の「契会図(けいかいず)」▽「唐人装束・馬装」で、いずれも日本と朝鮮半島の交流を物語る一級資料として、十月十五日の開館に合わせて一般公開を予定している。

 江戸時代の第六代将軍徳川家宣(一六六二―一七一二)が朝鮮国王あてに出した国書の写は縦五〇・七センチ、横一〇一・六センチ。鎧(よろい)や太刀の献上品目録に当たる別幅、現在の韓国・釜山に置かれた対馬藩倭(わ)館館主にあてて書かれた書翰(しょかん)などを含めて購入した。国書の内容は既に知られているが、将軍印まで正確に写した資料は珍しい。

 「契会図」は朝鮮王朝時代の一五五四年ごろの作とみられる紙本墨画(縦六〇・七センチ、横七三・八センチ)で、左上に絵のテーマにちなむ寓夫(ぐうふ)筆の賛文が記されている。

 「唐人装束・馬装」は江戸時代末期の民俗資料で、朝鮮通信使を模した唐人行列などに使われた垂飾(すいしょく)の付いた帽子などが新たに九州国博の所蔵品に加わることになった。

【写真】九州国立博物館の所蔵品に新たに加わった徳川家宣朝鮮国王宛国書写

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