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朝鮮通信使の足跡たどる 中国放送と韓国・テグ文化放送が初の日韓共同制作 


 韓国での日本文化開放の流れを受け、広島市の放送局「中国放送(RCC)」と韓国テグ市の「テグ文化放送」が、江戸時代の朝鮮通信使を題材にしたテレビ番組を初めて共同制作している。通信使を「日本と朝鮮半島の友好の歴史の象徴」ととらえ、韓国人レポーターが「現代の通信使」となり、鞆の浦(福山市鞆町)や呉市下蒲刈町などの寄港地をたどる。中国放送によると、日韓の地方局同士の番組共同制作は全国でも珍しいという。 【久木田照子】

 テグ市は人口約250万人。ソウル、釜山に次ぐ大都市。広島市の姉妹都市で、両放送局も94年に姉妹提携を結び、取材協力や、テグ文化放送制作の番組を中国放送が放映するなどしてきた。

 共同制作は、中国放送側の提案で実現した。番組のタイトルは「新朝鮮通信使 瀬戸内海を行く」。韓国の演歌歌手、パク・ソンチョルさん(30)と、元ミス・コリアのソ・ヘジンさん(25)がレポーターを務める。韓国では12月11、16日の午後7時20分から1時間、ソウルを除く全国で放映され、中国放送では来年1月に放映する予定。

 福山市鞆町では11月14、15日に収録が行われた。そこからの眺めを通信使が「日東第一景勝」と絶賛した福禅寺対潮楼や、商家「太田家住宅」、江戸時代の建築物が残る町並みなどを巡った。通信使が宿泊した阿弥陀寺本堂では、かつて日本側がお茶で接待した様子をドラマ形式で再現した。

 テグ文化放送ディレクターのハン・ヨンへさん(35)は「通信使への日本側の関心の高さに感動した。それぞれの国の立場で進められてきた従来の歴史研究を一歩進め、文化交流や友好を深めたい」と話している。

 ◇朝鮮通信使 1607〜1811年に、学者や画家なども加わる400〜500人が船団を組み、将軍就任を祝う目的などで計12回、日本を訪れた。下関から兵庫までを約20日間で進み、鞆の浦などに寄港。鞆町は当時の景観をそのまま残し「町全体が通信使の博物館」ともいわれる。



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