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わらび座の鈴鹿公演で実行委 21日に初会合
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江戸時代の朝鮮通信使を描いた劇団「わらび座」のミュージカル「つばめ」(ジェームス三木脚本・演出)が来年3月10日、鈴鹿市民会館で公演される。同市には朝鮮通信使をモデルにした「唐人踊り」が残っており、市民の手で公演を成功させようと、21日午後7時から白子公民館で実行委員会の初会合を開く。
「豊臣秀吉によって国土を踏みにじられた朝鮮国は、天下を掌握した徳川家康の国交回復要請に応えて五百人余の文化使節団(朝鮮通信使)を、日本国に派遣した。『文』をもって『武』にむくいたのである。時代の風に翻弄(ほんろう)された人々の姿を浮き彫りにしたい」とジェームス三木は書く。
使節団の一人が供応の席で思いがけなく10年前に水死したはずの妻に再会する。しかし、彦根藩士の妻になり、子を宿す身となっていた……という話で始まる1幕100分のミュージカルだ。一昨年8月初演し、いま全国を回っている。
同市東玉垣町に伝わる唐人踊りは、津市、岡山県牛窓町と並び全国に3カ所しかない一つ。白子地区からは朝鮮通信使の行列を描いた色鮮やかな染め物の幔幕(まんまく)も見つかっている。いずれも、江戸と往来した伊勢商人がもたらしたと言われる。
公演の実行委員会づくりを呼びかけた主婦加藤二三子さん(68)は「先人たちのまつりに託した思いと文をもって武をしのぎたい、というメッセージを、『つばめ』を通して受け止めたい」という。
実行委では、公演のPR、チケット販売、会場整理、道具類の搬出入などを担う。希望者はだれでも参加できる。問い合わせ先は加藤さん(電話・ファクス0593・87・3296)。
わらび座は51年に創設された秋田県田沢湖町に本拠を置く劇団。74年にできた専用劇場で演ずるとともに、五つの公演グループが全国公演している。鈴鹿市での公演は72年が最初。99年の「菜の花の沖」まで、これまでに11回、公演している。
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(9/18) | |