Kyoto Shimbun 2003.04.27 News
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 朝鮮使持参「書契」、京で発見
 あすから京都造形大で特別展

 江戸時代に12回も日本を訪れた「朝鮮通信使」が持参した「朝鮮国礼曹参判書契」(外交文書)が26日までに京都市内でみつかった。国書に次ぐ重要文書で、28日から京都造形芸術大(京都市左京区)で始まる特別展「朝鮮通信使と画人・大岡春卜」(入場無料)で公開する。

 書契は、縦50センチ、横72センチ大。李氏王朝の外務省「礼曹」の次官(参判)から徳川幕府の老中に宛てたもので、8代将軍吉宗の襲職を祝って来日した第9次(享保四=1719年)朝鮮通信使が届けた。内容は朝鮮と日本との誠信の交わりを希望する旨の文書が書かれている。

 受け取ったのは、江戸城での国書伝達で将軍吉宗を先導した老中久世大和守重之(関宿藩=千葉県)。現在、京都市内に住む久世家家老職の子孫が見つけ、仲尾宏・造形大客員教授が確認した。いわば外交文書として実務者同士が交わす書契は毎回発給されたようだが、現物の確認は第2次の元和3(1617)年など少なく、仲尾教授は「(双方が)後の時代まで善隣友好を願っていたことが分かる」と評価している。

 特別展は、第10次(延享度)通信使の画員・李聖麟と大阪で会った画家大岡春卜(1680−1763)にスポットを当てた。朝鮮通信使の行列を描いた絵巻など未紹介の絵画や版本約20点を展示。5月25日まで。

写真=初公開される「朝鮮国礼曹参判書契」

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