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これを読むと、歴史は過去のできごとではなくて、今に生きているとつくづく思います。まず、朝鮮半島との深くて長いつながりの再認識。どうしても、近世までの関係をなぜ保てなかったか、なぜ、国が分断されたのかを考えます。次に、遠く仙台藩主にまで及んだ馬供出の義務。財政難の藩には重い負担だったでしょうが、前例踏襲で受けざるを得なかったのでしょう。次の供出命令のための記録だったのかもしれません。お役人の文書重視は変わっていないようですね。そして、ふすまの下張りとしていた反故が250年たって、貴重な記録となる面白さ。これからは、「旧家の土蔵に放置されていたCDから貴重な記録が」ということになるのでしょうか。
(岡田満里子・大阪本社編集制作センターデスク)
朝鮮通信使の馬割り当ての古文書、旧家のふすまの下張りから
25日(火)伊賀面
▲朝鮮通信使に差し出した馬の数などが書かれた古文書=名張市で
名張市の旧家のふすまの下張りから見つかった朝鮮通信使に関する古文書が、江戸幕府の命令で使節のために藤堂藩など諸国の藩主が差し出した、馬の数の割り当てについて記述したものであることが、同市市史編さん室の調査で分かった。江戸中期のものとみられ、同室は「各藩主への割り当てが具体的に書かれたものは少なく、全国的にも貴重な資料」と話している。 【江見洋】
朝鮮通信使は朝鮮国王が将軍の就任祝いなどに派遣し、1607(慶長12)年から1811(文化8)年まで、計12回来日。最少でも300人の使節が現在のソウルから江戸に向かった。馬は使節を乗せたり荷物運搬用に集められ、1頭につき8、9人が必要だったという。
通信使の古文書は8枚あり、いずれも縦約20センチ、横約29センチ。通信使に詳しい京都造形芸術大の仲尾宏教授に鑑定を依頼していた。
古文書には江戸までの陸路のうち、淀(現京都市伏見区)から新居の関(現静岡県新居町)までの間に使う馬の数と、各藩主と石高、担当したと思われる役人の名前が記されている。仙台の伊達氏から熊本の細川氏まで全国に及び、往復で延べ67藩に命じている。
藤堂氏は乗馬15頭と予備8頭を供出。担当の役人には、松尾芭蕉ともつながりがあった伊賀の町奉行・友田角左衛門の名前もあった。古文書に年号はないが、同編さん室の山口浩司さんは、所領や石高から1682、1711、1719、1748年の通信使の際のものではないかとみている。
山口さんは「藤堂家の家臣が担当を任ぜられ、参考にしようと過去の記録をまとめたとも考えられる。しかし、役職などに時代のずれもあり、さらに出所を調べたい」と話している。
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