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分部町唐人踊り保存会事務局長  小菅 雅司(こすげ まさし)さん43

◆大舞台の自信、津まつりで

写真:写真説明
きらびやかな衣装と軽妙な動きで観客を楽しませたい

きらびやかな衣装をまとい、おどけた面をかぶった行列がドラやラッパ、チャルメラの音に合わせて踊る津市の県無形民俗文化財「唐人踊り」。小菅さんは「子どものころに見た唐人踊りの面白さが忘れられず、大人になったらやりたいと思いました」と言う。

 愛・地球博(愛知万博)の「三重県の日」の8月29日、長久手会場EXPOドームで披露し、延べ約1万4000人の観衆を楽しませた。「万博会場という大舞台は記念になった。メンバーたちは、全国に唐人踊りが発信できたことで、伝統を守ろうとさらに意欲を深めている」と喜ぶ。

 唐人踊りは1636年(寛永13年)、津市藤方の津八幡宮の祭礼として始まった。本来は、江戸時代の外交文化使節「朝鮮通信使」の行列をまねたものだと言い伝えられ、分部町唐人踊り保存会が伝統を引き継いできた。

 会員は、津市東丸之内の商店主を中心に、地元の児童など約80人で、毎年10月に行われる津市最大のイベント「津まつり」(今年は10月8、9日)をメーンに、市内のイベントなどで踊っている。1998年には文部省から地域文化功労者として表彰を受けた。

 津まつりでは、赤と黄、赤と白、白と赤の2色に分かれた「ロッペ」と呼ばれる衣装に、喜怒哀楽を表したお面をかぶ

り、「道ばやし」と呼ばれる音楽で行進、 フェニックス通りの演舞場などで踊りを披露する。「津まつりではさらにパワフルになった パフォーマンスを披露する」と自信を見せている。

 21日から、津まつり本番に向けて練習に入る。

【こんな人】1962年3月、津市生まれ。小学生のころから、 生まれ育った分部町に伝わる唐人踊りに興味を持つ。神奈川県の大学に進学、 東京の会社に就職したが、家業の呉服店を継ぐため津市に戻り、保存会に入る。 1992年、「唐人踊りを継ぐ会」を発足させ、津市立養正小の児童約40人を指導する。