滋賀報知新(ニュース)平成14年10月20日第13259号

「朝鮮通信使」から学び、次代へ

近江八幡市で全国交流大会

姉妹都市の李密陽市長も来幡
=19・20日多彩なイベント=

近づく大会盛り上げに歓迎の提灯が飾り付けられた京(朝鮮人)街道
(湖東・近江八幡市)
 鎖国政策が執られていた江戸時代に当時の朝鮮国から12回に渡り、来日した外交使節団「朝鮮通信使」の足跡をたどり、日韓の歴史的な関係を振り返るとともに新しい友好関係を築く「朝鮮通信使ゆかりのまち全国交流大会」が19、20日の2日間、近江八幡市で開催される。

 21世紀がスタートしたばかりの2002年を日韓国民交流年とし、「日韓新時代への出発」をテーマに、9月にソウルとプサンで、10月5、6日には長崎県の対馬で朝鮮通信使の歴史を偲ぶ友好交流イベントが開催されたのを受けて、朝鮮人街道など、通信使と深く交流を持った足跡が残る近江八幡市でも盛大な交流会が開かれるもの。

 大会には、朝鮮通信使縁地連絡協議会に加盟する全国25の市町村長や関係団体、朝鮮通信使が縁で姉妹都市提携を結んでいる韓国・密陽(ミリャン)市の李三兆市長をはじめ、中学生使節団などゆかりのあるまちから合わせて約250人が来幡。当時の催し物に近江八幡市民と一緒に参加し、大会を盛り上げる。

 初日の大会式典は午後2時から市文化会館で開かれ、川端五兵衞市長が歓迎のあいさつを述べたあと、世界人権問題研究センター理事長・上田正昭京大名誉教授の基調講演「朝鮮通信使と近江の文化」が開かれる。

 午後3時からのアトラクションでは、韓国・大邸(テグ)市の心印(シムイン)高校吸打隊による民族音楽「吸打」の披露や八幡中の八中太鼓が力強い演奏でステージを盛り上げる。

 このあと、ステージで上田名誉教授、京都造形芸術大客員教授・仲尾宏氏、名古屋外国語大講師・貫井正之氏の3氏が「朝鮮通信使からのメッセージ」をテーマにそれぞれの立場から朝鮮通信使の意義を探る。

 最後に大会歌「アゲイン」の合唱と密陽市と近江八幡市の中学生が未来に向けてのメッセージを朗読し、交流を深める。

 翌20日は、天和2(1682)年に通信使が来日した際、使節の一行約500人が昼食をとった本願寺八幡別院と朝鮮人街道の京街通りなどで「JAPAN−KOREA市民交流イベント」が盛大に催される。

 午前11時、小船木町を出発する再現行列「朝鮮通信使ニューミレニアムパレード」には、両市長をはじめ来賓、中高生、各種市民団体など総勢450人が参加。チマチョゴリや当時の韓国衣装姿で京街道から仲屋町通りを経由して八幡公民館まで約2キロの街道コースを約1時間半かけ、民族楽器の演奏や伝統舞踊を披露しながら練り歩く。

 主会場の本願寺八幡別院境内では、午後1時から特設舞台で「市民交流ステージ」が開幕。再現行列で「正使」に扮した李密陽使市長から「代官」に扮した川端市長に友好親善の発展を願う「親書伝達式」が行われたあと、心印高校吸打隊の演舞、三重県津市分部町の唐人踊保存会による「唐人踊り」、朝鮮初中級学校生徒によるサムルノリの演奏などが披露される。

 また、参加市町村の特産品販売やキムチやチヂミに代表に代表される韓国料理と漬け物、ねぎ焼きなど日本との食文化の違いを味わうコーナーや韓国の現代自動車ショー、フリーマーケットなどの店舗が並ぶ。

 京街道商店街アーケード下では対馬沖のブリ200匹の即売や竹細工、あめ細工の実演販売などお楽しみイベントが繰り広げられる。

 協賛行事では、「日本の染めと朝鮮刺繍の出合い」展が扇四呉服店(京街道)で、市立市資料館で「朝鮮通信使特別展」、また、長崎県在住の写真家・仁位孝雄氏の写真展「朝鮮通信使の道」が市立図書館で、さらに当時の通信使使節団にもてなした響応(接待)料理の再現展示と絵画・写真展が旧伴家で20日まで開かれる。


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