日時 : 2005年12月3日(土) OPEN、13:00 START、14:00
場所 : 桑名市民会館
主催 : MINDAN MIE(在日本大韓民国民団三重県地方本部)
協賛 : 三重県日韓親善協会
後援 : 三重県・駐名古屋大韓民国総領事館・財団法人三重県韓国人教育会・三重県教育委員会・桑名市・桑名市教育委員会

姜尚中 東京大学教授

1950年、熊本県熊本市に生まれる。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。 ドイツ、エアランゲン大学に留学の後、国際基督教大学準教授などを経て、東京大学大学 院情報学環教授。専攻は政治学、政治思想学。テレビ・新聞・雑誌などでも幅広く活躍中。 著書には「マックス・ウェーバーと近代」「オリエンタリズムの彼方へ」(以上、岩波現代文庫) 、「東北アジア共同の家をめざして」 (平凡社)、「日朝関係の克服」(集英社新書)、「デモクラシーの冒険」 (共著・集英社新書)、「在日からの手紙」(共著・太田出版)、「挑発する知」(共著・双風舎)、「在日」 (講談社)、「愛国心」「戦争の世紀を超えて」(以上、共著・講談社)などがある。

▲ 講演会の模様

姜尚中先生 講演内容 要旨 (2005.12.03. 桑名市民会館)
日本と韓国との立場の最大の違いは内戦の有無。 朝鮮戦争では400万人以上が犠牲となり、内戦で出た犠牲者数は歴史上トップではないか。 ベトナム戦争でも200万人ほどしか死んでいない。

冷戦構造における日本のあり方は戦後10年で形成され、その基本は未だに変わっていない。 朝鮮半島のそれは、戦後8年(朝鮮戦争終結まで)で形成され、その基本はやはり変わっていない。 冷戦構造は日本にとって、経済的に最もメリットのある形だった。 しかしそれが崩れて来ている。

北朝鮮に最も致命的な一撃を加える方法は何か? 米国がキューバという天涯孤独な孤島に対し経済封鎖をしたが、キューバ危機後40年以上経過した今でもカストロ政権 は崩壊していない。 中国・ロシア・韓国と、日本の何十倍もの交易をしている北朝鮮に日本が経済制裁をするなど、愚の骨頂である。 北朝鮮が求めるアジアの安定、国交樹立の願いを叶えてやれば、その時点から北朝鮮内部の矛盾が噴出し、 北朝鮮は自然に崩壊するはずで、それこそが最大の制裁となるであろう。

日韓・日中という関係は、実は日米の裏返し。 日本は外交の重点を余りにも米国に置き過ぎ、外交の切り札をどんどん失う羽目になった。 靖国・反日デモ等をめぐる嫌韓・嫌中の動きは、実は戦後冷戦構造及び東京裁判を否定する動きであり、 矛先は米国に向かうはずの論理を持っている。 米国で民主党が政権をとった場合(ブッシュ人気の低迷からして可能性大)、改憲・右傾化を進める自民党の狙いは、 冷戦構造を守りたい米国の逆鱗に触れるだろう。

南北の拙速な統一は、ドイツの現況を見ても無謀であることは明らかであるし、朝鮮半島の統一は当面、 緩やかな連合体を目指すはずである。 そのための枠組みとして、6ヶ国協議の体制は理想的だ。 ブッシュもこれを崩すことは出来ないし、この新しい枠組みの中で日本と韓国が、 膨大な地下資源を持つ北朝鮮との間にいかに協調関係を作れるかで、将来の世界の歴史が決まるはずだ。


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