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【高句麗史歪曲】「韓中5項目合意」無力化



 高句麗史を中国の歴史に含める「東北工程」の主唱者である孫進己・瀋陽東アジア研究中心主任ら、 中国の学者グループが16日、ソウルで開かれた国際学術会議で、「中国の土地で展開された高句麗は中国の歴史」 「三国統一ではなく、新羅による百済統合に過ぎない」と、高句麗史に対する歪曲された主張を繰り返した。

 孫氏のこのような主張は先月、韓国を訪問した武大偉アジア担当副部長(次官級)が「歴史問題によって 友好協力関係が損なわれることを防止しよう」という5項目の口頭了解に合意したことと関係なく、 中国は学者を通じて「高句麗史歪曲」を続けていることを物語っている。

 先月、韓国と中国政府が合意した口頭了解は、「高句麗史は中国史」という主張を来年度の教科書に 載せないといった内容が盛り込まれているだけだ。

 孫氏は同日、高句麗研究財団が主催した第1回国際学術会議「韓国史の中での高句麗の位置」に出席し、 「高句麗の領土3分の2が現在の中国の領土であり、当時の高句麗住民の4分の3が中国に帰化した」とし、 「これは今日の米国史を述べる際、アメリカン・インディアンの歴史まで包括する反面、移民者の元の故郷のヨーロッパ史を言及しないことと同じ」と述べた。

孫進己氏(左)と林起煥室長

孫泓・東アジア研究中心研究員は、「高句麗が中原王朝の地方政権」と主張した。 中国の学者たちは「高句麗は大部分の歴史において一貫して中原に帰属してていた」 「韓国では、高句麗の歴史が一統三韓(新羅の三国統一)を通じて新羅に受け継がれたというが、 高句麗は『三韓』に含まれない」「新羅の三国統一は百済、新羅の2国の統合」と主張した。

 しかし、林起煥(イム・ギファン)高句麗研究財団・研究企画室長は「孫氏の主張は、 現在の領土を中心とする考え方」とし、「歴史の継承権は、現在の領土の主権とははっきり区分しなければならない」と主張した。

 林室長は「中国の史書では高句麗を『東夷伝』に収録している反面、高麗では『三国史記』以来、 高句麗を正式な歴史体系として認める史書を編纂してきた」と述べた。

 今回の学術大会に出席したモンゴルの史学者、オー・バートサイハン・モンゴルアカデミー教授は 「中国は1950年代からモンゴル史が中国史の一部だと歪曲し続けてきた。1991年に出版された『モンゴル族統史』は その代表的な作業だった」とし、「中国の歴史歪曲に対応するため、韓国とモンゴルの連帯が必要だ」と述べた。

 今年6月、高句麗研究会の主催で開かれた学術大会でも、トルコの学者は「中国が突厥の歴史を自国史と主張している」とし、 韓国とモンゴル、トルコなど中国の歴史歪曲の対象になっている国々が連帯し、対処すべきと提案している。

(朝鮮日報) - 2004年09月16日



社団法人 高句麗研究会