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W杯南アフリカ代表、きょう上野市入り/伊賀



 サッカーのワールドカップ出場に向けた事前キャンプのため、南アフリカ共和国チームの選手・役員ら約50人が24日午後、上野市入りする。世界の大舞台に臨む“バファナ・バファナ”(「少年たち」を意味するチームの愛称)を温かく迎えようと、準備を整えて来訪を待つ練習会場や宿泊施設、市民グループなどの表情を紹介する。 【松野和生】

 ◇…練習会場…◇

 事前キャンプの練習会場となる市運動公園競技場。青々と映える芝生の手入れも整い、チームを待つばかりとなった。

 芝生は3年前、競技場改修の際に全面を張り替えた。今大会で国内試合会場となった横浜国際総合競技場や大阪・長居陸上競技場など有数スタジアムの芝と同種。

 ティフトンと呼ばれる種で、葉が柔らかく、通常種に比べ100〜150倍のおう盛な成長力を持つという。「超一流」の芝質は、南アをはじめ相次いで視察に来た各国サッカー協会の関係者をうならせた。

 グラウンド・キーパーとして計画・立案を担当したのは、芝生を専門に手がける鈴鹿市の施工会社の役員、小林俊哉さん(42)。ティフトンの成長が休眠状態に入る冬に向けては、寒冷期に育つ別の芝の種を上からまき、ティフトンの生育を補った。「サッカー場は選手の動きが激しい。常に絶好の状態を保つのは当然」と、刈り込みや施肥などの管理にも気を配った。

 芝の手触りを確かめ、小林さんは「柔らかくて、状態は良い」と満足そう。「グラウンドに携わる者として、世界のひのき舞台に立つ選手たちと何かの形でかかわれるのは幸せです」とキャンプ・インを心待ちにしている。

 ◇…ホテル…◇

 選手と関係者はキャンプ期間中、滋賀県信楽町多羅尾のリゾート・ホテルを利用する。上野市との境界になる御斎峠からほど近く、自然の中の閑静なたたずまい。

 選手らが寝起きするツイン、和・洋室各10室などをはじめ、大きな設備変更もなく準備は整った。ホテルへの出入り、食事の誘導を中心にスタッフ約60人が対応する。

 宮本徹也・副支配人は「期間が短いだけに、リラックスしてもらえる環境を作りたい。目立ち過ぎず、裏方に徹して気を配るかがポイント」と話す。

 ホテル側が最重要点と強調するのが食事。朝はシリアル類、昼はパスタ類を中心に、肉や野菜、乳製品など十数種類の食材を取り合わせたバイキング方式で提供される。料理長の竹内新太郎さん(52)を軸に、調理スタッフ6人の腕の見せどころだ。

 南アチームが国際大会のキャンプ期間中に食べたメニューを参考に献立を決めた。肉類や牛乳など、食材はすべて低脂肪・高たんぱくが基本で、制約はかなり厳しい。毎食、さまざまな果物やソフトタイプのドライフルーツも欠かせない。入手しにくい羊肉や無農薬鶏肉なども京都などの業者に手配した。

 「単純な調理法では味気ないので、見た目にもおいしそうに仕上げたい。やる以上は、納得できる最高のものを作りたい」と竹内さんは意気込みをのぞかせる。

 ◇…マップ…◇

 上野市内の通訳ボランティアグループ「伊賀の伝丸(つたまる)」(約40人)は、上野を訪ねる外国人観光客向けに、レストランなど主要施設を書き込んだ英語版の案内地図(A2判)1000部を作製した。観光案内所などに置き、活用してもらう。また、商店や飲食店員を対象に、あいさつなど簡単な日常会話を紹介したマニュアルも併せて作った。

 キャンプ受け入れ実行委員会の1部会として、運営メンバー約10人を中心に先月から週2〜3回、夜間に集まり作業した。

 和田京子代表(42)は「外国から来る人たちへのもてなしの気持ちを込めて作った。マップやマニュアルが心と心を伝え合う役目を果たしてくれれば」と期待している。

 ◇…歓迎パネル…◇

 南アチームの歓迎に彩りを添えようと、上野市内9地区の児童福祉会やサッカースポーツ少年団の子供たちがそれぞれ描いたパネル(縦45センチ、横1・8メートル)計10枚が23日、市運動公園競技場の東側内壁に掲げられた。応援の言葉に加え、6色の南ア国旗や忍者のアニメキャラクターなどがくっきりと。

 市立新居小学校の6年生(29人)は、所属する計4地区の児童福祉会ごとに、1週間がかりで模造紙に絵の具を使って描いた。西高倉地区の山本征志君(11)らは「選手が喜んでくれるように、明るく楽しく、目立つようにと心がけた」と力作に満足そう。皆で「南アチーム、頑張れ」と盛んなエールを送っていた=写真。


(毎日新聞2002年5月24日三重版から)
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